トルコ外相、アゼルバイジャン訪問、ウクライナ情勢に懸念
2022年03月05日付 Hurriyet 紙

公式訪問でアゼルバイジャンに滞在しているメヴリュト・チャヴシュオール外相は、アゼルバイジャンのジェイフン・バイラモフ外相と実施した共同記者会見の中で語った。チャヴシュオール外相は「我々は地域的な問題について検討した。特にウクライナでの展開を懸念している。我々は国々の領土保全を武力を行使して変えることに、他国同様に原則的として反対する。我々は不当で無法なこの攻撃が一時も早く終息することを望み、この件でのより一層の尽力を続ける。」と述べた。

 記者会見でチャヴシュオール外相は、暫くぶりにアゼルバイジャンを再訪できたことを嬉しく思う、また自身に寄せられた関心について感謝すると述べ、「今回の訪問を機に30年前のことを思い出すのだが、(ナゴルノ・カラバフ戦争の)ホジャリ大虐殺において亡くなられた死者たち、兄弟たちに神の慈悲があるように祈る。彼らを敬意、誇り、慈悲の気持ちとともに回顧する。」と述べた。

◾「歴史的な一歩を踏み出した」

 チャヴシュオール外相は、シュシャ宣言(訳註:トルコとアゼルバイジャンの経済・軍事面協力強化のための宣言)が両国の議会によって採択されたことに触れ、「先月、我が兄弟ジェイフンさん(ジェイフン外相のこと)も述べたように、シュシャ宣言が両国の議会によって採択された。そもそもトルコとアゼルバイジャンは無論同盟国であるが、しかしこの自然な同盟関係を両国の指導者たちの意思により文書化し、協定化した。両国の議会の採択とは、まさにこうした意思、指導者たちの意向が、直接国民によっても承認されたことを示している。すなわちシュシャ宣言によって、我が兄弟ジェイフン外相も述べたように、歴史的な一歩を我々は踏み出した。またこの宣言の枠組みの中には、 今後のプロセスの中で重要な要素がある。軍事的問題、文化的問題、ディアスポラ問題、経済・エネルギー・科学の問題である。これらの問題について具体的な対応を進めるために我々は他のすべての省庁と連携して活動する。」と述べた。

◾「感染拡大にも関わらず、二国間の貿易額は50億ドルに達した」

 チャヴシュオール外相は、感染拡大にも関わらず、二国間の貿易額は50億ドルに到達したと述べ、「しかし指導者たちは150億ドルを目標に置いた。我々二国の潜在的可能性はその程度が妥当であるからである。このためにどのような措置を講じ、輸送・物流上の障害を取り除き、それらを奨励しなければならない。 我々の間には特恵貿易協定がある。この範囲は無論拡大できるが、むしろ自由貿易協定の交渉を始めることが重要だ。感染拡大や地域の展開が示しているように、我々自身が二国間のサプライチェーンをいかなる障害もなく構築しなければならないからである。この方向でもともに協力を続けていく。投資額はすでに300億に近づき、アゼルバイジャンでもトルコでも両国の企業に投資の実施につき、我々は奨励を続けていく。無論占領から解放された地域の開発と再生についても、アゼルバイジャンのイフラム・アリイェブ大統領のビジョンに沿った作業に我々もできる限り支援を行う。」と述べ た。

◾「ウクライナでの展開を懸念している」

 チャヴシュオール外相は、アゼルバイジャン・トルコ関係を全面的に取り上げ、加えて地域の諸問題を検討したと述べ、「今日、両国関係の全側面を我が兄弟ジェイフンは語った。両国関係を全面的に取り上げたのと同様に、地域の諸問題も検討した。特にウクライナでの展開を我々は懸念している。国々の領土保全を武力を行使して変えることに、我々は他国同様に原則的として反対する。我々は不当で無法なこの攻撃が一刻も早く終息することを望む。このことについて我々はより一層の尽力し続けている。そのように世界を眺めると、特に重要な演者という点で、ロシア・ウクライナ両国とコミュニケーションをとれ、関係を持つ国々の中に、我々アゼルバイジャンとトルコの両国がある。このような関係性を積極的に活かして先ずは尽力したが、戦争は始まった。今はこの戦争を停めるために我々はまた努力を続けていく。特に今後のプロセスの中で避難に関して両国の協力を、我が兄弟ジェイフンが非常に素晴らしく説明した。アゼルバイジャン国民、トルコ国民と分け隔てすることなく、両国の兄弟たち、国民たちを国に帰すために、我々は共同の活動を続けていく。」と述べた。

◾「アゼルバイジャンによるアルメニアへの包括的和平条約の提案を支援する」

 チャヴシュオール外相の話は次のように続いた。「ナゴルノ・カラバフ戦争の勝利後、アゼルバイジャンがアルメニアに提案した包括的和平条約を我々は支持する。これはまさに親愛なるアゼルバイジャンがいかに善意を持ち、地域に平和を望んでいるかを表している。アルメニアがこれに前向きな返答をするよう願っている。そうすることが必要であり、そうして地域の平和と安定のために誰もが自分の役割を果たすことになろう。我々がアルメニアともいくつか進めた措置もあり、特別代表のセルダルさんも今日ここにいる。この件についても我々は親愛なるアゼルバイジャンと共同で活動していて、あらゆる問題で共に協議し、どういった方策を取るかを決めている。今後も同じような考えで続けていくと、ここで今一度申し上げたい。我々の基本的な目標は地域の善隣友好関係を国際法に則って続けていくことであり、ザンゲズール回廊をはじめとする計画を実現させることである。一方で我々は地域の安定のために、アゼルバイジャンと今日のみならず過去以来尽力している。そのため隣国諸国とも、3者、4者の会議の体裁がある。こうした会議の一部はアゼルバイジャンで、一部はトルコで行わる予定で、イランとの会議はイランで開催される。また可能であればこうした会議を今年実現するために友人たちが準備を行う。一方、テュルク評議会の最新のサミットではアゼルバイジャンが当期の議長を務める中で、重要な決定を行った。現在こうした決定を実現・実行する点で、我々は外務監督役として活動している。いずれ会議を実現させる。アゼルバイジャンは2年間、当期の議長を成功裡に続け、ハードルを上げた。我々もそのハードルを下げず、またさらに引き上げるために共に活動していく。」

◾「我々は誰しもを招待し、誰しもに平等に機会を与えた」

 チャヴシュオール外相は、アンタルヤ外交フォーラムにアゼルバイジャンから大規模な代表団が参加したと述べ、「アンタルヤ外交フォーラムにアゼルバイジャンから広範な参加があり、大規模な代表団で参加された。大変感謝している。2年目に全世界の注目を受けた、いや1年目にも注目されたが、2年目には多数の外相や大臣、国家元首、政府首脳、国際組織の事務総長、NATO事務総長、欧州安全保障協力機構(OSCE)事務総長、欧州評議会事務総長といったあらゆる国際組織の、 国連安保理といった代表者たちもそこにいる。約40の国際組織、地域組織の上層幹部が我々と一同に会する。我々は誰しもを招待し、誰しもに等しく機会を与えた。アルメニアも招待した。ギリシャも、キプロスも招待した。イスラエルも招待した。これは自由のプラットフォーム、縛られないプラットフォームである。我々は皆に来て声を聞かせてほしいと述べた。実際フォーラムの意図はこれだ。しかしこの場では、世界はどこへ向かうか、外交をどのように再構築する必要があるか、これらを話す必要があって、我々は外交をどうにか前面に出していく。アゼルバイジャンがこの方向で非常な重要な貢献をするだろうと信じている。我々は我が兄弟ジェイフンをはじめとする、全ての参加者のビジョンを活用していく。」と述べた。

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:52818 )