チャヴシュオール外相、ロシア・ウクライナ外相会談を総括
2022年03月10日付 Hurriyet 紙
メヴリュト・チャヴシュオール外相はアンタリヤで行われたトルコ・ウクライナ・ロシアの三カ国会談の後、記者会見で、重要な評価を行った。「持続可能な停戦」を強調したチャヴシュオール外相は、「最初の会談で奇跡は期待するべきではない」と発言した。
アンタリヤで、ロシア・ウクライナ間の戦争終結のため、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外相と、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相、ウクライナのドミトロ・クレバ外相が参加した三カ国による和平会談が実現した。重大な会談のあと、チャヴシュオール外相は会見を行った。
「今日の会談への参加に感謝を述べたい。破壊行為が一刻も早く停止されるように全力を尽くしている。この戦争が続くと、敗者はまず無実の民間人となることを我々は強調している。この戦争によって、地域の住民を含む皆が苦しんでおり、それはこれからも続くだろう。」
「両国との密度の濃い会談となった。我々の大統領は、両国の首脳と面会した。私は、両国の外務大臣と何度も会ったことがある。双方が我が国で一堂に会することを実現させた。この会談が特に”アンタルヤ外交フォーラム”という形で行われたこともまた意味がある。我々は今日、この会談でトルコの国家的な立場を抑えて、進行の役割を果たした。我々は人道的側面が優先されるよう注意を払った。毎日のように、流れる血と涙は増えている。戦地に取り残された民間人の救助の必要性を訴えた。」
■人道回廊が開かれるべきだ
「人道回廊がどんな障害にも出くわさずに、開放された状態である必要性を、今日の会談で今一度、強調した。なぜなら、トルコ市民を避難させる際に、我々はこの地の状況を直接目にしたからである。マリウポリの停戦を提案した。両国はこれを協議する予定だ。ロシアは現在、この地域に侵攻している状況でウクライナ軍部隊もそこにいる。ここでの協調が実現されなければ、民間人の命の保証は危険にさらされることになる。」
■奇跡を期待するべきではない
「一度の会談で奇跡は期待されるべきではないが、大臣レベルのこの会合は重要なきっかけである。これが首脳級のレベルで実現されることが議題に上がった。ウクライナのゼレンスキー大統領はこのような会談に対し、準備ができていること、またロシアのプーチン大統領に関しては原則としてこのような会談には反対しないとしていることが明らかになった。プーチン大統領はトルコのエルドアン大統領と行った会談でもこの考えを明らかにしていた。
ウクライナはこうした会談がトルコで、ロシアはベラルーシで行われることを望んでいる。我々は喜んで主催国となるが、大事なことは場所ではなく、一刻も早い開催である。我々はこのプロセスの支援を続けていく、トルコで行うのであれば、再び主催国も務める。他の場所がえらばれても、これも満足である。
トルコとして、外交を優先的なものとする努力を続けていく。我々の招待を受け入れてくれた両国には、我々へ示した信頼に対して、深く感謝している。」
■非常に礼儀にかなった会談が実現した
「この会談は容易な環境で実現したものではなかった。一方では戦争が続いている。すべての困難な状況にもかかわらず、非常に礼儀にかなった会談であったといえる。両国とも意見を述べたが、誰も声を荒げることはなかったし、緊張した場面もなかった。
両使節団にもベラルーシでの和平交渉に参加した人々もいた。大臣レベルの初めての会談ですべての決定がなされることはない、私もこれは期待していなかった。こうした会談が両国のトップレベルで行われることが必要である。両国が受け入れるなら、我々は再び主催国となろう。我々への信頼が続いていることを実感している。」
■危機からの脱出はより容易となったか
「今日の会談が政治的レベルでの初の会合となったことこそが最も重要な点である。この会談ですべての問題が解決されるとは誰も期待していなかったが、きっかけとなることが必要だ。話し合いが続けば、安心させる歩みとともに、終結へとたどり着くと考えている。
両国が政治的に一堂に会したこと、首脳レベルでの会談に両国がゴーサインを出したこと、ウクライナに至っては直接的に準備ができていると発言したことは、我々の希望を大きくした。」
■保証国となる申し出は?
ロシアとウクライナの間には中立化を含むたくさんの交渉するべき要素がある。包括的な和平条約が署名されるかは交渉テーブルの上にある。ウクライナがこの状況でいくつかの国が保証人となることを要求していることは皆さんもご存じだろう。この国のうちのひとつはトルコである。ウクライナのクレバ外相は、今日の会談でこのことを再び発言した。」
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( 翻訳者:大畠梨紗子 )
( 記事ID:52884 )