イラク:バルキース・シャラーラと記憶のかばん(7)
2021年11月26日付 al-Quds al-Arabi 紙
■バルキース・シャラーラと記憶のかばん:イラク人の食とリフアト・チャーディルジーの香りについて
【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】
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一家はその後ヒッラからバグダードの東カッラーダ地区に移ることになる。ここでは、少女のバルキースは、建築や近所の路地、隣人といったものにはあまり興味を示すことはなかった。1920-30年代に同じ地区に家族で住んでいたユダヤ人の娘、ヴァイオレット・シャマーシュ(*作家。『ヴァイオレットの手紙:バグダードのユダヤ人の生活を歩く』を著す)とは対照的である。彼女は、バグダードの通りや人々、泥棒について数々の光景を語り残している。そういうわけで、バルキースにとっては、食にまつわることが最も「よく覚えている」ことであり、正確にはこの時期を通して「よく覚えていようと」試みたものであった。子どもの頃に学校で食べていたアンバ(*マンゴーのソース)のサンドイッチについては特にそうである。さらに数年が経ち、成長したバルキースはバグダードの英語学部で学ぶようになる。そして友人を通じて柔和な面持ちのハンサムな青年、リフアト・チャーディルジーと知り合う。
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( 翻訳者:下宮杏奈 )
( 記事ID:52922 )