チャヴシュオール外相、マリウポリのトルコ人について発言
2022年03月13日付 Cumhuriyet 紙
トルコのチャヴシュオール外相は、アンタリヤ外交フォーラムの閉会式で、マリウポリのモスクに取り残されているトルコ人に関して言及した。
メヴリュト・チャヴシュオール外相はアンタリヤ外交フォーラムの閉会式でスピーチを行い、「アンタリヤでは外交が脈打っている。そして外交に求められているものはこれまでになく大きい」と述べた。
またチャヴシュオール外相は、記者からの質問に答える形でウクライナのマリウポリのモスクに避難しているトルコ系住民に関する質問にも答えた。同外相のスピーチ中で特に注目される部分は以下のとおり。
「3月10日、我々は歴史的な会議を主催した。ウクライナでの戦争が始まって以来、ウクライナとロシアの外務大臣がトルコで初めて一堂に会したからだ。世界中の目と耳がアンタリヤに向けられた。特にロシアとウクライナ両国がトルコの同席を希望したという事実はトルコへの信頼の表れだ。我々は当初から外交上の原則を優先する姿勢をみせてきたし、この努力を今後も真摯に続けていくつもりだ。3月11日、アンタリヤ外交フォーラムの開幕が実現した。我々は、数多くの最新の課題について、自由な環境で率直な意見を交換しあい、多様な立場に耳を傾けた。アンタリヤ外交フォーラムは今や国際的に知られるイベントとなり、今年のフォーラムも幅広い参加者を得て開催された。
■「アンタリヤで外交の力が発揮」
75カ国からの参加者が一堂に会した。世界のおよそ40パーセントの国々からトップレベルの代表が集ったことになる。
アンタリヤ外交フォーラムへのこうした関心の高まりは、エルドアン大統領のリーダーシップの下で我々が推進してきた、積極的そして人道的外交政策を反映している。エルドアン大統領は11、私は67の会合に出席した。そして、ゲストらも互いに多くのコミュニケーションを行なった。
4日間を通してアンタリヤでは外交の力が発揮された。内容という点でも今年のアンタリヤ外交フォーラムは非常に充実していた。トルコの若者らは、外交をいかに再構築できるかというテーマでスピーチを行い、彼らの意見を共有した。」
■「ラブロフ外相に対し、マリウポリにいるトルコ市民の避難支援を要請」
チャヴシュオール外相はスピーチ後、記者の質問に応じ、ウクライナでの避難に関して発言した。その後、マリウポリでモスクが爆撃されたというニュースについても言及し、次のように話した。
「戦争開始前の2月12日に、我々は現地に暮らすトルコ市民に対して、特にウクライナ東部から離れるよう直接電話や、メッセージを送って注意を喚起した。避難のために帰国した市民は約5000人。そして戦争開始日から今日まで約14,500人のトルコ市民の避難を支援してきた。
マリウポリで行なわれたロシアのラブロフ外相とウクライナのクレーバ外相を交えた三者協議では、特に人道回廊の設置が議論された。というのも現地にはトルコ市民のほかにも、さまざまな国の市民がいる。現地では戦争が市街戦に転じていることから市民を連れ出すのは非常に危険だ。人道的な停戦と回廊の設置が必要だ。
昨日はモスクが爆撃されたというニュースがあった。ただし、その後、モスク導師はこのことを否定した。導師によればモスクからそれほど遠くも近くもない場所に爆弾やミサイルが落ちたということであり、現状ではモスクへの被害はない。
トルコは、露ラブロフ外相にマリウポリに暮らすトルコ市民の避難支援を要求した。というのも衝突が続いているからだ。トルコから(救援)バスを送っているが、衝突が続くなかではバスが市内に入ることができていない。」
■「誰もが地域の安定のために最善を尽くすべき」
チャヴシュオール外相は、昨日、アルメニアのアララット・ミルゾヤン外相と会談し、この地域の平和と安定を強調したと述べ、次のように続けた。
「(アルメニアとアゼルバイジャンの)戦争が終結し、アゼルバイジャンが占領されていた領土を回復した後、アゼルバイジャンとトルコの両国は、この地の平和と安定を強調してきた。アゼルバイジャンはアルメニアに包括和平合意を提案した。アルメニアはこれに返答する必要がある。
地域の安定のために誰もが自らの役割を果たすべきだ。トルコは、アゼルバイジャンとアルメニアの間で進められるあらゆるステップを支援する。
さらにトルコとアルメニアの関係が完全に正常化するために何が必要かについて話し合った。そこで、(トルコは)アゼルバイジャン側から提案された和平協定にアルメニア側が積極的に対応するよう期待していると伝えた。アララト・ミルゾヤン外相も、アゼルバイジャンとの和平協定に向けた交渉を開始したいと述べた。一刻も早く実現することを願っている。」
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:52938 )