オランダのマルク・ルッテ首相が10年ぶりにアンカラを訪問し、オランダの紙面を大いに占めた。オランダメディアは、トルコがウクライナで進行している戦争を止める重要な役割を担っていると注意を引いている。また各紙では「トルコはNATOの中でウクライナ問題を仲介することができる唯一の国である。仲介者の役割はエルドアン大統領がふさわしい。」という内容が多く見られる。
10年ぶりにトルコを公式訪問したオランダのルッテ首相は、昨日レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領と大統領官邸で対面した。二人のリーダーによる会談は今日オランダメディアで大々的に取り上げられた。各紙は両国間の緊迫状態が終わったことを強調しつつ、ウクライナの危機に関するトルコの重要な役割についても注意を引いた。
■トルコの役割は極めて重要
AP通信が発表したニュースには「トルコがウクライナの危機において極めて重要な役割を果たしている」と言及したルッテ首相の言葉が掲載された。
同ニュースでは、トルコがロシアのウクライナ占領を許しがたいと批判する一方、二国間の仲介役に尽力していることが強調された。
■ルッテ首相のエルドアン大統領に対する賛辞
オランダの公共放送組織であるオランダ放送協会は、外交を通じて戦争を終わらせようと努力しているとしてルッテ首相がエルドアン大統領を称賛した、と指摘した。また、トルコがウクライナの戦争を止めるため重要な役割を果たすNATO加盟国である、と記述した。
同放送協会は、ロシアとウクライナの関係においてトルコがおよそ中立の立場に留まっていることに注意を引き、「トルコの立ち位置はNATOにとって貴重である。エルドアン大統領は地域で役割を持ち、東方にも西方にも敬意を払える人物である。仲介役は彼がとてもふさわしい。」と述べた。
■モントルー条約の強調
オランダ最大の新聞の一つテレグラーフ紙は、会談の際に二人のリーダーが醸す親しげな光景に注意を引き、「エルドアン大統領はルッテ首相を両手を広げて出迎えた」と記述した。
同紙は、ウクライナの危機において仲介役を果たしモントルー条約を尊重している点で、ルッテ首相がトルコを称賛を込めて言及した、と発表した。同時に、トルコが最近10年で360万人以上のシリア難民を受け入れていると強調した。
■重要な役割を担っている:この問題について何事かを実行できる唯一の国
アルヘメン・ダフブラット紙は、ルッテ首相による訪問の話題に関して、専門家の見解を掲載した。ウクライナ戦争が両国間関係において重要な転換期であると強調し、トルコがロシアともウクライナとも良好な関係にあることに注意を引きつつ、重要な役割を担っている、と指摘した。
トルコ専門家のニンケ・ヴァン・ホゥヴェリンゲン氏は、同紙において「トルコは恐らくこの問題について何事かなし得る唯一のNATO加盟国である。このことは、エルドアン大統領をオランダにとっても重要にする。トルコは、緊迫状態を緩和するのに最適な複数の知己を持っている」と述べた。
■トルコは大切な仲間
ニュースポータルNu.nlは、トルコ・オランダ間の関係が再び好転していると強調し、「オランダとトルコの通商関係はとても強力である。さらにトルコはNATO内の大切な仲間である」と記述した。
ニュースでは、NATOサミットの後エルドアン大統領とルッテ首相が再び会談する予定であることが強調された。
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( 翻訳者:田原紗樹 )
( 記事ID:53043 )