ウクライナ抵抗の立役者トルコ製無人機に、米製ミサイル搭載へ
2022年04月10日付 Milliyet 紙
米国防総省が先週発表した最新の対ウクライナ包括支援の最優先事項は「レーザー誘導ロケットシステム」となった。ウクライナのバイラクタルTB2武装無人航空機(SİHA)飛行隊所有のロケットが減っているという報道に混じり、米軍はバイラクタルSİHAに新ミサイル搭載のため動き始めた。
米誌フォーブスの報道によると、バイラクタルは侵攻との戦いにおいてウクライナが収めた意義ある成功の一つとなった。米プレデターの小型版を連想させるトルコ供与の無人航空機は、夜間飛行かつこれもまたトルコが供与したレーザー誘導MAMミサイルで攻撃することでロシア軍車両に大きなダメージを与えた。ロシアがバイラクタルを撃てないことは重大な軍事的失敗の表れだ。バイラクタルの成功はウクライナの士気を大きく高めた。SİHAは人気曲やインターネットの一連のミームをインスパイアした抵抗の象徴となった。
■ロシアは「35機あるバイラクタルの37機」を撃墜と主張
ロシアが現にバイラクタル35機からなるウクライナ飛行隊のバイラクタルを37機撃墜したと主張しても―106%と優れた殺傷率―そのうちたった3機の画像確認があるだけでバイラクタルは未だに多数の作戦で見られている。しかしここ最近はバイラクタルの攻撃に関する映像は僅かしか出ておらず、その理由は作戦上の安全もしくはミサイル不足の可能性がある。
トルコは侵攻の直前にバイラクタル複数機を供与したが、関係者は無人航空機契約はトルコ民間企業により結ばれたもので、これは軍事的な政府支援ではないと強調した。他国がウクライナにミサイルやその他武器の供与のため競り合う一方、侵攻開始以来トルコが供与した武器に関するいかなる声明も出されていない。
■「ツバメにココナッツを運ばせることに近い」
もしかしたら今は代替武器の時なのかもしれない。ウクライナにたくさんのジャベリンや対戦車ミサイルがあったとしても、これらは空中発射には適しておらず、SİHAには簡単に組み込められない。米国がヘルファイアミサイルを供与する可能性があるが、これらはMAMの2倍も重く、バイラクタルにこれを搭載することはツバメにココナッツを乗せるようなものだ。
■求めていた武器が見つかる:APKWS
幸いなことに米国には便利な代替武器がある。それは航空機から発射されるものとして設計された軽量レーザー誘導武器のAPKWSだ。この25キロのロケットは1940年代に初めて開発され、7または19発の爆弾倉で戦闘航空機やヘリコプターによって運ばれ、一つのエリアをカバーするよう速射のために使用された。ベトナムでも集中的に使用された。ロシアのヘリコプターは未だにウクライナで類似の非誘導ロケットからなる爆弾倉から発射している。APKWSは標準レーザー目標指示装置を使用しており、オペレーターが目標をマークするだけでさらなるロケット技術を要することなく標的を撃つように動く。理論上は簡単でもAPKWS計画を完成させるのは非常に困難だった。英BAEシステムズ社は2012年に実地で成功を収めるまで開発に16年以上かかり、無数の問題と直面した。
■CİRİTに対応
バイラクタルは全くAPKWSを発射したことがない。しかし製作者の紹介資料によると、トルコ企業のロケットサンにより製造されたCİRİT[ジリット]ミサイルに対応している。CİRİTは、APKWSと同じコンセプトを有する。既存航空機に取り付けられたレールおよび爆弾倉から発射されるものとして設計された。2.75インチのレーザー誘導ロケットであるCİRİTは、NATO標準レーザー目標指示装置にも対応している。APKWSは、ウクライナのバイラクタルが使用する現ミサイルよりも軽量で同程度の威力の弾頭はないが、バイラクタルは戦車はもとより主に燃料タンクローリーや対空戦車を破壊するために使用されているため、重い対戦車ミサイルは必要ないかもしれない。
■短期スパンでベストの策
米国はウクライナに無人航空機リーパーを供与する必要があると主張する者がいるが、これは包括的な再訓練に加え整備やロジスティクスを必要とする。ウクライナのバイラクタルが戦闘を続けられるよう援助するためには武器供与が短期スパンでの良い方策に見え、APKWSの供与はこれを実行するベストの方法かもしれない。
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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:53251 )