カルン報道官「具体的な提案がなければ進まない」NATO問題
2022年05月25日付 Hurriyet 紙
イブラヒム・カルン大統領報道官はスウェーデンとフィンランドとNATO会合に関する声明を発表した。カルン報道官は、「具体的な措置が取られない限り、進展することはない」と述べた。同報道官は「規則と手順が遵守されることを期待している」と述べ、「私たちの対話者は、過程に関してメモを取った。彼らのリーダーへ報告するだろう。この先、彼ら自身が私たちのこれらの要求に対して、どのような返答をするか見た上でこの対応を継続していく」と述べた。
カルン大統領報道官は、スウェーデンとフィンランドがNATOの代表団と会談した後に、記者会見を開いた。カルン報道官の発表の主要部分は以下の通りである。
・NATOは安全保障同盟である。他の焦点を持つ組織ではない。安全保障を基本とする同盟である。
・この同盟の最も重要な課題は、同盟国の安全を平等に満たすことである。スウェーデンとフィンランドのNATOの加盟は、国というものの概念の歴史の中で重要な時期に対応している。スウェーデンは何年もの間、中立を選んできた。トルコは約70年もの間、同盟内において重要な役割を果たしてきた。トルコはこの70年で、NATO内で任務を実行してきたのである。
・我々がテロに対して断固として戦うことは、NATOの最も重要な原則を体現している。人民防衛隊(YPG)やクルディスタン労働者党(PKK)、その派生組織は、一部のNATO諸国で、現在議題に上がっているスウェーデンとフィンランドで我々が問題としているものである。これらの組織の間で彼らが区別しているものは、私たちにとって相違がないものと明確に述べた。
■「私たちの文書を対談者に提示した」
・民主統一党(PYG)とYPGがPKKのシリア支部であることは明確に述べられている。同様にフェトフッラー・テロ組織(FETÖ)がテロ組織であり、251人の死亡を引き起こした組織であることも強調した。私たちが期待するのは、当該地での組織的なもの、財政的なもの、プロパガンダに向けて具体的な措置が取られる点に集約される。私たちの関連機関が作成した文書を対談者へ提示した。
■「引き渡しの問題に議題に」
・引き渡しの問題をも提示した。今日まで引き渡しの要求に肯定的な返答は得ていない。これらの懸念も対談者へ示した。トルコに適用されている防衛産業に対する制裁も解除されるべきであると伝えた。欧米諸国の諜報報告書でもYPG、PYGがテロ組織であると明確に書かれている。
・YPGとPYDの疑いを晴らすために、これらの報告を伏せることは私たちにとって容認できないものと明らかにした。トルコの懸念が具体的な措置によって、一定の期間内に対処されない場合、プロセスが前向きに進むことはない、とはっきりと述べた。
■「私たちの期待は具体的であると述べた」
・私たちが期待することは非常に具体的であると述べた。トルコにとって、YPG、PYD、FETÖといったテロ組織は後回しにすることが出来るような状況にはないと述べた。これらの組織が活動をやめず、毎日攻撃のために備えていると述べた。
・1999年にNATOはメンバーシップ・プロセスに関する基本規約の口頭合意を発表した。その後、諸国がどのように候補国となるのかに関する原則が決定された。それ以来、加盟国はこの原則内で加盟している。これを外れて急いで持ち込まれ、特にトルコの安全保障上の懸念が満たされないプロセスが進むことはないと述べた。
■「交渉が行われることを望んでいる」
・今回が初めての会議であるため、特に特定の日付、環境に焦点を当てるのではなく、枠組み自体に適切に焦点が当てられるよう会議を開いたのである。私たちは一度、枠組み自体が対談者によって明確かつ実質的な形で、話し合われることを望んでいる。
・彼らはこのメッセージを受け取った。私たちはこれ以降のプロセスがどのように進むかを決定する予定である。NATOから提案が来た場合、それがどうなるかによるということである。NATO会合の前に何か定まった状況を提起しようという状況にあるのではない。
・私たちは大統領の指示に従って、このプロセスを進めていく。大臣級、首脳級の会談がありえる。NATOでも議論されうる。対談者の返答に応じてプロセスは形成される。
・防衛産業に向けた制裁の解除に対して前向きな姿勢を見た。これは重要な状況である。同盟国がお互いに禁輸措置を課すことは正しいとは思わない。これは同盟を弱め、敵を喜ばせるだけである。
■「彼らはトルコの懸念を理解していると述べた」
・彼らは私たちにトルコの安全保障上の懸念を理解していると述べた。これ以降、彼らがどのような具体的な措置を取っていくのか見ていく。私たちは画像と文書で、YPGがPKKと異なるテロ組織ではないと伝えた。アメリカがこのような措置を取っているといって、ヨーロッパ人も同様な措置を取るのは正しくはないと述べた。
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( 翻訳者:伊永勇人 )
( 記事ID:53489 )