イズミル県セフェリヒサールで行なわれたトルコの軍事演習「エフェソス2022」の反響が後を引いている。ギリシアメディアは今日も演習について報道の勢いを下げていない。エルドアン大統領による「真剣に考えてほしい。冗談ではなく、真面目に言っている。大惨事を迎えてしまう」との警告を受け、ギリシアのテレビ番組に出演した退役海軍中将が、スキャンダルな発言を行った。

トルコとギリシアの関係は、ギリシアのキリアコス・ミツォタキス首相の5月の訪米以来、一転した。緊張が再び高まる中、トルコは、エーゲ海の島々を武装化するギリシアを、国際協定に違反し、島々の地位を議論に載せようとしていると非難した。
さらに、その日から張り詰めていた緊張の糸は、軍事演習「エフェソス2022」への懸念をもって臨界点に達した。演習後、トルコのレジェップ・タイイプ・エルドアン大統領は、ギリシアに対してよびかけ、「真剣に考えてほしい。慎んでほしい。トルコは島々の武装化について、国際協定がトルコに認めている権利を行使することを躊躇しない」と述べた。

エルドアン大統領のこれらの発言を受け、ギリシア外務省はツイッターで、トルコのエーゲ海に関する主張にかかわる16枚の地図を投稿した。大反響を呼んだエルドアン大統領の発言を受け、「アンカラはこの地域の平和と安全に脅威を与えている」と主張。そのわずか数時間後、エルドアン大統領は、再度、ギリシアに対して3言語によるツイートを投稿した。ギリシア語、英語、トルコ語で書かれたツイートでエルドアン大統領は、「トルコは誰かの権利やどこかの法律にも違反しておらず、誰にもトルコの権利や法律を違反させない」とした。

■ギリシアメディアは演習の報道続ける

ギリシアメディアは軍事演習「エフェソス2022」に関する報道を今日も続けている。今日付（6月12日）のギリシア日刊紙『イ・カシメリニ』は、演習の中で海兵隊、戦車、装甲車両が配置されたビーチに水陸両用ボートが接岸したことが報じられた。また記事では演習のあらゆる段階についても言及された。演習には、エルドアン大統領とともに民族主義者行動党のデヴレト・バフチェリ党首も参加したことが強調された。
どうにか挑発をしようとするギリシアメディアは、この演習が定期的な演習で連携を目的としており、多くの国が参加するための実例を示したというアンカラ政府の声明に異なる解釈を示した。また、トルコ公正発展党の副党首であり党の報道官でもあるオメル・チェリク氏が、演習の写真とともに投稿した「我々はある夜突然現れるかもしれない」というツイートを取り上げ、「脅威」だと主張した。

『イ・カシメリニ』紙はこれにとどまらず「トルコの挑発の新たなる5つの特徴」という見出しの記事も発表した。この記事では、エルドアン大統領のギリシア語ツイートに言及しながら、「ギリシア語を話す人々はトルコ語の脅しになれている」と述べられていた。こうした記事は国民を刺激しようという目的が明らかで、「トルコの指導者がギリシアを『破滅的な終焉』という文句で脅しているが、理解を示すべきではない」等のスキャンダラスな表現も見られた。

■生放送でスキャンダル発言

ギリシアのテレビでは別のスキャンダルも発生した。ギリシアのテレビ番組に出演した退役海軍中将が、「まず、我々の航空機がイスタンブルの複数の橋を破壊し、さらに3発のSCALPミサイルが発射される」というスキャンダラスな発言をおこなった。Open TV放送で露骨に戦争に言及した海軍准将は、「最初の一歩はトルコ人から踏み出してくれるといいのだが」とも述べた。「エルドアン大統領、最初の攻撃はあなたが起こしてほしい。もちろんギリシアにとっては惨事となる。というのも、ウクライナから届くようなシーンを我々は目にすることになるが、今は誰もその準備ができていないからだ」と述べた。Open TVで話した海軍中将ギアニス・エゴルフォプロスは、エルドアン大統領に呼びかけ、「エルドアン大統領、最初の攻撃はあなたが起こしてほしい。もちろんギリシアにとっては惨事となる。というのも、ウクライナからの惨状（の光景のようなもの）を我々は目にすることになるが、今は誰もその準備ができていないからだ」と述べた（訳註：海軍准将の発言と重複）。海軍中将は「ギリシア軍は戦争の準備ができていると主張。さらに、トルコはギリシアに攻撃したらどうなるかを考えていないと主張した。


■「我々の航空機がまず橋を破壊する」

エゴルフォプロス氏は「大文字で書いてほしい。我々は恐れていないし、気にしてもいない。トルコにはなにか攻撃をしてもらいたい、その後彼らの身に何が起こるのかを彼らは知らないからだ。彼らは残虐な行為をおこない、そして去る。それがトルコ人だ」と無礼な発言を行った。さらに同氏は、「まず我々の航空機がイスタンブルのボスポラス海峡に架かる複数の橋を破壊し、その後、3発のSCALPミサイルが発射される。そして（トルコ側に）「さあ、お前たちの出番だ」と我々は言う」と述べ、その後もスキャンダラスな発言を続けた。

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（ 翻訳者:原田星来 ）
（ 記事ID:53583 )