マルマリス山火事、ほぼ鎮火
2022年06月25日付 Milliyet 紙


スレイマン・ソイル内相とヴァヒト・キリシュジ農林相はマルマリスでの山火事について最新状況を発表した。キリシュジ大臣は火事は鎮火されたと伝えた。一方で夜間暗視航空機についての論争に軍警察空軍部長であるアリ・ドアン少将がピリオドを打った。

キリシュジ大臣は記者団に対して行った発表で、火事がほぼ鎮火されたが冷却活動が続いていると述べた。
キリシュジ大臣は発表で以下のように述べた。

「火事は鎮火された。冷却活動は終日、数日間続行する。トルコでの山火事の88%が人的要因で発生し、それらは過失かもしれないし、故意かもしれない。今回の火事は故意に出火したものだ。重要なことは人的被害、死亡者はないということだ。しかし森林内の損害についての現時点での明確な情報はないため、遺憾の意を表する。冷却活動終了後、現場で植林植樹活動を行う。この場所での横暴はいかなるものもけして看過しない。」  

■88%が人的要因

「特に森林火災の際には、いくつか問題を強調したい。ご存じの通り1999年に地震が発生して、トルコが地震国であり、その対策をうつ必要があると学ぶことになった。林業組織は総計で183年の歴史がある団体だが、この組織単独ではこのことについて成功を収めるに十分ではない。絶対に協力が必要だ。トルコでの森林火災の88%が人的要因によるもので、これは過失や対策不足のせいかもしれないし、故意によるものかもしれない。今回の火災が故意の火事であると述べておく。

55%が繊細な森で成るこのような地形、美しきムーラ県の観光の楽園、我が国の美しき貴重な一角では我々全員が注意しなければならない。これは今後山火事がなくなるという意味ではないが、この火災に細心の注意をもって警戒し、我々全員がこのことを考慮しての行動を確実にすることが重要だ。このことを私は強調したい。

火災の他に森林についても、我々は昨年と比較して大変重大な自らの行動を必ず見直すべきであった。今回の火災の後にも再び関係者と集まって、民間でも森林総局として、省庁として我々は自らの活動を見直す。昨年と比較してヘリコプターや航空機、ドローンの数も増加した。」

■1945年以降最大の森林焼失が発生した

「昨年約13万9千ヘクタールの森林地域が焼失し、1945年以降最大の森林焼失を経験した。しかしここ10年間のヨーロッパと比較すると、年間平均13万ヘクタールの森林を焼失しているのにくらべ、トルコは2万1千ヘクタール規模だった。これは例年なら1万ヘクタールの規模だったが、昨年の火災のために平均面積が上がる結果になった。2万1千ヘクタールであったが、トルコはヨーロッパでも地中海に面する国の中でも非常にいい状況にあると言えるだろう。

飛行時間でいえば、1069時間航空機やヘリコプターを飛行させた。これにもし1241時間かけることになるとしたら、2022年3月1日以降の火災での飛行では、その約80%がこの火事のために飛行させたヘリコプターや航空機によって行われたことは伝える価値がある。(今回の火災では)現在までに4048回の飛行が実施されたが、3月1日以降に行われた飛行は4472回だ。放水した水量に関することも非常に重要だ。3月1日以降合計1万3084トンの水が放水されたが、今回の火災のために1万2412トンの水が放水された。これも我々が今回の火災を重大視していることの表れだ。」

国防省はマルマリスの森林火災で損害を受け、「ギョクトゥルク1」衛星で宇宙から観測した地域をソーシャルメディアで投稿した。
ソイル大臣の発表でのハイライトは下記の通りだ。

「トルコは災害地域であり、我々はこういった災害、洪水、地震、冬の雪崩や年中起きる地滑りに直面していく。我々はこのため、今年を『トルコ防災訓練年』と宣言した。トルコ初開催となる5県での合同訓練を実施した。この話題で2022年頭以降と昨年トルコで起きたことに加えて、我々が災害と呼ぶ問題は最新かつ継続的な対策が必要な問題である。この件について段階を進め、我々の全組織が集まり、トルコ災害介入計画のなかの森林火災介入計画を刷新した。約6か月に渡るこの計画を全組織や軍警察、追加警察ヘリに至るまで一つ一つ評価し明らかにした。皆さんが注目するように、大臣が認定NGOと述べている。トルコで5年前にこのような言説はなかった。我々は完全に森林火災、地震や洪水の教育をする全組織との調整の中で行われる過程を示した。火災地域に一般市民は立ち入らせなかった。」

■「87時間ここにいる」

「今回の火災はハイリスクなものだった。もし適時に介入されていなかったら、大変危険だっただろう。火災には世界標準から見ても迅速な介入が行われた。空と地上から介入が行われ、警戒と調整の中で活動が実施された。人命の被害はなかったが、木々が燃え、動物たちが死んでしまったことを遺憾に思う。87時間、我々はここにいる。これは我々の職務だ。別の仕事もあるが、これを続けなければならない。ここから離れた合計時間は7、8時間だ。トルコで野党はこうあるべきなのか?悲しいが、政治は非常に貴重なものだ。だが資格のない人々の手によって政治は全く無価値なものになる。あなた方は議会の演壇でここに航空機がないと主張する人々のことを言っているのか…あなた方は神をも恐れないのか?ここで働く人々、ここで危険にさらされる人々、夜に火に自らを投じる人々の権利を守らなければ、私は人間性を疑われる。親愛なる市民たちは皆ができる限りの手を尽くしたことを知っている。雪が降る、地震が起きる、紳士諸君は休暇だった。何だったか、私はここで「3,4時間眠れずにいた」と話した。そう、ここにいる友人たち証人だ。初めの晩はここの椅子の上で眠ろうとして眠らなかった。これは自慢できる状況ではないが、我々の職務だ。森林火災発生時に政治的野党は、かつては社会を扇動しなかった。我々ができることはあるのかと述べたものだ。この嘘は政治を、トルコでの政治を無価値なものにしている。これほど浅はかな構造がここに政治的野党として存在することは、森林火災ほどに危険な状態ということだ。」

■「皆に自分の仕事をしてほしい」

「我々のヘリコプターの90%以上に暗視機能がある。国民にこのことを知ってほしい。我々は作戦を実行し、かの山々に昼夜問わず赴いている。夜間消火活動可能な航空機は別にある。この2つを区別しなければならない。我々はトルコで、夜間消火活動が可能な航空機を使用したことがあるかといえば、ある。昨年これを経験した。皆に自分の仕事をしてほしい。当局長がこれに干渉するのなら、もはや塩が臭う(訳注:司法や行政機構の腐敗を意味するフレーズ)というものだ。あなたにはごみを集める義務がある。戻って、あなたが火災で暗視と消火活動ができる機材を明示するのなら、越権行為だ。これは正しい職務ではないし、正しくないことを世間に伝えようと努力している。我々でさえこの件を評価するときは、細心の注意をする。これは技術的な話だ。他の者の職務についてどれほど我々から口出しできるだろうか。不可能だ。」

軍警察空軍部長アリ・ドアン少将は発表で以下のように述べた。

「まずはじめに伝えておきたい。夜間暗視による消火活動と、夜間消火活動ができるヘリコプターの概念、この2つは全く異なるものだ。暗視ゴーグルを用いて、軍警察空軍部と国軍の別組織は1990年以降とくにシコルスキーヘリコプターで活動している。今日世界で最も暗視活動時間が長い、経験豊かな組織の一つとして次のように述べる…。今日もっとも難しい条件、難しい職務を実行する可能性と能力が我々にはある。しかし、親愛なる私の友人たちに次のように言おう。夜間暗視ゴーグルは視界がゼロの条件で作製された。つまり月星や地上からの人工的な明かりがなくとも、パイロットが飛行できるように作製された。ゆえに地上のどんなライターやランタンも、火災暗視ゴーグル飛行能力に反比例し、あなた方を飛行させられない。暗視ゴーグルによる消火活動の概念について述べたい。こんな概念はないのだ。そんなものがあれば我々はこれを今日鎮火できている状況だ。

ではそんな時は何があるか?世界のごく限定された国に夜間消火活動用ヘリコプターがある。オーストラリアは2015年まで世界で最も危険な火災地帯のなかで、毎年何百万平方メートルをいう森林を失っている。2015年まで暗視ゴーグルで消火活動を試みていたが、ヘリコプターが落下したことでこれは安全ではないと気付いた。そして2015年以来、オーストラリアと他のいくつかの国では夜間消火活動可能なヘリコプターが開発され続けている。ではこれらの国では何を?とあなた方は疑問を持つだろう。既存のヘリコプターに追加する形でスタジアム用夜間照明と同等の能力をもつ6個のプロジェクタがその下にある。このプロジェクタは強力で、4km遠方から照らす能力がある。内部にカメラシステムを搭載している。搭乗員10人を追加し、また、ヘリコプターには大変強力なモータを使用した。なぜか?どんな避難状況でもヘリコプターの搭乗員の人命を守るためだ。したがって実際はヘリコプターは暗視ゴーグルを用いて飛行しない。水も照明を当てながら放水する。照明がありつつ、水流を開く。ヘリコプターは照らされたトンネルの中を飛行する。これをとくに伝えたい。世間ではこのような誤解がある。敬愛する大臣の述べるように、昨年このヘリコプターをウスパルタで配備され、飛行した。今年もミラスで準備が行われている。25日、26日に飛行に移るという情報を得た。

このヘリコプターは日中絶え間なく続く火災で使用される。次のように言おう…。日中、暗くなる前に固定の取水地点と火災現場に行く。そこから1個だけソルティーバンビ水袋と呼んでいる水袋を満たす。火事の地点に日中の条件でのルート、安全な高度のルートを描く。そして夜間にその地点へ放水を行う。その地点で最大4、5回放水を行う。もし日中の地点以外の場所で出火した場合やその火事の他の地点に飛び火した場合は、夜間消火活動できるだけの能力、可能性はもたない。」

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:53642 )