ロシア製アククユ原発で何がおきているのか?
2022年07月30日付 Cumhuriyet 紙


メルスィン県ギュルナル郡で建設が続くアククユ原子力発電所(NGS)計画に参加する企業のうち、ICイチタシュ建設商業会社の契約が29日に解消され、翌30日に原子力発電所計画上でTSMエネルギー建設株式会社との契約が交わされたと伝えられた。

アククユ原子力会社から行われた発表では、トルコ初の原子力発電所となるアククユ原子力発電所の現場作業は発電所4基すべてで早急に続いていると述べられた。
発表では今後のプロセスで第1発電所タービン建屋設備の設置工事と稼働準備が行われると述べられ、第2、3、4発電所における建設及び設置工事において品質を保証し、作業が実施予定日に正しく実施されるように迅速に進められ、計画に参加する企業はこの建設作業に特別な資格を持つべきであると強調された。

アククユ原子力会社のアナスタシア・ゾティーワ社長はこの件について以前行われた発表で、計画に参加するトルコ企業と現場で作業するトルコ人の数は増え続けていると強調し、以下のように述べていた。
「アククユ原子力発電所計画への参加企業の再整理を、現在の作業段階のダイナミクスと特徴を考慮しつつ実施した。第4発電所の着工により活発な段階に入った。すでに現場の発電所4基で同時に建設が行われている。計画のために開発されたローカリゼーションロードマップを順調にクリアし続けている。ローカリゼーションの目標は約650億ドルで実現すると見込まれている。トルコ企業は現在約320億ドル規模で受注している状態だ。
計画に参加するトルコ企業と現場で作業するトルコ共和国国民の数は増加し続けている。今日、現場で雇用されている8割以上がトルコ国民であり、この数は増え続けている。全施工チームに対し、その厳格かつ緊密な作業に感謝する。全ての義務を履行し続け、計画の全参加者がこの形で作業を続けていくと保証する。」
発表では既存の下請契約のなかで続いているすべての作業は、2019年10月以降に原子力発電所建設計画に参加し、ハイテクノロジー計画の導入実績をもつTSMに移管すると伝えられ、「TSMと計画に参加する既存の下請企業との間に、以前の元請合弁企業と下請事業者との間に締結されたものに似た新たな契約を結ぶ予定だ。この契約によって発電所で作業を続行し、品質を保証するとともにアククユ原子力発電所の請負工事日程を遵守し、作業者の労働条件の観点から権利を保護し、また全下請企業の労働者に賃金を期限通り支払うことを保証する。」と述べられた。

■「NDKの監査の下で」

現場の全作業は独立した建築検査機関と原子力整備委員会(NDK)の継続的な監査のもと、計画日程に即して実施されると伝えられた。最終的に、2022年7月21日にファティフ・ドンメズ・エネルギー天然資源大臣と(ロシアの)国営原子力公社ロスアトムのアレクセイ・リハチョフ社長が参加し、アククユNGS第4号機着工式が催された。

■イチタシュ社「アククユでトルコ企業の存在を減らそうとされた」

アククユ原子力会社がICイチタシュ社との契約を解消した件で立場を守った一方で、ICイチタシュ社が声明を発表した。
声明ではアククユ原子力会社が2022年7月26日にT2-IC合弁企業に解消を試みたと主張され、「契約解消の試みの主な目的は計画管理におけるトルコ企業の存在を減らし、下請企業レベルまでに引き下げることだったのは明らかだ。」と述べられた。

■ブルームバーグ「ロシアはアククユのために150億ドルを送金している」

29日、(情報配信企業の)ブルームバーグ社に語った関係者らはロシアがアククユ原子力発電所の投資のためにトルコに3週間で150億ドルを送金すると述べた。
ロスアトム社は送金する金額の一部を支払い、残りは2年間トルコで保有する。
ブルームバーグのフラト・コゾク記者が上層幹部から得た情報によれば、ロシアの国営原子力公社(ロスアトム)は現時点での支払いと今後2年間で予定される支払いのために、先週から約150億ドルをトルコに分割で送金している。

■CHPの反発「1週間で何があった?」

共和人民党(CHP)のメルスィン選出国会議員であるアリ・マヒル・バシャルル議員はメルスィンのアククユ地域にて建造されるアククユ原子力発電所において、ロシア企業ロスアトムが、ロシアとトルコの協業で結成したタイタン2-IC(T2-IC)イチタシュ社の契約違反と、労働安全の軽視を理由に建設プロセスに関する契約を解消を望んだことについて、発表した。
バシャルル議員は「1週間で何があったのか、契約を破棄した?ファティフ・ドンメズ・エネルギー天然資源大臣の発表が絶対に必要だ。政府には監督と監査の義務があるにもかかわらず、イチタシュ社に対する不当な契約破棄を正当化する主張の根拠は何だ?政権はこの主張を調査するのか?」と述べた。

■「アククユはトルコ人禁止だ!」

共和人民党(CHP)のメルスィン選出国会議員であるアルパイ・アントメン議員もアククユでの出来事に反発を示した。アントメン議員は30日昼頃Twitterアカウントからトルコ人作業員が中に入れないと示す動画を投稿した。アントメン議員の投稿では以下の文面が掲載された。

メルスィンのアククユ原子力発電所で作業しにきたトルコ人作業員の入場カードが取り消された。
アククユはトルコ人禁止だ!ご存じない方のために説明する。
-AKPはアククユを完全にロシア人の管理にゆだねた。
-内部でもはや何が起きているか政権は知らない。
-ロシアはそこをまるで軍事基地のようにした。

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:53828 )