コロナウイルスの感染者数の増加が続いている。より感染力の強いオミクロン株の変異株により、感染者率・死亡者率ともに増加が続いており、専門家らは、4月に撤廃された密閉空間や公共交通でのマスク着用義務の復活を求めている。ミリイェット紙の取材に応じた専門家たちは、混雑した密閉空間において人々がマスクを着用しないうちは、パンデミックは収束しないだろうと強調している。
■次の感染拡大期が来るだろう
感染症の専門家のイフティハル・キョクサル教授は、感染症の拡大を抑える最も有効な防御策はマスクであると話し、「誰もが多かれ少なかれ抗体を持っている。ワクチン接種を受けた人や病気にかかった人が再び感染しないようにするには、マスクの着用が最も重要です。このため、密閉した場所ではマスクを使用する必要がある」と話した。キョクサル氏は、流行のピークはまだ見られていないと述べ、新たな感染拡大を警告した。
「私たちの主な懸念は、秋に新しい(感染拡大の)波が到来することだ。その時、物事は変わる。このため、リスクグループの人々は最初にワクチン接種を受けるべき。私が市民に言う唯一のことは、今はこのマスクを着用してください。私たちのところに来る全ての患者は、最後のワクチン接種から6か月経った人たちです。症例数は1万人を記録しているが、任意のマスク着用がない。秋に向けて病院の負担が増えると、より厳しい対策が必要になる」と話した。
■感染者数が40倍に増加
エーゲ大学で小児の感染症を専門とするザフェル・クルギョル教授も、公共交通、都市間交通でのマスク着用を義務化することが必要だと話した。クルギョル教授は、「感染者数が40倍に増加したことが明らかにされた。6月初頭には感染者数が1日1000人を超えた」と話し、次のような提案と警告を行った。「私たちの主な問題は、密閉空間、公共交通機関、都市間交通でのマスク禁止の撤廃だ。マスク着用義務があるのは病院のみだけだと言われているが、市民は病院においてもマスクを着用していない。1日の感染者数が1000人を下回ったとき、密閉空間や、公共交通機関でのマスク着用義務が撤廃されたことで、感染者数の増加が起こった。コンサートや集会に参加する際は、マスクを着用することが非常に重要だ。「マスクを着用したい人が任意で」というのは正しくない。これは個人でマスクを着用するだけでは感染防止が十分でないからだ。密閉空間でこれだけ感染者が増える中、マスク問題は放任してよい問題ではない。(これでは)感染者数の増加を防ぐことは不可能だ。今、マスクの着用は予防接種と同じくらい重要であり、若者にとっては更に重要である。」
■オズル教授からのエアコン警告
保健省の専門家委員会のメンバーであるテヴフィック・オズル教授は、閉鎖された人の集まる場所でのエアコンの使用は非常にリスクが高い可能性があると述べた。オズル教授は次のように述べている。「特にファンの方向へ(体を)向けず、室温は22~23度未満に下げないことが必要だ。ファンをできるだけ上向きにする必要がある。特に人の集まる場所、言い換えれば他の人と共同で使用する屋内の場所では、この時期にエアコンを使用することは非常に危険である。いま、コロナ感染が非常に拡大している。インフルエンザや気道感染症も非常に拡大している。エアコンを使用する場合は、室内を冷やすためドアと窓をしっかり閉める。このため、エアコンは空気を循環させ、同じ空気を取り入れて再び供給する。この空気が問題で、感染症を引き起こすウイルスがいた場合に伝染する可能性が高くなる。」
■最も伝染しやすい
チュクロヴァ大学医学部家庭医学科のエルスィン・アクプナル教授は、「感染した人1人がおよそ19人に感染させる可能性がある。これまでに見られた中で最も感染しやすい変異種である。公共の場所からマスク着用義務を導入する必要がある」と話した。
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( 翻訳者:宮崎友裕 )
( 記事ID:53829 )