レジェプ・タイイップ・エルドアン大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が面会した会談が終了した。4時間続いた二者会談と代表団会談の後に発表された共同声明では、テロとの闘いや農業、エネルギー、そして建設における協力が強調された。
エルドアン大統領とロシアのプーチン大統領がソチで面会した会談が終了した。二者会談と代表団会談が4時間続いたことが明かされた。会談に続き、共同声明が発表された。
■会談後の共同声明
会談の後発表された共同声明では次のように述べられた
尊敬すべきトルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とロシア連邦の尊敬すべきウラジーミル・プーチン大統領は2022年8月5日にロシアのソチで面会した。両首脳は、トルコ-ロシア関係が現在の地域的・国際的なあらゆる試練にも関わらず、相互の尊重と利益を認識することを基礎として、国際的な責任に沿うかたちで伝えられる共通の目標を確認した。
この合意の枠組みにおいて、トルコとロシアの二国間関係が、課題としているテーマについて総合的な協議を行った両首脳は、二国間の商業の規模が明確な目標に沿って、バランスの取れたかたちで拡大されること、経済およびエネルギー分野で両国がお互いに期待することが相互利益の枠内で達成されること、交通・商業・農業・産業・金融・観光・建設といった部門で長い間二国が協議しているテーマにおいて、協力を強化する方向で具体的なステップを踏むことで合意した。
地域的課題の文脈において、トルコ・ロシア間の親密で明確で信頼に基づいた関係が地域的・国際的な安定の確立の観点からカギとなる重要性を有することを指摘した。
両首脳はこの枠組みにおいて、ウクライナの港から穀物と食糧を安全に輸送することを目指したイスタンブル合意に達するに際して、二国間の建設的な関係が役目を果たしたことを確認した。
両首脳はロシアが穀物や肥料に必要な原料の継続的な輸出を含めたイスタンブル合意が、その表現と精神に従って完全に実施されることが必要になっていると強調した。
両首脳はシリアにおける最近の進展を思案し、シリアでの永続的な解決に至るための政治的プロセスの前進に貢献していることを強調した。両首脳は、シリアの政治的統一性と領土の保全の遵守に貢献していると強調し、シリアでのすべてのテロ組織との闘いにおいて結束と調和のうちに活動するという決意を確認した。
両首脳は、リビアの主権、領土の保全と国内の統一における強固な結束を強調した。リビアの人々の間で可能な最も広範な合意に基づき、自由で公正で確かな選挙が行われることの重要性を強調し、国連の援助で実施されるリビアの首脳と領有についての政治的プロセスへの支援を刷新した。
両首脳は、トルコ・ロシアハイレベル協力会議の次の会合がトルコで行われることで合意した。
■ロシアの副首相:天然ガスの部分的購入で合意
ロシアのアレクサンドル・ノバク副首相は、エルドアン大統領とロシアのプーチン大統領の会談後に会見を行い、「プーチンとエルドアンはトルコへのガス供給を交渉し、天然ガスの分割払い購入で合意した」と述べた。
■エルドアン大統領を温かく歓迎
レジェプ・タイイップ・エルドアン大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の招待による日帰りの出張の日程で、ロシアの黒海沿岸に位置するソチを訪れた。プーチンと面会するサナトリウムに向かったエルドアン大統領は、その入り口でプーチンに出迎えられた。
両首脳は、二国間会談の前に記者発表を行った。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、「今日のソチ会談の前に経済の課題に関わるロシアの機関と組織が(エルドアン大統領の)招待でトルコへ行った。両国の協力のカギとなる重要な側面を、トルコでの会合で取り扱った。協議が必要な課題はいくつもある。商業の規模は今年70%拡大した。さらに、第一四半期には2倍に上っている。我々は多くの構造的計画も実行した。例えば、アックユ原発である。エネルギー部門においてもいくつか計画がある。トルコ・ストリーム計画も完遂した。ロシアはガスをヨーロッパへ送ることのできる重要なパイプラインの一つとなった。トルコ・ストリームは完璧に機能し続けている。トルコは天然ガスを運ぶのみならず、ヨーロッパの消費者へもガスを送っている。ヨーロッパの消費者たちは、ロシア産のガスをトルコから購入していることについてトルコに感謝するべきだ。トルコに問題を生じさせることなく、石油・石炭・天然ガスの輸出を行っている」と話した。
■「これらはすべてあなたのご尽力で可能になった」
プーチンはウクライナ・ロシア・トルコ、そして国連により7月22日にイスタンブルで署名された穀物輸出合意に言及し、「国連とトルコの仲介でウクライナ産の穀物の黒海の港からの輸出開始に成功した。ここで取られた対策に関してあなたに感謝したい。ロシアの食糧と肥料は、このようにして世界に開かれた。特に発展途上国にとって、これは死活問題である。穀物危機により深刻な問題に直面する可能性がある。これらすべての国は、あなたの決断を注視している。これらはすべて、あなた一人のご尽力のおかげで可能になった。今日、商業的・経済的関係の発展について合意の取り決めに署名できることを望んでいる。これは、代表団がトルコで取り付けた合意の成果である。シリア危機をはじめとして地域における安全保障のテーマも扱う機会を見つけたい。トルコとロシアはそこでの状況を正常化することに大きく貢献している」と述べた。
■「協力会議のトルコ会合は実りあるものとなった」
レジェプ・タイイップ・エルドアン大統領は、会談においてプーチンと約3週間の内に2回の対面会談により認識された成果を持ち出し、「代表団のトルコでの会合は実りあるものとなった。政治・経済・商業すべての分野で多くのテーマを協議した。現在、それらのテーマの議論の後、終止符を打つことができると確信しており、トルコ-ロシア関係に大きく異なるページを開くだろう。エネルギーにおいても、最近の黒海ルートが、穀物について取られた対策や、観光について行われた会談や、交通に関して取られた対策も、これらすべてと同時に地域的ないつくもの対策が取られたことは、代表団会談や、我々も今日対面で二国間の会談を行うことで、トルコとロシアが地域で果たした役割を強調する点で非常に重要である」と述べた。
エルドアン大統領は、「また別の側面から、したがってシリアの進展も特に取り上げられると確信しているが、地域に平穏をもたらすことにもなろう。テロとの闘いにおける結束が大きな重要性を示している。これに関して取る対策は、この先の会談で強固になると確信している。すなわち、今日、世界の目はもちろんソチに向けられており、何を話したか、何を行ったか、これを注視している。我々もこれからの会談の後、それらに対する回答を明らかにするつもりである」と述べた。
■「アックユ問題が大きな重要性を増している」
エルドアン大統領は、「あなたも言及していたように、アックユ問題は大きな重要性を増している。エネルギー分野においてアックユ問題を今日提起し、はっきりとした場所で、はっきりと評価しつつ決定に至ることは、アックユにおけるプロセスを引き延ばす機会を与えないことになる。なぜなら、明かされているスケジュールに従い、アックユを明かされている時期に完了させることが非常に大きな重要性を増しているからである。そのため、トルコのエネルギー供給において10%をアックユ原発が請け負うことになる。これに関する詳細な協議を行うことが有益であると確信している。私は今日このような機会を得たことに満足していると、特に言っておきたい」と話した。
■アルジャジーラがエルドアンを強調
国際メディアはこの会談を大きく報じた。会合が、穀物危機への最初の解決策が見出だされた後に行われることを強調したアルジャジーラニュースでは、次のように述べられた
「トルコ首脳の国際的な評価は、ウクライナとロシアの農作物輸出を再開したことで堅固なものとなった。」
NPRはソチ会談が、両首脳による今月中に行われる二度目の会談であることに注目し、これが西欧の懸念を招いたと伝えた。
■平和のカギとなるトルコ
同報道では、戦争に対する外交的解決策を見出だす際のトルコ政府の重要性は、「トルコがNATO加盟国であり、ロシアのウクライナ占拠を終わらせるためのカギとなりうる」として強調された。
ワシントン・ポストはこの重要な会談を「ロシアは制裁の影響を弱めるため、トルコや他の商業的パートナーの援助を求めている」と題して報じた。
報道では、ロシアが西欧中心の制裁で追い詰められたことが強調された。
アメリカのSesiも、会談では穀物危機の解消の直後に両首脳が面会することを明らかにした。報道では、件の危機の解消に際してのトルコの役割が強調された。
■24時間前にロシア安全保障会議が召集
二国間会談まで24時間前にロシア安全保障会議を召集したプーチン大統領は、エルドアン大統領との会談に備えた。
ロシア安全保障会議が、プーチン・エルドアン会談のために予定外の会議に召集されたことを認めたクレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、「会議は、ソチで二国の首脳間で行われる会談を検討するために召集された。会議のメンバーは会談の議題を取り扱った」と述べた。
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( 翻訳者:関口ひなた )
( 記事ID:53861 )