大型トラック、人込みに突っ込み死者20人―マルディン
2022年08月21日付 Milliyet 紙
マルディン県デリキ郡で肥料を積んだ大型トラックのブレーキが故障し、車両2台に衝突して横転した事故の後、しばらくして肥料を積んだ別の大型トラックが負傷者を救護する群衆に突っ込んだ。悲惨な事故で子供を含む20人が死亡した。スレイマン・ソイル内務相は現地で会見を行った。また、ボズダー法相は、「マルディン県デリキの事故に関して、デリキ共和国検察庁により司法捜査が開始された」と述べた。
15人が死亡、31人が負傷したガズィアンテプでの惨事と化した事故がもう一つ、夕刻マルディン県デリキ郡で起きた。事故は17時頃デリッキ郡バフチェリエヴレル地区にあるガソリンスタンド付近で発生した。肥料を積んだ大型トラック(運転手氏名不詳)のブレーキが故障し、車両2台にぶつかって横転した。通報を受け現場に救急隊、消防隊、軍警察、警察が出動した。付近にいた市民も事故現場に集まり事故対応チームの活動を見守った。
■大型トラックが人込みに突っ込み戦場と化した
事故対応チームの活動が続く中17時45分頃、別の肥料を積んだ大型トラック(運転者氏名不詳)が猛スピードで群衆に突っ込んだ。事故現場に居合わせた人々がパニックと恐怖で逃げようとする中、トラックはアパートにぶつかりながらようやく停止した。惨事と化した事故現場に多数の救急、警察、消防チームが出動した。
救急隊の確認では、子供を含む20人が死亡した。負傷者は救急車で近隣の病院に搬送された。死亡者の遺体は検死のため遺体安置所に移送された。事故の調査が続いている。
一方、事故の瞬間や直後の様子が防犯カメラや携帯電話のカメラに映っていた。カメラの映像では事故現場にいた対応チームや市民が猛スピードの大型トラックを見て逃げ出す様子が捉えられた。
■死者は20人に上る
スレイマン・ソイル内相は、メフメト・アクタシュ警察総局長、マフムト・デミルタシュ県知事とともにマルディン県デリキ郡の事故発生現場を視察した。関係者から事故と事故対応の情報を受けたソイル内相は会見で、「2台の大型トラックがもたらした事故でこれまで20人の市民が亡くなりました。負傷者は26人です。事故の捜査があらゆる面から行われています。過失、故意、何にせよ、あらゆる過程を調査していきます。警察当局が本件にあたっています。これには胸がつかえます。交通事故で20人が亡くなったということに何と言ってよいかわかりません。検察庁と警察当局が捜査を続けています。私たちは犠牲者とご家族とともにあります。気を強く持ってください。お悔やみ申し上げます。」と述べた。
■「夜を徹して現場検証を行う」
ソイル内相は、事故の捜査は夜通し続けられると述べ、「私たちもここで朝まで事故の発生経緯や、事故に関して誰に過失があるとしても、その過失についてあらゆる検証を行います。アッラーが二度とこのような結末で私たちを試すことがないように祈ります。現場での最初の事故対応中に警察官1名が殉職しました。運転手は2人とも負傷しており治療中です。2人の運転手は監視下に置かれています。」と続けた。
■ソイル内相、葬儀に参列
その後、ソイル内相一行は事故で亡くなった一人のイサ・アヤベの遺族のもとに赴き、哀悼の意を表した。続いて病院にいる負傷者を訪ね、お見舞いの言葉を伝えた。
ソイル内相はマルディン県デリキ郡での悲惨な事故で亡くなった市民の葬儀および埋葬に参列した。事故で亡くなったイサ・アヤベおよびシェルヴァン・タンルセヴェルとミフリバン・タンルセヴェルの2人の子供の遺体は、デリキでの葬儀後、参列者が涙する中埋葬された。
■マルディンの事故で警察官1名が殉職
警察総局は、デリキ郡で発生した最初の事故でヤフヤ・エルギン巡査が殉職したと通知した。警察総局の投稿では、「マルディン県デリキ郡ウチヨルで発生した最初の事故対応中、2件目の事故が発生し、ヤフヤ・エルギン巡査が殉職したと発表された。声明では、「マルディン県デリキ郡警察局テロ対策局所属のヤフヤ・エルギン巡査は、2022年8月20日の死亡交通事故対応で市民の避難誘導中に、ブレーキが効かなくなったトラックが市民と当人がいた場所に突っ込んだ結果、殉職しました。殉職者にアッラーの慈悲を祈るとともに、ご遺族ならびに国民の皆様にお悔やみ申し上げます」と述べられた。
■ボズダー法相:司法捜査を開始
ボズダー法相は、ツイッターアカウントからの投稿で、マルディンで起きた交通事故を受けてデリキ共和国検察庁による司法捜査が開始されたと発表した。ボズダーは「マルディン県デリキ郡で起きた痛ましい交通事故で命を落とした方々にアッラーの慈悲を、ご遺族にお悔やみ申し上げます。負傷者の一日も早い回復を祈っています。デリキ共和国検察庁による司法捜査が開始されました」と投稿で述べた。
■目撃者、事故の様子を語る
事故の目撃者が事故の様子を語った。アブドゥルカディル・ソルは同じ道路で頻繁に事故が起こっていると話し、「私はここで30年間自営業を営んでいます。今見えている事故のあった場所では車に罪はありません。この先に4キロの坂道があります。事故報告書があると思いますが、30年前からこの地点の前後数メートルで50台以上の車が横転しています。ここの街の中心部には幹線道路が必要です。この道路はこういった車にもう対応できなくなっています。道路の距離や、幅、カーブや下り坂を見てください。この場所には今すぐ幹線道路が必要です」と話した。
■最初の事故で4人が死亡
アリ・ギョクチェキは最初の事故で4人が亡くなったと言い、「大型トラックはブレーキが効かなくなっていました。最初の事故で4人が亡くなりました。4人が亡くなった後、あたりに人が集まって結構な人込みになりました。その後2台目の大型トラックが来て大勢の死者が出ました。これは最初ではないし最後にもならないでしょう。この道路が無くなるまで事故は起き続けます。毎年2、3回同じように事故が起きています。環状道路は絶対に必要です。明日明後日には学校が始まりますが、子供たちの安全をどうやって守れるでしょうか」と述べた。
バヴェル・ドアンは事故当時群衆の中にいたと言い、「私たちは事故の真っ只中にいました。1台目の大型トラックが事故を起こし4人が亡くなりました。私たちは遺体を運び出すと人々が集まってきました。2台目の大型トラックが上からやって来ました。私は『みんな逃げろ』と叫びました。トラックは全員轢いていきました。こんなことはあってはだめです、こんな大型トラックは通ってはいけません。環状道路が作られるべきです。明日から学校が始まるのに、子供たちはどうやって学校に行けばいいのでしょうか」と話した。
事故の負傷者の治療が続く一方、死者の身元確認が引き続き行われている。
■シェントプTBMM議長より弔意
ムスタファ・シェントプ・トルコ大国民議会(TBMM)長は、マルディン県デリキで起きた交通事故の後、ツイッターアカウントから哀悼メッセージを公開した。シェントプは、「本日相次いで届いた悲しい知らせに、私たちは皆心を痛めています。マルディン県デリキで起きた事故で亡くなった方々にアッラーの慈悲を、また負傷者の一日も早い回復を祈っています。皆様にお悔やみ申し上げます」と述べた。
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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:53931 )