パスポートの受け取りに遅延:人々はアンカラの製造場所に殺到
2022年08月22日付 Cumhuriyet 紙
申請期間が延びると、パスポートの取得希望者は、アンカラにある印刷センターに行き、朝5時に並び始めた。人々は、パスポートのために支払った金額の2倍を超える旅費と時間の浪費に不平を述べた。
約1年間、「パスポートのチップ危機」が起こっているトルコで、国外に出るための道はアンカラ経由である。トルコ共和国のチップ入りパスポートを生産している造幣印璽総局は、昨年、オランダでの納品業者が、「チップ危機」が原因で需要を満たせなくなると、パスポート冊子の生産を減らさざるを得なかった。コロナ禍での国外渡航制限も同時に撤廃されると、トルコにおけるパスポートの需要が急激に伸びた。
■パスポート冊子の在庫は尽きた
本紙は、2021年11月9日に「パスポート・チップ危機」という記事で7日間である納期が20日を超えていることを取り上げた。それから10ヶ月が経過したが、危機はさらに深刻化している。通常の条件でパスポートの交付を希望する国民は、居住する県あるいは郡の人口局に行き、そこを通じて申請を行う。人口・国民業務総局の、アンカラにあるパスポート印刷センターにひっきりなしに届く申請後、印刷を終えたパスポートは、郵便電報機構(PTT)を介して、7日以内に申請者に届けられている。しかし、パスポート冊子の在庫が尽きた人口・国民業務総局印刷センターは、約1年間、国民のパスポート要求に適切に応じることができない。
パスポート申請[の進展状況]を電子政府のサイトを通じて追跡する人は、「印刷前の管理の段階で」という表現に出くわす。待機期間が2ヶ月を超えた人は、「ビザの面談を逃し、飛行機代、あるいは、ホテルの予約といった物的損失への遭遇」といった不満を口にした。教育のために国外に行く予定の学生も学校での最終登録日を逃したと述べている。現在、人口・国民業務総局からパスポートを入手するには、書類化できるという理由でアンカラに来て、直に第二申請を行う必要がある。
■さらに郵便局の列
トルコ所在の、いずれかの都市にある人口業務局から最初の申請を行った人は、この手続きが電子政府のインターネットサイトに反映した後、人口・国民業務総局付属でアンカラのイェニ・マハッレ区に所在するパスポート印刷センターに赴く。朝5時に出来始めた列に並んだ人を、敷地の端にあるコンテナのオフィスで8時から職員が対応する。パスポートへの緊急の必要性を書類化できた人々について、システム上に「緊急印刷」というメッセージが現れる。ここでの手続きを終えたのち、申請者は、郵便電報機構のラーレギュル支店に送られる。印刷されたパスポートは、11時30分、14時30分、17時の計3回、支店に届く。支店の前に待つ何百人もの人々は、郵便電報機構支店にいる警備員に耳を傾けている。リストの名前を読まれた人は支店中に入りパスポートを受け取る。
■この時代にこの難儀
人々は、パスポート取得を何とかするために遠方からアンカラを訪れたと述べ、「パスポートに支払った金の二倍以上、交通費と食事代に費やした。一日は列に並んで待ち、二日間はアンカラへの往来に費やした。この時代にパスポートを取得するために、これほどの難儀が生じないべきだ」と批判した。
■人口・国民業務総局も認める
スレイマン・ソイル内務大臣は、5月10日の発表の中でパスポートのチップの不足があることを認め、先週出演したテレビ番組の中で、この件に関する新たな発表をおこなった。ソイル大臣は、国内で作成する電子パスポートの生産が今月始まり、12月にはフル稼働となると述べた。人口・国民業務総局も国民のパスポート需要に応えるのに60日を要するとの情報を認めた。この発表により、パスポート危機が2023年年初まで続くと論評されている。
■データにアクセスできない
造幣局は、以前に生産を行っていたパスポート冊子に関しインターネットサイトを通じて月毎のデータを発表ていたが、ここ暫くこうした情報を秘匿している。同インターネットサイトでは、最新では2018年5月のデータが挙げられている。同サイトのリンクをクリックすると、「貨幣生産表」といった問題とは関係ない書類に行き着く。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:53934 )