アゼルバイジャン、アルメニアの謀略を粉砕
2022年09月14日付 Hurriyet 紙


アルメニア政府は一昨日夜に、大敗した第二次カラバフ戦争の後に現状を変えるために国境全体に沿って攻撃を試みた。アゼルバイジャン軍はアルメニアの攻撃を撃退した。モスクワの調停によって昨日停戦が宣言された。

ロシア・ウクライナ間の戦争が全速力で続く一方、南コーカサスでは一昨日夜のアルメニアの挑発によるアゼルバイジャンとの新たな大戦争の開始が止められた。昨日の朝ロシアの介入により、アゼルバイジャンとアルメニアの国境地域で停戦が成立した。ここ二年間続く停戦を大いに侵犯した、重火器を用いた深夜の衝突では、少なくとも49人のアルメニア兵が死亡したと報告された。

■夜間攻撃

二年前、44日間続いた第二次カラバフ戦争に敗れたアルメニアは、一昨日夜に報復を考えてアゼルバイジャン領内に入った。アゼルバイジャン国防省の声明によると、アルメニア軍は夜半の暗さを利用してダシュケント地域、ケルベジェル地域、ラチン地域の国境を越え、地雷を設置し始めた。その後、アゼルバイジャンの陣地に砲撃を行った。短時間で警戒態勢に入ったアゼルバイジャン軍は、攻撃に応酬した。装甲部隊、砲兵隊、武装無人航空機(SİHA)を使用した反撃作戦で、アルメニア軍を撃退すると同時にアルメニア国境地域にある陣地を破壊した。アゼルバイジャン国防省は、軍人42人と、国境警備員8人から成る50人の兵士が死亡したと発表した。

■ロシアに協力要請

昨日の朝方に向けアルメニア安全保障理事会は、ニコル・パシニャン首相を議長として緊急会議を招集し、アゼルバイジャンがアルメニアに再び宣戦布告したように見せかけようとした。アルメニア政府はまた、ロシアと旧ソビエト共和国の国々によって設立された集団安全保障条約機構(KGAÖ)に正式な申請を行い、アルメニアを防衛するために援軍を送るよう要請した。パシニャン首相は、アゼルバイジャンとアルメニアの間の殆ど全国境線上で夜間に発生した衝突において、最初の報告によると49人のアルメニア兵が死亡した、と伝えた。

■モスクワの介入

南コーカサス地域で高まった緊張は、その後の数時間でロシアをも動かした。昨日の朝8時頃、ロシア外務省は、アルメニア・アゼルバイジャン両政府に接触し、衝突を無条件に停止するよう求めた。こうしたモスクワの介入により、9時頃に当事者間で停戦が宣言された。

■緊張はどのように白熱したのか

アゼルバイジャン、アルメニア、ロシアの各指導者イルハム・アリエフ大統領、ニコル・パシニャン首相、ウラジーミル・プーチン大統領によって2020年9月10日に署名され、44日間続いた戦争に幕を閉じたモスクワ条約の後、二年に渡って大小様々な停戦違反が以前にも起きていた。

最近では8月25日、三者合意に従ってラチン市がロシアの平和維持軍の監督下でアゼルバイジャンに引き渡された日に、アルメニア民兵がラチン回廊地域でアゼルバイジャン兵士に発砲し、3人の兵士が負傷する次第となった。

一昨日夜に発生した、新たな全面戦争を思わせる衝突には明確なもう一つの特徴がある。過去二年間、国境地域で発生した大小様々な攻撃は、主にナゴルノ・カラバフ地域に残っているアルメニア民兵によって行われていた。しかし一昨日夜の衝突は、直接アルメニア軍によって開始された。このことは、大規模な挑発がアルメニア政府、パシニャン首相、及び参謀本部の認知の元行われたことを意味する。

こうして、近々でアルメニアにおける過激な民主主義グループとディアスポラを代表するダシナク党の圧力にさらされたパシニャン首相は、一昨日夜に平和的な路線から後退することとなった。

アルメニアにおける雰囲気の変化は、32年間にわたりアルメニアとカラバフの間の陸地の繋がりをもたらしていたラチン回廊を譲渡したことと、アゼルバイジャンとナヒチバンの繋がりを確保するゼンゲズール回廊の開通に関し圧力がかけられていることが影響しているものと考えられる。大規模な紛争の後、アゼルバイジャンからナヒチバンへの陸回廊開通の問題は、アルメニアによって棚上げされる可能性がある。

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( 翻訳者:田原紗樹 )
( 記事ID:54058 )