トルコ国会議長、クリミア・プラットフォーム・サミットで講演
2022年10月25日付 Hurriyet 紙
トルコ大国民議会のムスタファ・シェントプ議長は、ウクライナ議会のルスランン・ステファンチュク議長とクロアチア議会のゴルダン・ヤンドロコヴィッチ議長によって共同開催された、クリミアプラットフォーム第一回議会首脳会合で講演を行った。
サミットの開催に向けた、トルコの当初からの尽力を強調したシェントプ議長は、クリミアプラットフォームにおいて、議会運営が機能しだすことの重要性を指摘した。シェントプは、「この働きかけの根底には、トルコの、クリミアや併合下にある他地域を含めたウクライナの領土の一体性へのゆるぎない支持が存在する。クリミアはまた、我々の同胞であるクリミアタタール人の母国である。事態は、戦略的、歴史的、経済的側面の他、こうした面でも重要性を帯びている。なぜなら、クリミアタタール人もそれ以外の人々のように自らの土地で自由かつ安全に暮らす権利を有しているからである。」と述べた。
「トルコは、クリミア併合を承認していないし、今後もすることはない。ウクライナとクリミアタタール人へと、相互的あるいは多角的なプラットフォームで支持を続けていく。」と話をつづけたシェントプ議会議長は、「我々が、国連において、毎年取り扱われるクリミアに関する法案への共同提出者であることは、このことの明確な表れのうちの一つだろう。しかし、ご存じの通り、国連は目前の重要な課題のどれにも解決策を見いだせていないように、現行の問題への解決策を講じられていない。この状況はトルコとして常に、そしてあらゆる場で「世界は5ヵ国(国連常任理事国)以上に広い」という表現とともに主張してきた諸国際組織の改革の必要性の明確な証左である。」と語った。
シェントプ議長は、トルコがクリミアタタール国民議会ネリマン・ジェラル副議長をはじめとして、クリミア半島で自由を奪われた者たちの状況を注視していると語った。シェントプ議長は「言及された人々が一刻も早く解放されることを祈っている。」と述べた。プラットフォームは議会間で築かれる協働関係によって、この件に関する国際世論の中での関心が高まることが可能になることを述べたシェントプ議長は「トルコ大国民議会として、プラットフォーム下で実行される事業への貢献のため準備が整っていることを宣言したい。」と語った。ウクライナでの戦争が、ロシアによって9月30日に調印された併合決定によって新たな段階へと移行したことを述べたシェントプ議長は、以下のように続けた。
「トルコはクリミア半島同様、ドネツク、ルハンスク、ザポリジア、ヘルソン州の併合を承認していない。これらは我々の考えにはない状況である。国際法に反するこのような行いを我々が拒否したことを、この場を借りてあなた方の前で述べたい。2月24日以来続いている戦争で、多くのウクライナ人が命を失い、何百万もの人が場所を追われ、ウクライナの多くの都市が甚大な被害を負った。戦争は我々の地域へと特に影響をもたらしている。それと同時に、戦争による国際的な代償も日々増加している。我々がいつも強調しているように、この戦争に勝者はいないだろう。」
「衝突がウクライナの領土の一体性を基本とする公正な和平によって一刻も早く終わることを望んでいる。」と述べたシェントプは、以下のように続けた。
「ウクライナによる正当な闘いを支持しながらも、外交によるスケープゴートが生まれぬように、条件が整った時に、この衝突が外交によって収められるために準備をするように呼び掛けている。交渉とは、妥協を意味するものではない。実地での戦果を、交渉の席で利益に変えることができる。我らの大統領も度々、言及しているように、この点においてトルコとしていつでも仲介を受けいれるつもりだ。」
国際法とその遵守へと再度注意を促したシェントプ氏は、以下のように述べた。
「国際法は強力な国は通り抜けられ、力のない国々はそれに従わなければならないクモの巣なようなものとは違う。もし、自らを強国であると考える国々が、自らの利益のために他の国を火の中に突き落とし、世界を血と涙で満たすことを避けなければ、国際法そのものは消えてなくなってしまう。全員が、力を付けるほど、法の違反を自らに与えられた権利として見始めている。世界平和と国際的安全は、法と、法への敬意と順守、そして公正な国際秩序によって可能である。国家間の主権の平等に基づく、人をその根本におく新たな認識が可能である、そしてそれは世界平和のために必要不可欠なものである。唯一の出口もまさにこれである。」
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( 翻訳者:村田七海 )
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