ボスフォラス海峡通過船に新保険―ロシア、パニック?
2022年12月02日付 Hurriyet 紙
ロシアがウクライナに対し開始した軍事作戦から9か月が経過し、今回トルコはボスポラス海峡問題の焦点となっている。
トルコは戦艦の黒海入航について、3月以降禁止令を発令した。これまで黒海が安定性を実現したことはなく、トルコは自国の安全を懸念して新たな措置を講じた。これによると、2022年12月1日付でイスタンブルおよびチャナッカレ海峡を通過する商業船には拡張補償したP&I保険への加入を求めることが、アメリカメディアのブルームバーグによって伝えられた。
■モスクワでパニック
保険問題に関するニュースはモスクワに大きな反響をもたらした。ロシアは、パイプラインを除き石油供給の大部分を、タンカーを使い黒海やボスポラス海峡経由で行っているため、新たな特約保険条件はモスクワでパニックを引き起こした。
■制裁に追加
石油タンカーに要求される、拡張補償の保険は、イギリスのロンドンを拠点とするP&I保険組合から提供されている。イギリスは、ウクライナ戦争を理由にロシアに広範な制裁を課したように、12月5日には石油を輸送するロシアのタンカーへの保険サービスの提供を打ち切ると通達していた。制裁に保険が追加されたことにより、石油輸送が危ぶまれるロシアはただちに自国の保険会社設立に踏み切った。
■ロシアの保険会社に加入
「ロシア国営補助保険」と命名された会社は、7500億ルーブル(約120億ドル)の資本金で設立されたことを明かした。加えて、ロシア中央銀行が同社に自由裁量権を与えたと伝えた。ロシアのアレクサンダー・ポシフキン交通副大臣は、水曜日にモスクワで船舶に向けた拡張補償特約の保険に関し極めて矛盾した声明を出し、トルコ側の公式発表はないにもかかわらず「トルコはロシアの国営拡張補償保険会社の保険証券を認証している」と述べた。
■中国は未認証
ポシフキン交通副大臣は、トルコに加えて中国とインドもロシアの保険を認証していると明かしたが、中国は特にロシア国旗を掲げるタンカーの保険を認証していないことがわかった。中国は、ロシアが西側と対立する際にモスクワに賛同する立場を表明していることがわかっているにもかかわらず、船舶に対しP&Iタイプのロイズ保険組合に加入することを求めているのが判明した。
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( 翻訳者:関口ひなた )
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