イスタンブルの女性5人に1人は18歳以下で結婚―イスタンブル計画機構
2022年12月12日付 Cumhuriyet 紙


イスタンブル広域市が組織するイスタンブル計画通信(İPA)によって行われた調査により、イスタンブルで暮らす主婦の内5人に1人が18歳未満で結婚させられていたことが判明した。彼女らの多くは「かつかつの状態」で暮らしており、最も大きな不安要素は健康であるという。調査に参加した女性の半数以上は、イスタンブルのヨーロッパ側とアジア側の内、自身が暮らしている側の対岸に行ったことがないという。彼女らは普段、家庭の用事を済ませるために外出しており家から遠く離れた場所に行くことがない。

イスマイル・アー教団に附属するヒラヌール財団で発生したと言われるスキャンダルは、未成年での結婚が行われている事実を再び示すこととなった。イスタンブル広域市が組織するİPAによって行われた調査結果も、これに関する重大な構図を明らかにしている。

İPAの発表によると、調査は、イスタンブル在住の主婦の生活環境、期待、ニーズを明らかにすることを目的とし、イスタンブルの様々な地区に住み、異なる社会経済的グループを代表する主婦を対象に行われたという。

2000人を超える主婦に対して対面形式で行われた調査は、イスタンブル在住の主婦の社会経済的特徴、日常生活、期待、政治に対する考えの4点が主な話題として扱われた。

「豊かさ、労働、社会福祉」、「家族の世話、家庭内での役割、毎日の生活」、「社会的・公的生活への参加」、「夢、期待、心配事」といったテーマから成る報告書では、女性の家庭内や都市での経験、ニーズ、夢、政治への期待が分析された。

■主婦の大半が「かつかつの生活」

İPAが行った調査によると、全く職に就いていない女性の内87%が既婚で、70%が必要に応じて夫から「お小遣い」をもらっているという。彼女ら主婦の大半は「かつかつの生活」を送っているとし、最も大きな心配事は健康であるとのことだ。

■女性の半数以上がイスタンブルの対岸に渡ったことがない

調査に協力した女性の半数以上(54%)がイスタンブルのヨーロッパ側とアジア側の内、自身が暮らしている側の対岸に行ったことがないという。彼女らは普段、家庭の用事を済ませるために外出しており家から遠く離れた場所に行くことがない。

■女性の5人に1人は18歳未満で結婚

イスタンブルの主婦のたった32%がイスタンブル生まれであり、5人に1人は18歳未満で結婚させられている。若い女性が早くに結婚する割合は明らかに低くなっており、教育水準も上昇している。イスタンブルでの調査に協力した既婚主婦のうち64%は、11年以上前に結婚しているとわかる。報告によると、既婚女性は一般的に核家族の状態で生活しているため、子育ての負担により家庭内でより孤独になっているという。

■女性の55%は「かつかつの生活」

女性らに対する「先月は【金銭的な観点から】生活がきちんと送れたか」との質問に対して、55%の女性は「かつかつ」だが何とか過ごせたとし、13%の女性は「あまりやり過ごすことができなかった」と、23%の女性はいくつかの基本的な支払いすらできなかったと明かした。

■結婚・出産をした女性は退職

職業に関しては、主婦の2人に1人は過去に全く給料のともなう労働に従事したことがないことが判明した。報告書によると、主婦の35%は給料をともなう労働経験があるにもかかわらず、30%の女性は出産後に、27%の女性は結婚後に退職したという。要するに、およそ3人に1人の女性は結婚や出産をきっかけに職業から離れ主婦になっているということだ。

■18~29歳の主婦は入用のためお小遣いをもらっている

また、報告書では、若年女性の経済的依存度が60歳以上の主婦と比較すると明らかに高いことが目に留まる。18~29歳の主婦のうち36%はあらゆる入用のためにお小遣いをもらっている一方で、60歳以上の女性ではこの値が16%にとどまっている。この点からは、夫を亡くした妻が利用できる「寡婦年金」、亡くなった夫が遺した退職金、高齢者年金のような、社会権に基づいて得られる定期収入のおかげで、60歳以上の女性の経済的依存度が比較的低いことがわかる。

■73%の女性は自身が保険に加入していない

社会福祉の観点から見ると、離婚した女性は、既婚女性や夫を亡くした女性と比較した場合さらに弱い立場に置かれている。離婚した女性のうち保険に加入していない人の割合は22%である一方、既婚女性での同割合は19%、夫を亡くした女性では13%まで下がる。社会福祉を受けることのできる女性の内、73%は夫を通じて、11%は仕事の都合で保険に加入していることによるという事実は、衝撃的な発見である。主婦の社会福祉へのアクセスは、夫の労働力市場での地位に大いに関連している。既婚女性の77%、夫を亡くした女性の61%は夫を通じて保険に加入している状態だ。仕事の都合で保険に加入している女性は25%で、離婚した女性が最も多くみられる。そのため、定年後の主婦のうち社会福祉にアクセスできる割合が最も高いグループは離婚した女性であるということができる。

■家庭内の役割の大半は女性が担う

主婦が担う家族の世話の負担や家事に関して行われた調査によると、主婦は家で過度に家事役割を期待されているという。子供の面倒をみている女性は71%であるのに対し、夫が子供の面倒をみていると答えた女性の割合は13%にとどまる。社会経済的水準が比較的低い家庭では、女性のみが子供の面倒をみている割合が90%だったのに対し、家庭の富裕度が増すに従ってこの割合は低下していくことがわかっている。

子どもの学習面での世話も女性の役割として認識されている。女性が子どもの宿題の面倒を見ている割合は男性のちょうど5.5倍だ。女性の61%は家事を自分自身のみで行っているとしたのに対し、夫も家事をしていると回答した人の割合は19%だった。女性のたった35%が家事を手伝ってくれえる人がいると答えている。いずれにせよ、家事を主に担っているのは家庭内で妻または母親といったステータスの主婦で、他の人は家事を「手伝う」にとどまっている。

■家庭内で介護や看護を必要とする家族の面倒は女性に任される

家庭内に介護や看護を必要とする人がいる場合、主婦は66%の割合でその人の面倒をたった一人でみている。離婚した女性に関しては、病人や老人の介護の役割をさらに高い割合で担っていることも分かる。これは、離婚後に戻った実家に年老いた両親がいることによるといえるだろう。しかし女性の収入水準が上がるにしたがって、老人や病人の介護や看護を担う割合も低下する。

■女性の34%は休暇なし

女性の社会生活への参加割合に関しても興味深いデータが明らかになっている。調査結果によると、女性の34%は休暇を取っておらず、48%は休暇を故郷で過ごすという。女性のたった16%の女性がリゾート地で休暇を過ごすことができるとしている。主婦が出向く最低限の社交場としてコンサート、映画、演劇、娯楽の場が挙げられている。調査を行った女性のうち娯楽の場へ行く人の割合はたった6%、コンサートへは5%、映画へは12%にとどまった。大卒の主婦のうち55%は友人と外出したりカフェに行くとする一方で、この割合は、高卒の主婦では41%、高校よりも低い水準の教育のみの主婦では18%まで低下する。映画、演劇、コンサート、娯楽の場に行くことも大卒の主婦の社交的行為として特徴づけられる。主婦が頻繁に行うアクティビティの筆頭として51%の割合で「公園に行く」ことが挙げられる。しかしながら、この公園というのは大抵の場合が子どもと一緒に行く、子どもが遊ぶための公園である。友人を家に招いたり友人の家に遊びに行くことを好む主婦の割合は42%、親戚宅の訪問を好む割合は41%、ショッピングセンターへ行くことを好む割合は40%、ピクニックを好む割合は38%だった。友人らと外出したりカフェに行ったりすると答えた人の割合は27%にとどまった。

■女性が最もよく使うイスタンブル広域市のサービスは「母親カード」と「ミルク支援」

報告書によると、イスタンブルの主婦が最も多く利用しているイスタンブル広域市のサービスは、母親カードとミルク支援だという。女性が利用するその他の社会支援として、様々な公的機関が提供する食糧カード、ミルク・出産支援金、障害者補助金とともに郡が提供する石炭や保存食が挙げられる。

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( 翻訳者:金子萌 )
( 記事ID:54628 )