サミーラー・マガーミーダーナーさんは大都市テヘランのとある地区に住むカリグラフィ・アーティストだ。しばらく前から、街の壁で彼女の作品が輝き、道や路地を詩的にしている。
【ハムシャフリー電子版−ナスィーベ・サッジャーディー】彼女は首都のくたびれた壁に自らの手技で命の色を与え、出来ることなら街の全てのドアや壁に彩りを添えたいと言う。そして、路地や通りを急ぐ通行人に、文字と絵画を芸術的に描き、感情を込めることで、混雑してストレスの多い道を歩き続ける力になるように、平穏と安全を与えたい、と話す。
カリグラフィという芸術と私が感じる平穏
彼女は他の人の絵画を見ることが大好きだったが、絵画はカリグラフィほど彼女を魅了することはなかった。マガーミーダーナーさんは言う。「もし絵画の作品が手元にあって、その端に、例えばカリグラフィの文字が書かれていたら、絵画よりもカリグラフィの方により惹かれていたでしょう。[以前は]私の魂をいつも羽ばたかせ、他のどこでも見つけられなかった安らぎを私に与えてくれていたのは絵画でしたが。」
ナスタアリーク体の学習を始め、カリグラフィの教室で講座を修了した。彼女は続けた。「何年かの間、大学で言語の翻訳を専攻していたため、翻訳の仕事をし、書籍の翻訳も何冊か出しました。同時に、カリグラフィの教室も続け、この分野での経験を積みました。」
彼女はこの教室に参加して、自分が最も好きなのは書道だということがわかり、これを続けていこうと決意する。マガーミーダーナーさんは言う。「カリグラフィには絵画的な要素や装飾的な要素がありません。私は文字のアート以上のものを求めていたので、しばらくしてから、カリグラフィアートに取り組み始めました。絵画と文字の組み合わせが、最終的に、まさに私の芸術的センスを満足させ、維持させるものになりました。このことを学び、今でも学びを増やしています。」
彼女は、街の壁に文字を描き、自らの手技でそれを美しくしてはどうかという提案をされたとき、それを受けた。このアーティストは続きをこのように説明した。「それまで受けた中で最高のオファーでした。そのため、翻訳をやめて、この分野での活動に専念したのです。」
良いパフォーマンス、人々とのより良い思い出
ハーフェズ通りとターレガーニー通りの交差点やネザーミー・ギャンジャヴィー通りのECO[経済協力機構]大学の壁にカリグラフィを施した。寒い時も暑い時も、通りに設置した梯子や足場に立ち、愛を込めて作品を製作した日々は良い思い出だという。行き交う人々からもらった良いエネルギーのおかげで、片時も疲れを感じたことはなかったそうだ。
ネザーミー地区にあるECO大学の壁のデザインでは、この地区に付けられた詩人を彷彿とさせる名前に因み、彼女はネザーミーの詩句を用いることに決め、この尊敬すべき詩人の『ハフト・ペイキャル(七王妃物語)』を使って大学の7つの壁に7つのドームをデザインしている。その独創的なカリグラフィアートは、彼女によると、住民や大学を行き交う人々の間で好評だった。
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( 翻訳者:OK )
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