PKK、スエーデンで対トルコ侮辱デモ
2023年01月13日付 Hurriyet 紙

スウェーデンで、テロ組織PKK/YPGの支持者らがエルドアン大統領に似せた人形を首都ストックホルムの庁舎前で逆さ吊りにした。外務省は、スウェーデンの在アンカラ大使を呼び出し、厳しい言葉で警告した。この出来事は各方面から大きな反響を呼び、非難するメッセージが公開された。

スウェーデンの首都ストックホルムの庁舎前に集まったテロ組織PKK/YPGのサポーターらが、エルドアン大統領に似せた人形を庁舎前の柱に逆さ吊りにし、その様子を映したビデオを公開した。同グループは、この画像をSNSのアカウントに投稿した上で、自らを「ロジャヴァ(西クルディスタン)の支持者」と名乗り、エルドアンを第二次世界大戦末期に処刑され、のちに吊るされたイタリアのファシスト独裁者ベニート・ムッソリーニになぞらえて、「歴史は、独裁者らがどのような最期を迎えたのかを示している。エルドアン退陣の時が来た。この機に乗じて退陣せよ、タクシム広場で逆さ吊りになっていてはいけない」と呼びかけた。

◇外務省へ呼び出し

目を覆うような事件に対し、アンカラは厳しく反応した。スウェーデンの在アンカラ大使を外務省に呼び出し、「トルコは実行者らが直ちに特定され、罰を受けることを期待する」と伝えた。外務省の文書声明により、「PKK/PYD/YPG支持者により1月11日にストックホルムにおいて実行された、大統領閣下を標的としたテロプロパガンダについて、スウェーデンの在アンカラ大使が呼び出され、我々の意見が伝えられた。加えて大使には、我々がこのデモを厳しく非難し、抗議することが強い表現で伝えられた。スウェーデンに対し、3ヵ国協定の取り決めを明らかに侵害し、トルコを明らかに脅かすこのようなテロ行為を許さないよう要求した」と述べられた。
政治家からの反応も噴出した。

スウェーデンでの度を越したテロに対し、政治家らから反応が噴出した。フアト・オクタイ副大統領は、「民主主義の法治国家は例外なく、このような不法なデモを黙認することはない」と述べた。ベキル・ボズダー法務大臣は「スウェーデン政府へ、テロ行為に加わったテロリストらを特定し、法の裁きを受けさせるように、すなわちトルコとの約束を守るように求める」と発言した。

大統領府のイブラヒム・カルン報道官は「繰り返し、はっきり申し上げる。テロ組織の活動に終止符を打たない限りは、スウェーデンがNATO加盟手続きを進めることはできない」と述べ、テロを許しているスウェーデンへの異議を示した。

◇シェントプ議長がキャンセル

公正発展党のヌマン・クルトゥルムシュ副党首は、「スウェーデンで発生した目を覆うようなデモは、大統領閣下に対してのみでなく、全トルコに対して行われた攻撃だ」と述べた。一方で、1月17日に予定されていたスウェーデンのアンドレアス・ノーレン国会議長のトルコ公式訪問は、ムスタファ・シェントプ国会議長により、ストックホルムでの挑発に対する抗議としてキャンセルされた。

◇CHPが非難

共和人民党は、トルコ共和国と大統領に向けた挑発行為を厳しく非難すると声明を出した。共和人民党(CHP)はSNSへの投稿で、「スウェーデンでの、反逆者のテロ組織メンバーによるトルコ共和国および大統領に向けた挑発行為を厳しく非難する。スウェーデンの各機関が務めを果たすことを求める」と述べた。

◇チェリキ広報部長、CHPのメッセージをリツイート

公正発展党のチェリキ広報部長は、スウェーデンの首都ストックホルムにおける、テロ組織PKK/YPG支持者らの挑発行為に関するCHPの声明を高く評価すると述べた。チェリキ氏は、TwitterでCHPの投稿を引用し、「すべての政党がテロに対し共通の態度を固め、そしてテロとの戦いを支援することが、国家統一の観点から極めて重要である。テロリストらによる我が国の大統領、そしてトルコ共和国に向けた攻撃に対し、我々が示したこの態度を評価する」と述べた。


◇スウェーデン外務省:忌まわしい


スウェーデンのトビアス・ビルストロム外務大臣はTwitterへの投稿で、挑発行為に対し「忌まわしい」と評して抗言した。ビルストロム大臣は、「我々政府は、政治的選択が公然と議論されることを支持している。しかしながら、政治代表者に向けた脅威と敵意からは距離を置いている。国民から選ばれた大統領を庁舎前に吊るし上げるような表現は忌まわしい」と述べた。

◇クリステション首相が譲歩:「誤解されている」

スウェーデンのウルフ・クリステション首相は、同国のNATO加盟に向けてトルコの要求に「これ以上応えられない」という声明が「誤解されている」と述べた。「特にテロとの戦いの分野において、我々は約束をすべて果たしている」と述べた。

◇判断は司法の手に

記者らに向けて行った声明のなかで、テロとの戦いに関する法を強化したと述べたクリステション首相は、トルコがテロによる被害を最も多く受けている国の一つであることを強調した。スウェーデン首相は、「我々は約束をすべて果たしている、特にテロとの戦い分野において」と話した。

誤解されているという発言については、「トルコは時として、スウェーデンからの引き渡しを望む人物の名前を伝えてくる。これに関するスウェーデンの法規制が非常に明確であることは知られている。この決断は司法が下しており、政府にこれを変える余地はない」とした。クリステション首相は、先週行った声明において、「トルコは我々ができないことを求めている」と話している。

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( 翻訳者:関口ひなた )
( 記事ID:54808 )