ギリシャの新聞が公開したビデオ映像は、1か月前にディディムとブラマチ島の間で撮影されたものだ。ただし、トルコ側が撮影した事件の画像もあった。

カルダクの崖にトルコ国旗が立ったことを忘れられず、危機をギリシャの9.11と評したギリシャメディアは、今度はエーゲ海で約1か月前に撮影された画像を見出しに掲載した。

このビデオはアイドゥン県ディディム群とその反対側にあるブラマチ島(ギリシャ名ファルマコニシ島）の間で1月5日（木曜日）の朝に撮影されたものだ。この時間、ギリシャとトルコの沿岸警備隊の船が対峙した。

4分44秒のビデオ映像を公開したデモクラティア紙は、トルコ沿岸警備隊の船がギリシャの船にぶつかろうとしたと主張し、ギリシャの沿岸警備隊がトルコ人に対して警告射撃を行い、トルコ沿岸警備隊の船が危険な操縦を行ったと報じた。

メディア組織は「一触即発状態」にあった時、ギリシャ沿岸警備隊から冷静な説明があったが、しかし実際に起きたことは息をのむようなものだったと報じた。同紙はギリシャ兵らの節度によりエーゲ海で血が流れなかったが、トルコの船がギリシャの船にぶつかり火災を起こそうと画策したと主張した。

デモクラティア紙によると、ギリシャ沿岸警備隊の船はブラマチ島周辺に入ってきたトルコ人漁師が原因で現場に向かい、漁師たちはギリシャ領海で漁をしていた。トルコ沿岸警備隊の船も短時間で現場に到着し、これ以降状況は危険な方向に向かった。

トルコの船がギリシャ沿岸警備隊の船を追跡し始め、後ろから近づいて衝突しようとし、この間、ギリシャ兵は自動小銃を手にしたという。

トルコ人船長が船を巧みに動かしながらギリシャ船に接近したとする同紙は、紙面に「船尾にいたギリシャ兵が空に向け発砲すると、トルコ人は逃げた」というスキャンダラスな文章を載せた。

また同紙は、「エーゲ海での戦争：民主主義の衝撃的な姿が明らかに」の見出しで報じ、ギリシャの巡視船の船名はLS-ELAKTだと明らかにし、トルコ沿岸警備隊の船に向かって発砲した兵士たちの顔をぼかした。

■実際に逃げたのはギリシャ沿岸警備隊の船

トルコ沿岸警備隊司令部は、画像公開後に書面で声明を発表した。公式声明では、ギリシャ沿岸警備隊の船がトルコ沿岸警備隊の船から逃げる際に、空に向け発砲したと述べられた。

「…沿岸警備隊の船により、周辺で発見されたギリシャ沿岸警備隊が追い払われてトルコ漁船の漁業活動が守られたこと、ギリシャ沿岸警備隊の船が追い払われる途中で空中に発砲したため、これに対しトルコ沿岸警備隊の船が空に発砲したことが説明された報道メモが、事件に関するビデオと共に一般に公開された。2023年2月1日付で、ギリシャの一部のニュースサイトやソーシャルメディアで、あたかも新しく起きた事件かのように、ギリシャの船がトルコ沿岸警備隊の船から逃げる際に空に向け発砲した画像が共有された。」

■「衝突した」とすら書いた！


4分44秒の古い映像は、予想通りにギリシャメディアの見出しになった。Kathimerini紙は、「ファルマコニシ:ギリシャの沿岸警備隊の事件の新たな映像」というタイトルを採用した。
Skaiテレビは、「ファルマコニシからのビデオ記録：トルコのボートがギリシャのボートに衝突を試みた」というタイトルのニュースで、別の危険な事件が記録されたと報じた。
Ethos紙は、「トルコの船がギリシャ沿岸警備隊の船への衝突を企図」という見出しを選び、To Vima紙は「トルコ沿岸警備隊の船はギリシャ沿岸警備隊の船をファルマコニシで脅かしている」と述べた。
Ta Nea紙は、「ファルマコニシ：トルコ沿岸警備隊の船がギリシャのボートに衝突を試みた」との見出しを付けた。CNNギリシャは、ニュースの見出しにトルコの船がギリシャの船に衝突したと報じた。

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（ 翻訳者:小鉄礼子 ）
（ 記事ID:54937 )