ギリシャ外相、トルコ慰問ートルコ外相が出迎え
2023年02月13日付 Hurriyet 紙


被災地慰問のためトルコを訪問したデンディアス・ギリシャ共和国外務大臣は、飛行機のタラップで出迎えたチャヴシュオール外務大臣と互いに抱擁を交わした。デンディアス外務大臣は、両国間の関係を改善するために、新たな地震は不要だと語った。本訪問は、予想通りギリシャメディアでも大きく取り上げられた。

両国間では、2020年夏以降東地中海危機による緊張関係が続いていた。震災の一報を受け取るや否や、ギリシャは被災地へ捜索救助隊を派遣した。ギリシャの救助隊がハタイで瓦礫の山から次々と被災者を救出する中、救助隊の2人の隊員が抱き合って泣いている姿は、両国で大きな反響を生んだ。

キリアコス・ミツォタキス・ギリシャ首相は、トルコの兵士とギリシャの救助隊によって、負傷者が担架で運ばれる様子を写した写真を投稿した。

「心を悲しみで締め付ける光景と胸に希望が溢れる光景を目にしています。救助隊の懸命な活動に、ただ一言、尊敬の意を評します。ギリシャ国民、トルコ国民、ともに、人命救助のために闘っています。彼らに感謝の意を表します。」

ギリシャの国営テレビERTでは、朝の放送の冒頭をトルコ語の民謡とともに始め、画面に多大な被害を受けた街の様子が映像で映されると、再び大きな反響を生んだ。

■各国からの支援

ギリシャでは、公的機関に加えて、非政府組織、大学、組合、地方自治体などがトルコ支援のために活動を始めた。被災地に向けて人道支援物資を運んだ飛行機が次々に飛び立つ一方で、献血キャンペーンも行われている。

首都アテネでは市庁舎に集められる中、コスタス・バコヤニス市長はツイッターで注目を集める連続投稿を行った。

バコヤニス市長は、数ヶ月前にアテネにやって来た、生活保護によって生活するニコスという名の92歳の老人に言及した。毎日年配の仲間たちと雑談するために「アギオス・エレフテリオス友の会」に通う彼は、テレビのニュースを見ながら古びた財布を開き、小銭を取り出した。

彼は英語で優秀な成績を修めた孫のために何かを買うつもりでいたが、ニュースを見るとゆっくりと立ち上がり、クラブの向かいの食料品店に向かって歩いた。彼が戻ったとき、彼の手には食料入りの袋があり、彼はその袋を、トルコのために集められた支援物資の山に加えた。バコヤニス市長は、支援を求める呼びかけに対するこの老人の反応を「衝撃的」だったと述べた。

■震災後二人目となる大臣訪問

デンディアス・ギリシャ共和国外務大臣は、慰問のため今日トルコに向かった。メヴリュト・チャヴシュオール外相は、アダナに着陸したデンディアス外相を飛行機のタラップで抱擁した。両国外相はその後、ヘリコプターにてアンタキヤへ移動し、被災地を訪問した。

チャヴシュオール、デンディアス両国外相は報道陣の前に現れ、デンディアス・ギリシャ外相は、「我が友人、メヴリュト・チャヴシュオール氏、トルコ政府、トルコ国民のみなさまに哀悼の意を表します。チャヴシュオール氏へは、彼がここで救助隊の活動に対してかけたねぎらいの言葉の数々に対して、感謝を申し上げたい。トルコがこの苦しい日々を乗り越えるための援助を、我々ギリシャ政府は、今後も惜しみません。両国関係の改善のために、新たな地震は不要です」と語った。

チャヴシュオール外相は、「意見の相違については、対話を通じて真摯に向き合い、解決するよう努めます。我が友人のデンディアスに、彼に代表されるギリシャ政府に、すべてのギリシャ国民に、困難な時期に支援してくれたことに感謝の意を表したい」と述べた。

デンディアス・ギリシャ外相は、震災後、アゼルバイジャン外務大臣につぎトルコを慰問した二番目の外務大臣となった。

■訪問が大きな話題に

本訪問は、期待通りメディアでもトップニュースになり、ネット上でも大きな話題となった。カティメリニ紙は、「デンディアス、アンタキヤへ」という見出しのニュースで、「このような事態に際してではなく、良きことのために訪問したかったが、私たちは今こうしてやって来ました」と述べるギリシャ外相の言葉を前面に取り上げた。

CNNギリシャは、「デンディアス、アンタキヤへ ーチャヴシュオールと共に被災地へ訪問」と見出しを打った。

また、タ・ネア紙は、「対話の視点 ーデンディアスとチャヴシュオール: 困難な日々の中でこそ見られる良好な隣国関係」という見出しを、ト・ビマ紙は、「デンディアス: 二国間関係に自然災害は不要」という見出しを掲げた。

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( 翻訳者:田辺清鼓 )
( 記事ID:55012 )