国際問題専門家ラフマーン・ガフレマーンプール氏が本紙インタビューで説明 イランとサウジアラビアの合意の世界的影響(2)
2023年03月12日付 Hamshahri 紙
〜域内での米国の地位が揺らいでいるのか?/域内諸国の対米政策変化の時/JCPOAとは無関係の合意〜
(続き)
−この合意の後、中国が米国に取って代わったと評価できますか。
中国が米国に取って代わると言うのは時期尚早ですし、中国自身にそうした動機や関心はなく、また地域の現状においてそのようなことはあり得ません。
依然米国はサウジアラビアやヨルダンやUAE、また戦略的同盟国たるイスラエルやカタールにとっての主要アクターかつ安全保障の主要な提供者であり、中国が中東で米国の地位に取って代わるという事態が実現するには長い道のりがあります。
米国は地域でのプレゼンスを弱めるための計画を開始していますが、一方で驚くべきことに、中国側は中東でのプレゼンスに関心を持っていなかったにもかかわらず、習近平のサウジアラビア訪問以降突然、これまでの路線に反して地域プレゼンスへの関心を示すようになりました。他方で、イランとサウジアラビアも長きにわたり関係修復に努めてきましたが失敗し、世界の注目を集めていました。
−地域における米国の政策は変化していますか、あるいは域内諸国の対米政策は変化していますか。
二点目についてはその通りです。サウジアラビアやUAE、イスラエル、さらにはある程度はトルコも、米国が域内での安全保障上の義務を軽減していると考えていることが問題です。米国と安全保障上の関係が最も強固なサウジアラビアやUAEがこの問題を懸念しているのですから。
サウジアラビアは事あるごとに米国との意見の相違があり、バイデン訪問をもってしてもこの相違を解消することはできませんでした。UAEやサウジアラビアは、ある程度米国から独立して自国外交を進めようとしています。しかしこれは米国からの自立を意味しません。なぜなら、米国以外の国々はこの2か国に安全を保証することができないからです。しかしこの2か国は米国との安全保障上の緊密な関係を維持しつつ、中国やインドやロシアなど他の大国との関係性強化に努めています。
すなわち、サウジアラビアは中国との関係を拡大させているだけでなく、中国の主要競争国であるインドとの関係も拡大させており、その関係は戦略的水準に達しています。
したがって、こうした国々は総合的アプローチを選択したのであり、新たな地域的及び国際的状況の中で外交政策を多様化させているのです。
−(了)−
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( 翻訳者:OK )
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