IAEAを利用して平和的核活動を阻害しようとする欧米の口実作りは際限がないようだ。今日までのところでの、その一連の口実作りの最後のものは、イランの核施設で濃縮度60%以上[の濃縮ウラン検出]を証明する資料を提出するとして、イラン・イスラーム共和国を非難する疑惑を提起したことである。もちろんこれに論理的な根拠はなく、いくつかの憶測に基づくものに過ぎない。
(ホセイン・アーブニーキー/核問題専門家)
実際のところ、60%以上のウラン濃縮を行なうためには諸々の一連の作業が必要だが、イラン・IAEA間での合意や監視カメラの存在、また提出書類があることを鑑みれば、そのような作業をIAEAの監視を超えて行なうことは不可能である。このため、IAEAはそうした疑惑を提起したものの、その主張を証明するための如何なる証拠も提出できないと断言することができる。またこの国際機関の専門家らも、現在までイランの核施設でそのような活動を確認していない。このため、技術的でも科学的でもなく、政治利用しかされない主張と曖昧さに我々が再び直面することは初めから明らかなのである
もう一つの問題は、イランの核施設で検出されている粒子の存在に関するものだ。この主張が正しいとしても、やはり不自然なことは起こっていない。環境中にウラン濃縮による濃度を超えた粒子が限られた割合で存在することもあり、この粒子の存在をイランの核施設で60%以上のウラン濃縮が行われている証拠とみなすことはできない。しかし、同時に注目すべき点は、資料も証拠もないこの主張の提起は、イラン・イスラーム共和国にさらなる圧力をかけるために行われている一連の口実探しの一つであり、欧米はIAEAの総会と理事会の開催前に、反イラン決議を採択する土台を整えようとしてその準備に余念がない、という点である。
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( 翻訳者:OE )
( 記事ID:55245 )