アンカラで殺虫剤中毒、2名死亡
2023年06月16日付 Hurriyet 紙


アンカラのケチオレン区で、殺虫剤中毒によりテュルカン・サバンヂュラルさん(39)とその娘エリフ・スーデ・サバンヂュラルさん(10)が命を落とした。中毒症状により10人が病院へ搬送された。ハヂュラル・アパート自治会長のソンギュル・アクさんは自身も被害に遭ったと明かし、「エリフさんは昨日体調が悪化したので、救急車を呼んで病院へ送った。しかし、『問題なし』と言われ帰宅した」と話した。

事件は、7時半ごろにサンヂャクテペ地区1637番通りで発生した。伝えられるところによると、通りにある4階建ての建物に住む一家は、自室で殺虫剤を使用していた。農薬使用によってアパート全戸が被害を受けた。通報を受けて、現地に災害緊急事態対策庁(AFAD)の化学・生物学・放射線・原子力(KBRN)専門家らと消防・保健チームが派遣された。

■10人が治療を受けている

ハヂュラル・アパートで発生した中毒事件は、同建物に住むソマリア人の一家が殺虫剤を使用したために起こったことがわかった。家から流れ出た化学物質によりマンション2階に住むテュルカン・サバンヂュラルさん(39)とその娘エリフ・スーデ・サバンヂュラルさん(10)が命を落とした。

中毒症状の1人は重症、10人が病院で治療を受けた。現地で活動する職員たちは、アパートでの薬剤散布に、使用禁止の「リン化アルミニウム」が使用されたこと、そしてこれが暑さによって膨張し、蒸発してアパート中に広がったことを明らかにした。事件の後、4階建ての建物と隣接する建物からは住民が避難した。

■「水が注がれていたらアパートの全員が亡くなっていた」

ケチオレン自治体のトゥルグト・アルトゥノク首長は、事故現場に赴き調査を行った。アルトゥノク首長は、この事件から重要な教訓を得ることが必要だとし、「このような化学物質を容易に入手できてはいけない。販売を行う会社や企業にも規制を設けることが必要だ。

こうしたことを十分に監査する必要がある。アッラーの思し召しにより、アパートで水を流した者はいなかった。もしそうされていたら、建物の全員が亡くなっていただろう。彼らは今回の薬剤散布を特定の企業に依頼している。同企業が薬剤散布を行った後、『3日間家に入れないことになる』そうだ。この薬剤は膨張し、その後周囲にまで匂いが届く」と話した。

また、アルトゥノク氏は家に薬剤を散布したソマリア国籍の人々のうち2人が逮捕されたと述べた。

■「亡くなったエリフさんは昨日容体が悪化した」

ハヂュラル・アパートの自治会長ソンギュル・アク氏は、昨日からアパートでひどい匂いがしていると述べ、「においがなくなるように、天窓を開けた。扉を固定したが、においはそこから漂っていた。私は全戸のベルを鳴らして注意を呼びかけようとした。起きてきた人もいれば、起きなかった人もいた。私も被害に遭い、めまいがした。2人が亡くなった。亡くなった10歳のエリフは昨日容体が悪化し、救急車を呼んで病院へ搬送された。だが、『問題ない』と診断され家に戻った」と話した。

■シャーヒン県知事より声明

アンカラ県知事のヴァスィップ・シャーヒン氏も、事件に関して声明を出した。シャーヒン知事は、初動捜査で事件が殺虫剤の散布によって起こったと明らかにしたうえで、「残念ながら2人の市民が亡くなり、重傷者1人を含む5人が現在治療を受けている。彼らの回復を願っているが、こう伝えよう。現在、現場ではあらゆる組織の職員たちが活動している。検察の指示と指揮の下で、捜査や調査が続いている。最終的な原因は、こうした技術的・法的な捜査の後に明らかになる。神の御慈悲がありますように」と述べた。

アンカラ県庁も事件についてTwitter上で書面による声明を出した。声明では、「今朝7時33分にケチオレン区に住む一家からめまい、吐き気、嘔吐、腹痛が訴えられ、この問題につき直ちに保健チームが派遣された。警察、AFAD、メディカルレスキューチーム(UMKE)、災害医療調整センター(SAKOM)、安全・緊急事態コーディネーションセンター(GAMER)チームから得られた情報によると、7人の市民が被害に遭い、初動調査によると彼らには中毒症状がみられたことが分かった。

病院に搬送された人々のうち2人が命を落とし、残りの人々の治療が続いている。問題のアパートとその周辺では必要な対策が取られた。事件の正確な原因を明らかにするべく、捜査と調査が共和国首席検事局の指揮下で専門チームによって続いている」と話した。

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( 翻訳者:関口ひなた )
( 記事ID:55793 )