テヘラン14区がガディールの祭典を開催/数十の家族向けの文化的・宗教的なプログラムを実施
2023年07月06日付 Hamshahri 紙
数十の文化的・娯楽的・宗教的なプログラムが盛大なガディール祭[イード・アル=ガディール(※訳注1)]に合わせ、笑顔や精神的な喜びを生み出し、アリーに従う者としての生き方を奨励し、この14区に住む今日の世代へそれを伝えるために開催される。
【ハムシャフリー電子版】モハンマド・アミーン・サーラーリープール[テヘラン市]14区区長は、ガディール祭は市内の至る所で市民が楽しめるよう盛大な祭典を挙行する最高の機会であると言及し、「テヘランという信徒たちの家の住民はまた、恒例通り、今回のこの神聖な祭典に熱心に参加し、出席することで、イマームとウィラーヤ(※訳注3)に対する自身の忠誠を示す」と述べた。
同氏はこの機会に14区のスィーズダヘ・アーバーン広場においてウィラーヤの盛大な祭典を挙行して家族を迎えることに言及し、「広場や通り、モスクのイルミネーションや装飾と、シーア派の盛大な祭典のコンセプトやメッセージに関連する芸術的なオブジェの設置は、地区を中心とする民衆的な式典や祭典とともに、この日のために準備された活動の一部である」と加えた。
同氏は続けて、首都に住む人々のために聖ガディール・フンム祭の日に用意される多彩で最も際立つプログラムは、「10キロメートルの祝宴」であるとし、「これに基づき14区も、サービスブースや宗教団体のブースの設置から、地区のジハード団体や奉仕団体、青年グループが参加して経路上で行われる文化的・芸術的なプログラムの開催まで、必要な準備を行った」と加えた。
サーラーリープール氏は、「『アリーはアッラーの友なり』や『聖ガディール祭』と書かれた多数の旗を目に付く建物やハイウェイ、橋、建造物、通りに掲げることで、首都のこの地区の各所がイマーム・アリー(彼の上に平穏あれ)の聖なる名で飾られる」と述べた。
同氏はまた、文化習慣的で楽しく、多様な競技やプログラムの屋外での実施や、装飾された自動車による移動キャラバンの実施、文化的なサービスを提供する広場、カウンセリングサービスや医療サービス、健康関連サービスなどの医療を中心としたサービスの提供、旗や鉢巻き、物語本のような文化的な物品の配布など子供向けの芸術的・娯楽的・教育的なプログラムの実施を、預言者ムハンマド家の子孫への崇敬や祈願の美しい伝統の実行などとともに、14区で予定しているプログラムとしてあげた。これらは、ウィラーヤの原理の説明やアリーに従う者としての生き方の奨励、教理的で価値の高い象徴を広めることを目的とし、14区住民、特に若い世代の参加をもって開催される。
※訳注1:十二イマーム派では、預言者ムハンマドがアリーを後継者に指名したとされるズーアルヒッジャ月18日を、それが起きた地名(ガディール・フンム)をとってイード・アル=ガディール(・フンム)と呼んで祝う。(大塚和夫「イード」大塚和夫、小松久男ほか編『岩波イスラーム辞典』岩波書店、2002年2月20日、146頁)
※訳注2:スンナ派における第4代正統カリフ(在位656-61)。シーア派では、初代イマーム。預言者ムハンマドの従弟であり、預言者の娘ファーティマと結婚し預言者の娘婿となった。アリーを支持した人々はアリーの党派(シーア)と呼ばれ、現在のシーア派の母体となった。シーア派ではアリーとその子孫のみがイスラーム共同体の指導者(イマーム)となることができるという信念を持つ。アリーの言行録である「雄弁の道」はシーア派における最も重要な経典の一つとなっている。(松本耿郎「アリー」大塚和夫、小松久男ほか編、前掲、85-86頁)
※訳注3:イスラーム法学における主要概念の一つ。監督権、守護責任、司牧権などの意味。一般的には、イスラーム共同体の指導者が共同体とその成員に対して持つ保護責任・監督権を指す。シーア派では、人間が神の代理として世界に対して負う監督権であるとされ、預言者にも与えられているとみなされている。この監督権はガディール・フンムにおける後継者指名(訳註前項参照)によりアリーに継承されたとシーア派はみなす。(松本耿郎「ウィラーヤ」大塚和夫、小松久男ほか編、前掲、192頁)
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:KT )
( 記事ID:56030 )