エルドアン大統領の国連演説
2023年09月20日付 Hurriyet 紙

エルドアン大統領の国連総会での演説が世界の注目を集めている。エルドアン大統領のヨーロッパに対する警告がフランスのメディアに取り上げられたほか、ギリシャメディアは「北キプロスの承認を」という(エルドアン大統領の)発言をトップニュースに取り上げた。イスラエルのメディアはエルドアンーネタニヤフ首脳会談について大きく報道した。アラブ系のメディアはこの会談について「重要な転換点である」と評価した。

エルドアン大統領は第78回国連総会で、演説を行った。

エルドアン大統領は全世界に向けて、(トルコのみが国家承認する)「北キプロス・トルコ共和国」(北キプロス)を承認するよう呼びかけ、「国際社会が、北キプロスの独立を承認し、外交的、政治的、経済的な関係を築くよう、呼びかける」と話した。

「一部の国家はテロ行為を見て見ぬふりをしている」とも話したエルドアン大統領は、「シリア、北アフリカ及びサハラ地域で代理戦争の道具と化されたテロ行為によって、脆弱性を急速に増す国際安全保障に対して、修正不可能なほどの被害が与えられている。」とした。

「世界は5か国(の国連常任理事国)より大きい」と話し、国連の改革を再度求めたエルドアン大統領は、「安全保障委員会はもはや世界の安全を保証していないどころか、5か国の政治戦略の衝突の場と化している」と訴えた。

このエルドアン大統領の演説を、世界のメディアが広く報道した。フランス24は、同氏の、イスラム嫌悪に対する警告を前面に報道した。

報道では、「エルドアン大統領は、西側諸国は、イスラム嫌悪も含めた差別主義の広がりに直面していると話した。」と報道した。

一方で、アラブ系メディアのアル・モニターは、エルドアン大統領が演説で、差別主義の広がりが受け入れ難いほどになってきていると話したことを強調した。

ロンドンに拠点を置くメディア、ミドル・イースト・アイは、「レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が、安全保障委員会の複数の欠点について言及しながら、『世界は5か国よりも大きい』(常任理事国のみに重要な決定を任せるべきではない)」とのスローガンを繰り返した」と報道した。

アメリカに本社をおくワシントン・エグザミナーは、「トルコのリーダーエルドアン氏が、国連安全保障委員会のあり方を批判し、『世界は5か国よりも大きい』と演説した。」との見出しをつけた。

ナショナル紙は、「エルドアン大統領、アゼルバイジャンの信頼のおける支援者であるトルコのリーダーは、旧ソ連が覇権を及ぼした地域を守ることを強調した」との表現を使用した。

インド中央局NDTVは「トルコのリーダーは、世界のリーダーたちに言及した演説で、カシミール問題に触れた」話した。

一方でギリシャメディアは、エルドアン大統領の、北キプロス承認への呼びかけをトップニュースとした。イ・カシメリニ紙は、「エルドアン大統領は、国際社会に対してキプロス・トルコ人の存在を認めるよう呼びかけた」と見出しをつけた。

同紙は、「レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が、国連総会での演説で、国際社会に対してキプロスの、トルコによる侵略の下にある北部を、独立国家として承認するよう求めた」と述べた。

イスラエルのメディアも、エルドアンーネタニヤフ首脳会談について報道した。ハアレツ紙は、「エルドアン大統領が、『イスラエルーサウジアラビア関係を支援することを表明する』と話したとの見出しをつけた。

ニュースでは、「トルコは2つの国家間の関係正常化に向けての努力に前向きな姿勢である」と言及した。

タイムズ・オブ・イスラエル紙の見出しは「ネタニヤフ首相が、トルコのリーダーの支援表明の後に、エルドアン大統領と、国交正常化について話し合いを持った。」であった。

報道では、二人のリーダーが、互いの国への将来の首脳訪問について合意したとした。

サウジアラビアに拠点を置くアル・アラビーヤは、以下のようにコメントしている。

「トルコのエルドアン大統領とイスラエルのネタニヤフ首相は、火曜日に初めて直接対面し、2国間関係が少しずつ発展する重要な変換点となった。」

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( 翻訳者:章由実 )
( 記事ID:56356 )