アルメニアの国内緊張、頂点に
2023年09月22日付 Hurriyet 紙


アゼルバイジャンがカラバフ地方で24時間で勝利を収めた影響が今なお続く中、アルメニアの首都エレバンでは緊張が高まっている。パシニャン首相を「裏切り者」と糾弾するデモ隊と警察が衝突し、反政府派はパシニャン首相が辞任するまで抗議行動を続けると発表している。

アゼルバイジャンはカラバフ地方で開始した反テロ作戦で大きな勝利を収めた。アルメニア人の分離派が停戦のために武装解除した後、カラバフ地方のアルメニア人の代表は昨日、アゼルバイジャンのイェヴラーフ県でアゼルバイジャン人の代表者と面会し、対話プロセスが開始された。

■アルメニアでは緊張がピークに

アゼルバイジャンの24時間以内の勝利が世界に報じられる中、アルメニアでは緊張がピークまで高まった。アルメニアの反政府派は、親アルメニアの分離派に対する支援がなかったとしてパシニャン首相の辞任を求め、反首相デモは昨日で3日目になった。

■デモ隊が警察と衝突「パシニャン首相が辞任するまで続ける」

首都エレバンでデモ行進を行っている反首相派は、議会建物を警備する警察に瓶や石を投げつけ警察と衝突した。

警察官らは議会建物を守るため音響爆弾を使用し、衝突の中でデモ隊の数人の身柄を拘束した。何人が身柄を拘束されたかについて、これまで公式な発表はなされていない。 

反政府派のリーダーは、パシニャン首相が辞任するまで抗議行動を続けると発表した。

■パシニャン首相に「裏切り者」コール

通りに集まった数百人のデモ隊は一斉にナゴルノ・カラバフのアルメニア語名である「Artsakh」というスローガンを叫び、彼らのプラカードには「ニコル(・パシニャン首相)は裏切り者だ」「戦わずして勝てない」というスローガンが書かれていた。

英・ガーディアン紙のニュースでは、デモ隊の1人がパシニャン首相を批判し「ナゴルノ・カラバフを失い、我が国の他の地域も失うかもしれない。戦わずして勝つことはできない。我々は皆、国のために命を捧げる準備ができているが、武器も同盟もない」と言い、他のデモ隊メンバーは誰もパシニャン首相に対して降伏という方向での指示はしていないとして「我が国を守ることについてまだ希望はあるが、まず初めに裏切り者から守る必要がある」と述べた。

■「一日戦争」

米・ポリティコ誌はこの対テロ作戦を「一日戦争」と評し、これがパシニャン首相に対する怒りを喚起していると指摘した。

ポリティコ誌は、アルメニアがここのところロシアとの間で「歴史的な破局」の瀬戸際にいると指摘し、最新の動向に対してパシニャン首相は自国の外務省すらも「裏切りにあった」という感情を隠しきれないと述べた。

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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:56362 )