北大西洋条約機構(NATO)の望みをトルコの決定に託しているスウェーデンで、ジェヴデト・ユルマズ副大統領の発言が話題になっている。ユルマズ副大統領は英紙フィナンシャル・タイムズの取材に応じ、「スウェーデンは、NATO加盟の支援をトルコから受けるためには、対テロにおいてさらに厳しい措置を取るべきだ」と語った。スウェーデンメディアはこの発言を受けて、「トルコが再び警告」という見出しを紙面に掲載した。
ジェヴデト・ユルマズ副大統領は、英紙フィナンシャル・タイムズの取材に応じた。
スウェーデンのNATO加盟について話したユルマズ副大統領は、「スウェーデンは、NATO加盟の支援をトルコから受けるためには、対テロにおいてさらに厳しい措置を取るべき」と述べた。
ユルマズ副大統領は同英紙への発言の中で、国会はこの件に非常に敏感だと強調した。
ユルマズ副大統領の発言は瞬く間にスウェーデンの最重要トピックになった。
Aftonbladet紙は、「スウェーデンのNATO加盟を承認するためのトルコの要求:対テロにおいてさらなる取り組みをすべき」との見出しを載せた。
同紙はトルコ大国民議会が本日開会したという情報を読者に伝え、「ジェヴデト・ユルマズ副大統領はフィナンシャル・タイムズに、国会はこの件に非常に敏感だと語った」と述べた。
同紙はまた、スウェーデンでの扇動デモが関係を緊張させたと認めたうえで、スウェーデン政府は、合意の自国にかかる義務を果たしたと信じていると伝えた。
報道では、「トルコ大国民議会が開会するが、スウェーデンのNATO加盟申請の承認は議題にない」と伝えられた。
ロシア隣国のフィンランドや他の北欧諸国は、スウェーデンがNATOに加盟していないことを長い間警告していた。しかし、プーチン大統領の命令によってウクライナで戦争が始まった後、ロシア政府の目論見はいうなれば裏目に出た。なぜなら、ウクライナ侵攻後、二国がNATO加盟申請を行ったからだ。スウェーデンとは対照的に、トルコの要求に応えたフィンランドは同盟の一員になった。
Dagens industri紙は、「トルコはスウェーデンにさらに多くのことを要求し続けている」との見出しを載せた。
同紙はユルマズ副大統領の発言に大きく紙面を割き、「レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領がスウェーデンの軍事同盟加盟の承認を認めたとしても、トルコ議会がイエスと言う必要がある」と述べた。
Expressen紙は「トルコが再び警告」という見出しを掲載し、次のようにコメントした。
「トルコは、スウェーデンが加盟するために、対テロのさらなる措置を期待している。」
同記事の中で、「専門家らは、トルコがスウェーデンのNATO加盟を承認するかどうかは定かではないが、長期プロセスになるかもしれないと話している」と述べられた。
歴史学者でNATO専門家のユッシ・ハンヒマキ氏はSvenska Dagbladet紙に、スウェーデンは加盟プロセスにおいて永遠に控室に留まる可能性があると語った。
元セキュリティアナリストのシモン・クレバリー氏はSvD紙の取材に応じ、トルコとハンガリーの現政権が続くかぎり、スウェーデンの加盟実現可能性は高いと話した。
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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:56401 )