トルコ、ガザの病院爆撃に3日間の服喪
2023年10月18日付 Cumhuriyet 紙
最新情報・・・公正発展党のオメル・チェリク報道官は、ガザで500人が命を落とした病院への攻撃のため、3日間の国喪が宣言されると発表した。
公正発展党のチェリク報道官は、ガザのアル=アハリ・バプテスト病院の爆撃で500人が亡くなったことを受け、大統領令で3日間の国喪が宣言されると発表した。
チェリク報道官の発表の主項目は以下の通りだ。
「イスラエルは自国の領土に住む人々へ生きる権利を与えていない。人々が生命の危機で避難する中、彼らを爆撃している。人々はここまではしないだろうと病院に避難するが、その病院をも爆撃している。これは世界最大の残忍な行為の1つとして考えられるべきだ。亡くなった人々に神の慈悲があることを祈っている。大統領によって3日間の国喪が宣言される。これは罪のない人々との連帯、我々が彼らと共にあるという表現である。この損失は我々の損失でもある。イスラエルは全ての人間的価値を殺している。
もちろん、ガザへの爆撃に対して、国際機関がいかにただ傍観しているかを、何日もの間目の当たりにしている。
双方の罪のない人々の命が標的にされる行動は、数年ごとに繰り返されている。この解決策は政治的にだ。この占領が終わらない限り、解決されることはない。」
■「空母の派遣は戦争を煽る」
大統領は、ここから他の方程式を導き出そうとする人々に対して、地域の平和を支持する展望を打ち出した。残念ながら、アメリカと西側諸国の最初の行動は地域に軍艦や空母を派遣することだった。
彼らは、これが紛争を煽ることになることを無視している。西側諸国の政府からの外交的なパフォーマンスは見られないという状況だ。彼らのした唯一のことはイスラエルの自衛について言及することだ。当該地域に軍艦を送ることは平和の視点ではない。
バイデン大統領の訪問によって、アメリカは注目の的となった。紛争を引きづり、無秩序状態となった。アメリカ国務相が宗教的観点から言及したのは洞察力のなさを表している。訪問した他の大臣も宗教的な属性に触れるなら、我々はどのように解決策を生み出すのか。アメリカは今まで、解決という視座に立ってこなかった。西側諸国もこの問題に取り組むとき、イスラエルには自衛権があると述べる。もちろん、全ての国に自衛権はあるが、ガザの人々の生きる権利をなくすことはできないという警告はない。イスラエルの自衛権は、子供たちを殺すことなのか。
■「ハマスによって発射された」
昨日投じられ病院へ直撃したミサイルがハマスから発射されたと言われている。アメリカ大統領もイスラエルではなく、他の者が攻撃したと述べている。人道性を欠いた言葉でこの攻撃に擁護がなされ、その後削除された。イスラエルの自衛権が語れるにつれ、この攻撃に対して沈黙を守る人々は、こうした行動の一部として記憶されるだろう。
ガザの狭い地域での虐殺に直面して、国際機関は沈黙を守った。事件当初からイスラエルの首相は表に出て、地図を書き換えると言った。自衛ではなく、地域をより大きな戦火に投じる計画の実現が述べられている。これ以外にどんな意味があるというのか。我が大統領はこの問題の全貌を知り尽くした最高の政治家である。政治的解決のための意志を表明した。軍事行動や、ガザでの地上作戦の傍観者になるのではなく、パレスチナの子どもたちが安心して眠ることができる展望が作り出されるべきだ。1967年の国境線の範囲内であれば、この解決策を実現することは可能だ。
■我々に対して、誰も「立場を選べ」と言えない
エルドアンはどちらかの立場を選ぶべきだという人々がいる。誰も我々にどちらかの立場を選ばせる権限を持っていない。我々に立場を選ばせる力は地上に存在しない。トルコ共和国は、自国の決定は自国で下す。大統領とトルコの立場は明らかである。公正な平和を支持している。人々の大量殺害や病院への爆撃に反対している。立場を選べと言う人々は、自身の立場が何なのかを評価すべきだ。
今行われるべきなのは外交的に働きかけることだ。さもなければ、このことから手にするものはない。イスラエルの行動に対して、この一部となってしまう。過激な行動がさらに助長されること以外に何も生まないだろう。
パレスチナとの連帯のために我が市民が広場に集まっていることは、我々が感謝を持って歓迎することである。我が国が人道的な支援物資を送る一方で、我が国民も広場に集まっている。配慮を示す全ての国民と、全ての党組織に感謝している。トルコ共和国が信頼の国であることを忘れてはならない。国民が治安部隊の助けになることを望んでいる。我が国にある全ての外交機関は、我が国の保障下にいるゲストである。上記の行為を行う際に、関係する国の領事館を物理的な攻撃の標的にすることはあってはならない。
ユダヤ国民を標的にした投稿も見かけるが、これらは間違っている。ガザのこの呪われた行動に対して、我々が求めるのは人命の損失が防がれることである。その裏では、政治的な解決が為されるべきである。これが、双方の市民が安全に暮らすことのできる唯一の方法である。
まず、誰もがガザへの地上作戦に反対しなければならない。イスラエルがガザを無人地帯にしようとしていることは容認できない。深刻な結果を招くことになる。近代史上最長期にわたる占領であることは忘れられるべきではない。国際社会は、これが世界に影響を与える問題であることを考慮するべきである。」
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( 翻訳者:伊永勇人 )
( 記事ID:56537 )