ハンガリー・オルバン大統領「トルコが必要」
2023年11月03日付 Cumhuriyet 紙
ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相は、ウクライナでのヨーロッパの戦略が「大失敗」であるとして「ヨーロッパで新しい安全を構築する時が来た。トルコは絶対にこの中に在るべきだ。トルコを欠いた長期間の平和は、ヨーロッパにとってあり得ない」と述べた。
オルバン首相は、オブザーバーの資格で参加した、カザフスタンの首都アスタナで開催中のトルコ系諸国家機構(TDT)国家首脳評議会第十回サミットにて演説を行った。
同首相は、ここ数か月間に浮き沈みはあったが、トルコ系諸国家にとって前向きな展開であったと話し、「ヨーロッパにはジレンマが生じている。ヨーロッパが政治面で困難に直面しているといえる。ヨーロッパの視点から世界の安全保障問題はかつてこれほど悪いことはなかった。冷戦以来これほど困難な安全保障状況に直面したことは無かった。」という表現を用いた。
また、一年以上続くロシア・ウクライナ戦争、中東での武力紛争、EU諸国に向けた武力脅迫、移民の波が、ヨーロッパの政治を困難にしていると強調し、ヨーロッパが経済とウクライナ戦争の問題で岐路に立っていると語った。
オルバン首相は、ヨーロッパでは経済政策の点で様々な意見があると指摘し、「ヨーロッパの利益となるものは何か?一つの世界的な経済ブロックを構築するのか、あるいは異なる経済圏とのつながりを強化するのか?あるグループによれば、ブロック形成が求められている。まずヨーロッパとロシアの経済協力は打ち切られた。現在は異なる考え方がされている。こうした関係は中国とも[関係を]制限することが望まれている。これを『リスクケア』と言っている。別の構想もあり、ハンガリーはこれに近い。我々は連携を強化しようという。私たちは互いに依存している。私たちはお互いを必要としている。競争力を持てるために為すべきことがある。ハンガリーは次のことを信じている。将来的には、世界的な結びつきを高め強化する必要があると。」述べた。
オルバン首相は、ヨーロッパ諸国間にある、ロシア・ウクライナ戦争問題の意見の相違を次の言葉で説明した。
「ロシア・ウクライナ戦争は私たち全員に直接関係し、リスクがある。戦争が始まってから一年半が経った。これまでの欧州の戦略は大失敗である。ヨーロッパはウクライナ人が戦うことを求めている。ヨーロッパは武器と支援を提供したいと考えている。彼らは、『ウクライナは戦線で勝利し、ロシアは負け、モスクワは変わり、そして新しいロシアの指導者が現れ我々はその人物と交渉するだろう』と述べる。これは賢明な計画だろうか?少し踏み込み過ぎであり、しかし実現するとは思えない。実際にこれはうまくいかなかった。」
一部の国が「これまで通り続けよう」と言い、一部は「もう十分だBプランの時だ」と述べているとしたオルバン首相は、「500億ユーロがウクライナに与えられている。ヨーロッパ諸国のほとんどが次のことを信じている。以前に崩壊した戦略を継続すべきであり、私たちは資金支援を継続するつもりであると。このことは議論されており、ヨーロッパ諸国では非常に緊張が高まっている。この議論は、あと2カ月は続くと思う」と述べた。
同首相は、ハンガリーが、ウクライナ戦争の停止、及びウクライナも満足する新たなヨーロッパ安全保障計画の策定に賛成していると述べた。「ヨーロッパで新しい安全保障の構築の時が来た。トルコは間違いなくこの中にいるはずだ。トルコを欠いた長期間の平和は、ヨーロッパにとってあり得ない」と述べた。
オルバン首相は、ヨーロッパで安全保障を再構築することに賛意を示した点でレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領に感謝した。
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( 翻訳者:鈴木敬人 )
( 記事ID:56642 )