歴史的な合意について一面で取り上げたギリシャ各紙は、エルドアン大統領の訪問について見出しに「ウィン・ウィン」あるいは「徐々に」などといったトルコ語の単語を使用した。タ・ネア紙はトルコ語の6つの単語を一面に記載し「キーワード」と評した。
トルコ・ギリシャ間の新たなページが公式に開かれたこの訪問では、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相がアテネ宣言に署名した。エルドアン大統領による歴史的な訪問は、トルコ・ギリシャ関係の将来の政治的基盤を形成する文書という結果に終わった。
「友好的関係と良い隣国関係に関するアテネ宣言」を正式名称とするこの文書は、トルコ・ギリシャ間で93年ぶりに調印された最も重要な合意の1つだ。実際に、ギリシャのミツォタキス首相は1930年に当時のイスメト・イノニュ首相とエレフテリオス・ヴェニゼロス首相の間で調印された友好条約に言及し、アテネ宣言の歴史的な重要性を強調した。
エルドアン大統領のアテネ訪問の最初から最後まで全てを詳細に、リアルタイムに報じたギリシャ・メディアの今日の見出しには、期待されたとおりにトルコとエルドアン大統領があった。
カティメリニ紙は「エーゲ海の穏やかな波が強固になった」という見出しで、エルドアン大統領とミツォタキス首相が笑顔でアテネ宣言の文書を手に持っている写真を掲載した。中面には「恒常的な平和に繋がる」という見出しで、現状の基本的な特徴が議題に上がっていたと強調した。カティメリニ紙は、エルドアン大統領とミツォタキス首相が来年の春と7月にあと2回面会することに合意したと報じた。
卜・ヴィマ紙は「エルドアン大統領の訪問の翌日―和解に向けた道のり、2024年のとても重要な会議」という見出しで、アテネ宣言によりトルコ・ギリシャ関係の原則とマイルストーンが示されたとコメントした。アテネでの会談は良い雰囲気の中行われたと評した卜・ヴィマ紙は、会談に出席した人の「エルドアン大統領の違った面を知った」というコメントを紹介した。
■6つのキーワード
ギリシャのミツォタキス首相が遅くとも2024年4月もしくは5月にアンカラを公式訪問する予定だとしている卜・ヴィマ紙は、エルドアン・ミツォタキス両氏が7月にアメリカの首都ワシントンDCで開催されるNATOサミットでも会合を行うと報じた。
別のギリシャの新聞であるタ・ネア紙は「ミツォタキス・エルドアン会合―キーワードと内容の解説」という見出しで、第一面にギリシャ語・トルコ語の次の単語を列挙した―平穏、エーゲ海、少数派、ラブリオ、キプロス、ローザンヌ
同紙は中面に「良好な隣国関係の宣言と、アンカラでの新しい予定」という見出しを載せた。アテネ訪問の際、カメラの前ならびに舞台裏でどのようなことが話し合われたのかについて詳細に報じた。
エルドアン大統領の訪問について何度も報じて読者に伝えたエトノス紙の見出しの1つは「そして…突如笑顔になった。生じた希望と、ミツォタキス・エルドアン会談のたった1つの『グレーな』ポイント」だった。同紙は、この訪問をトルコのメディアがどう取り上げているかについて紙面に記載した。
■「ウィン・ウィン、徐々に・徐々に!」
野党系の新聞の1つであるエフィメリダ・シンタクトン紙は、エルドアン・ミツォタキス両氏について「二人のやり取りはウィン・ウィン、外交面では徐々に戦略を実行した」と評した。同紙は「ウィン・ウィン」ならびに「徐々に」という単語をトルコ語・ギリシャ語で記載した。
政府寄りのエレフテテロス・ティポス紙は「両国関係が新しい時代に入り、最初の一歩が踏み出され、歴史的なアテネ宣言が署名された」と評した。同紙は、記者会見でミツォタキス首相が「両国を共に並べる責任がある」と、エルドアン大統領が「我々の間に解決できない問題はまったくない」と述べたことを強調した。
経済紙のナフテンボリキ紙は、エルドアン大統領のアテネ訪問について次のように評した。
「エルドアン・ミツォタキス両氏は15個の異なる協定に署名し、新しいダイナミズムが生まれるきっかけを作った。トルコ・ギリシャ間で、投資・交通・エネルギーの分野での重要な部分で協働がなされる」
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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:56852 )