スウェーデンのNATO加盟承認、トルコ国会外務委員会で承認
2023年12月27日付 Hurriyet 紙


スウェーデンのNATO加盟手続きが賛成多数で可決されたことをスウェーデンとNATOは歓迎した。スウェーデンの報道機関は最終的な決定はトルコ大国民議会によって下されると訴える一方で、注目はNATO加盟に反対する最後の国であるハンガリーに向けられたと述べた。

トルコ大国民議会の外務委員会はスウェーデンのNATO加盟手続きを検討するため昨日、開催された。ブラク・アクチャパル外務副大臣はスウェーデンがNATOに加盟する流れを説明し、スウェーデンが取った措置に触れた。[委員会内の]国会議員たちも意見を述べた。議論の後、採決が行われた。スウェーデンのNATO加盟手続きは賛成多数で可決された。

■スウェーデンとNATOは満足

スウェーデンのNATO加盟手続きがトルコ大国民議会の外務委員会で可決された後、スウェーデンのトビアス・ビルストロム外務大臣はSNSを通じてこの結果にコメントした。同外務大臣はトルコの外務委員会の決定を歓迎すると表明し、「次の段階はトルコの国会での採決である。NATO加盟を本当に楽しみにしています。」と述べた。

NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長も、トルコ大国民議会外務委員会の決定を歓迎すると述べ、トルコとハンガリーがスウェーデンのNATO加盟に関する手続きを出来るだけ早くに完了するものと信じていると述べた。

■最重要の話題の一つとなった

トルコの決定は世界及びスウェーデンのメディア双方においても最も重要な話題の一つとなった。アメリカのニューヨークタイムズ紙はスウェーデンがNATO加盟に一歩近づいたと強調し、スウェーデンがこの決定を歓迎していると明らかにした。

イギリスのガーディアン紙は、トルコがスウェーデンのNATO加盟を認めたが最終決定は国会の議決にかかっていると記し、ブルームバーグ紙は「トルコの外務委員会がスウェーデンの軍事同盟への加盟手続きを承認し、スウェーデンにとって残る最後の障害の一つを取り去った。」と表現した。

アル=ジャジーラは19ヶ月にも及ぶ遅れの中、スウェーデンがNATOに一歩近づき、そしてこれが同盟の拡大にとって重要な一歩であると報道した。

■最後ではないが明確な一歩

外務委員会の決定の後、スウェーデンのメディアでは喜びは抑制的であった。

スウェーデンのテレビ局のSVTはトルコがNATO加盟を認め、議論の場が国会に移ると明らかにした。この問題に関して論評したストックホルム大学、トルコ研究所のポール・レヴィン所長は、これが最後の段階ではないが、スウェーデンにとって正しい方向の明確な一歩であると強調した。

[スウェーデンの民間メディア会社である]TV4はスウェーデンのNATO加盟に関する議決は最も早くて12月29日に行われることに注目し、トルコが加盟を承認した場合、最後の障害はハンガリーとなると報道した。

ヨーテボリ・ポスト紙は「トルコがスウェーデンに賛成も、決定へは時間がかかる可能性も」との見出しで報道し、最終的な決定が下される議会投票の明確な日程は決まっていないと掲載した。

アフトンブラーデット紙も記事の中でポール・レヴィン所長のコメントを掲載した。「スウェーデンのNATO加盟にはまた講じられるべき幾つかのステップがある。したがって、歓迎というにはまだ時期尚早である。」

■視線はハンガリーに

トルコが承認した後、スウェーデンとNATOの視線はスウェーデンのNATO加盟を承認していない、もう一つの国であるハンガリーに向けられた。

西側メディアの分析によれば、ハンガリー政府はスウェーデンがハンガリーに対して敵対的な態度をとっていると考えている。その根拠は、スウェーデンが行った発言の中で顕著となった、オルバン政権下で法の支配が損なわれているとの批判が挙げられている。加えて、ハンガリーはスウェーデンの政治家たちがハンガリーについて「明確な虚言」と述べていると主張している。

ハンガリー政府はスウェーデンとフィンランドの加盟プロセスに関する草案を7月に議会に提出したが、オルバン首相が所属する政党のフィデスが議席の3分の2を占める議会では議案として取り上げられなかった。

ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相はがここ数ヶ月に行った説明の中で、スウェーデンのNATO加盟が議会で承認を要する、単なる技術的な問題であると明らかにし、自国がスウェーデンを承認する最後の国になることはないと主張しているが、ハンガリー議会では採決が何度も延期されている。

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( 翻訳者:伊藤颯汰 )
( 記事ID:56994 )