今年最終週の大国民議会委員会では、スウェーデンのNATO加盟が承認された。続けて、大国民議会総会で議決がなされる。このプロセスでは、トルコによるアメリカからのF-16型戦闘機40機の購入についても議決がなされる見込みだ。今後、どのようなプロセスが予定されているのか?
CNNトルコのアンカラ特派員ディクレ・カノヴァ氏が、舞台裏に関する情報を報じた。トルコ・アメリカ間の関係においては、スウェーデンのNATO加盟は、F-16に関するプロセス、イラク・シリア・イスラエルを軸とした情勢と切って離せないものであり、テロとの戦いにおける最も重要な要素だ。しかし、私の考えと今後予測されることを要約してみたい。
スウェーデンのNATO加盟には2カ国の承認が必要だ。1つはトルコであり、もう1つはハンガリーだ。そして、今のところ両国とも国会が休みに入っている状態だ。TBMM(トルコ大国民議会)は1月16日まで休みだ。ハンガリーの国会は2月19日まで休みに入っている状態だ。このため、スウェーデンのNATO加盟の承認は両国の国内法によって2月中旬を待たねばならない。
TBMMでは、アメリカ・バイデン大統領とエルドアン大統領の間で12月14日に行われた電話会談の後に新しい具体的な進捗があった。スウェーデンの加盟プロトコルは外務委員会にかけられ、承認された。現在は総会の手前で止まっている。このプロセスの後、アメリカ・ブリンケン国務長官がトルコのハカン・フィダン外相と電話会談を行ったことに触れておこう。
実際のところ、アメリカは12月31日より前にプロトコルが大国民議会で承認されるという方向で予想していた。しかし、議会の運営という観点でこれは不可能だった。現在は1月16日以降に照準を切り替えた状態だ。
私が得ている情報によると、このプロセスはアメリカからのF-16型戦闘機購入の承認と同時に進められることになっている。しかし、誰がどの進捗をどの段階で行うのかについては、未だにアメリカ政府との間で議論がなされている。何について歩調を合わせて進めるのかについては未だに合意がなされていないと私は見ている。
バイデン大統領がエルドアン大統領との電話会談で発した明確なメッセージがある。それを振り返っておこう。F-16型戦闘機に関する進捗についてポジティブな観点があり、これに関して議会に提案する準備ができていると強調した。よって、大国民議会総会がスウェーデンに関するプロトコルを承認した後、バイデン大統領がNATO委員会に戻りいくつかの具体的なメッセージを発する可能性があると言われている。その後は、アンカラで官報が発行され、承認がNATOに通達される段階に入る。
■決定的なポイントは次の通り
・アメリカ政府はNATO委員会に対し、F-16戦闘機の購入オファーをいつの段階で提出するのか?
・バイデン大統領が議会での可決の後、NATO委員会に対してメッセージを発することはトルコにとって十分かどうか?
なぜなら、長年にわたって数多くの件についてアメリカ政府は「NATO委員会に対する我々の権限はない」「政府と委員会は別々」という言葉を使っていた。現在、あらゆる場面で「脱・委員会」と言われることは明確に説得材料ではない。なぜなら、過去にこの件に主に関係がなく、おそらく地域政府との間で関係があった物事に対して、NATO委員会の進捗はとても遠ざかり、承認を得ることができず、遅延などの数多くの制約が発生したためだ。このため私の見解では、トルコが承認した期間は十分ではなかった。異なるやり方が話し合われている。これをアメリカ政府が進めていることは明らかだ。よって、アメリカ政府が大国民議会総会の段階で具体的に何かを進めるという期待がトルコにはある。
■プロセスはどのように進められる?
トルコはF-16型戦闘機の最新機種40機の供与を望んでいる。よって、米国国務省がこれに関するオファーをNATO委員会に公式文書として送る予定だ。NATO委員会ではこれに関して、今日までの進捗を見るに、会議が実施され評価・議論がされるとは予想されていない。反対する上院議員がいれば、このような結果にはならない。しかし、1つも反対がなければNATO委員会を自動で通過し承認されると見られており、このための時間は明らかに十分ある。さて、これらのプロセス全てがどのようなスケジュールでなされ、この公式文書がいつ国務省からNATO委員会に送られるのか…。これらすべてがトルコ・米国政府間で今も議論されている。コミュニケーションもより間隔を縮めて行われることが期待される。
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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:57021 )