エスファンド月[イラン暦12月(西暦2月20日〜3月19日)]が半ば過ぎる頃、サナンダジの街でノウルーズ[イランのお正月]のお祭りが催される。住民が参加してノウルーズの伝統行事を開催するために、村人たちは仕事に取りかかる。その行事の多様性と魅力ゆえに、ノウルーズがユネスコ世界遺産に登録された後しばらくして、サナンダジはノウルーズの世界的な都として紹介されることとなった。
【ハムシャフリー電子版】サナンダジでの今年のノウルーズ行事は、ラマザーン月と時期が重なったことから、特別な雰囲気に包まれている。ミールノウルーズィー、ハーンチェイェ・アルース(記事の後半部分を参照)、年始回り、地域固有の遊びといった行事は、コルデスターン州のノウルーズに特徴的な慣わしの一部である。
◇春を迎える
エスファンド月の中旬ごろ、ノウルーズを迎える行事がコルデスターン州サナンダジの村々から始まる。オラーマーナートの観光地に位置するチャシュミーダル村の村人たちは、村の標高が海抜より低いことから、植物の芽吹きがより早く、この植物の芽吹きはノウルーズのお祭りの始まりを意味する、と古くから信じてきた。このために、ノウルーズのお祝いが他の村よりも早く行われるのだ。火を焚くこととクルドのハルパルキー[フォークダンスの一種]は、この地域のノウルーズ祭りの主要な行事であり、住民たちは色とりどりの民族衣装に身を包み、このお祭りを開催する。ノウルーズのお祭りは、年末に近づくにつれ、他の村でも開催されるようになる。クルド研究者のモハンマドアリー・ソルターニー氏は、このように述べている。「コルデスターン地方で行われている、火を焚いてその周囲に集まり、それを囲んで踊るという風習は、世界でもザーグロス山麓やクルド人居住地域でしか見られない、最も古く、最も歴史あるノウルーズ祭りの祝い方の一つである。」
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( 翻訳者:SK )
( 記事ID:57622 )