エルドアン大統領、ドイツ大統領と会談
2024年04月24日付 Cumhuriyet 紙


レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、ドイツ連邦大統領であるフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー氏をトルコ大統領官邸にて公式式典で出迎えた。両首脳は会談の後、記者会見での発表に臨んだ。エルドアン大統領は、「イスラエルとの貿易関係は」との問いに「密接な貿易関係はもはや維持していない。このことは終わった。それを我々の貿易大臣が発表した。」と述べた。

トルコへやってきたフランク=ヴァルター・シュタインマイヤードイツ連邦共和国大統領は、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領により公式式典にて出迎えられた。エルドアンとシュタインマイヤー両氏は会談を実施した。両首脳の会談の後、共同記者会見が開かれた。

◾️防衛産業の制限をもはや我々の議題から外さなければならない

報道関係者の皆様、心よりご挨拶申し上げます。トルコをよく知る親愛なる連邦大統領は我々の国を数多く訪問してくださいました。私はトルコとドイツの友好が発展してゆくことを信じています。また、閣下が我々の友好関係を進歩させることに同意してくださったことを喜ばしく思います。昨年2月6日(トルコ・シリア大地震)の際の連帯も重ねて感謝します。また、ガズィアンテプへの訪問にも感謝します。私たちは多次元の関係について論じ合いました。私たちは安全保障から経済まで、あらゆる分野で密な関係にあります。私たちは500億ドル規模の経済関係を600億へ成長させることを目標にし、防衛産業の制限をもはや当面の課題から外してしまいたいと考えています。これからは障壁ではなく、共同生産について話し合うことに期待を寄せています。観光業での協調は発展しています。ドイツから600万人を受け入れました。この数字がさらに増加すると信じています。

◾️テロ組織との闘争における協働の必要性がある

63年で、トルコ人コミュニティは異郷居住者の立場を出てドイツで重要な役割を担い始めました。我々トルコ国民が文化・芸術から科学に至るまで、あらゆる分野で成功を収めることを目の当たりにしています。障壁を一つ一つ乗り越えながら、人間の架け橋という務めを果たす我が国民たちを誇りに思っています。私たちはドイツにるトルコ人に関わる話題も論じました。二重国籍を可能とした法律を重要な措置と見なしています。ドイツ国内で台頭しつつある嫌イスラーム組織に関する我々の懸念は益々高まっています。ゾーリンゲンに似た襲撃では4人の同胞が犠牲になりました。事件が完全に解明されることに期待しているという思いを共有しました。

私たちはテロ組織との闘争についても言及しました。より積極的な協働の必要性があります。私は協力を期待しているということを表明しました。トルコとEUの関係についても議題に上がりました。私たちは講じられるべき措置について論じました。連邦大統領と世界情勢について話しました。私はガザでの不正終結の呼びかけを繰り返しました。ネタニヤフ首相は地域全体の安全を脅かしています。虐殺を議題から外そうとする試みは評価されるべきではありません。平和に対する脅威が高まっていることは、みなが意識しています。先週イスラエルとイランの間で高まった緊張はその最も顕著な例です。この苦しみは世代が下ったとしても忘れられることはないでしょう。私たちは当初から揺るぎない勇敢な態度を取ってきました。その後も支援を届けるために努力を続けていきます。EURO2024はドイツで開催され、我々トルコのチームも参加する予定です。我がチームの健闘を祈っています。

◾️イスラエルとの貿易は終わった

(イスラエルとの貿易問題の質問を受けて)密接な貿易関係はもはや維持していません。ことは終わりました。それを我が貿易大臣も発表しました。今やイスラエルによるガザでの攻撃で死者数は4万5千人にのぼります。この数字を等閑視することはあり得ないことです。ガザでは痛ましい光景が広がっています。ドイツの同胞のみなさんはこの痛ましい光景に目を向ける必要がります。ガザは荒廃した状況にあります。しかし全西側諸国はイスラエル側にたっています。[イスラエル]攻撃に対してガザのそういった可能性はありません。我々は現在人質交換に向けて努力している最中です。この交換がうまくいくことを祈っています。

◾️シュタインマイヤードイツ連邦大統領の発言

ここでトルコのゲストとしていられることを嬉しく思います。あなた方の素晴らしいおもてなしを体験しました。私たちの密な会談は役に立ちました。私たちは2018年に貴殿の訪問を受けた後、2回会談を行いました。一回目は2年前にロシア‐ウクライナ戦争の直前でした。そして二回目の会談はベルリンで1カ月前、ハマスの攻撃の1カ月後のことでした。この二つの出来事は私たちが危険に瀕した時代を生きているということを示しているのだと思います。両国の関係は長い過去に遡ります。私たちの外交関係が100周年を迎えることは重要なことです。

特に、人的関係は私たちのつながりを特別なものにしています。世界でドイツとこれほど密で、友好的で、家族のような関係をもつ国は他にありません。今から四世代前に外国人労働者募集協定を1961年に結んで以降、約300万人のトルコにルーツを持つ人々がドイツで暮らしています。彼らが紡いだ物語は私たちの国を形作っています。政治・経済・文化の分野において、この世代の人々の代表者たちが今回の訪問に同道しています。100年前に各専門家たちがドイツの貧困から逃れてトルコへ向かいました。ナチス政権下のドイツで多くのユダヤ人もトルコに向かいました。今日もアンカラでの会談で新たな情報を得ました。私たちの歴史的なつながりは非常に今日的なものです。1年前のトルコ南東部で起こった地震でもこのことを経験しました。ドイツから支援が届けられました。

◾️関係をさらに発展させなければならない

私たちは経済の視点から、困難な時代の中にあります。両国の関係をさらに発展させなければなりません。トルコとEU間の関係についても、報道の自由と法の支配という原則はかなり重要と言えます。

100年続く両国の関係がより強固なものになるよう祈っています。世界には流動しながらも自信に満ちた新興国が登場しています。トルコとドイツは唯一の協力者ではありませんが、私たちは二つの国としてお互いにかけがえのないものです。特に、中東で劇的な事態が展開した際には情報交換は欠かせません。私たちはキプロス問題についても論じました。ロシアによるウクライナへの攻撃も重要な問題です。アメリカからの援助も話題になっています。トルコもウクライナへ支援を行っていることは承知しています。私たちはこの支援を継続していく予定です。この他に、数週間後にドイツは[ウクライナ]復興会議に親愛なるエルドアン大統領をご招待します。

ハマスは今回の残忍な攻撃で、イスラエルの1200人の女性や子供を殺害しました。300人の人質を取っています。我々の見解では10月7日の攻撃がなければこの戦争は始まりませんでした。私たちはガザの人道状況をたださねばなりません。この問題ではトルコは重要な務めがあります。我々は地域の関係性を行使せねばなりません。[これが]人質が解放され、この問題がエスカレートしないための前提条件です。この時期にトルコとドイツの関係を再び加速させる必要があります。

(イスラエルへの支援問題の質問)我々は[国際]法廷の面前で、この件でドイツの支援が虐殺に寄与しているという印象を与えていることに、働きかけを行っています。弁護士ととも我々の立場を訴えています。

◾️ドイツの差別主義者による襲撃

エルドアン大統領とともにこのことを論じました。話題にした事件は私も、あなたと同じくらいに悲しく思っていると言いました。私はゾーリンゲンの事件の追悼式典でスピーチを行いました。犠牲者の親族も出席しました。これほど効果的な行事の後に、似たような事件が起こってしまうとは考えられませんでした。新たな襲撃が起こったのです。ドイツの治安と司法当局はこの犯人に相応の処罰を与えるでしょう。

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( 翻訳者:橋本響 )
( 記事ID:57760 )