ペルシア湾鉄道路線の列車がカスピ海に到着 南北輸送回廊におけるラシュト・カスピアン鉄道の役割
2024年06月22日付 Hamshahri 紙


 ラシュト・バンダルカスピアン鉄道路線の運行により、ペルシア湾・カスピ海間が鉄道で結ばれることとなった。もちろん、南北回廊はラシュト・アースターラー鉄道路線の建設をもって完成することとなるが、現時点においても、この回廊はユーラシアに向けたトランジット輸送に効果的なものとなり得る。

【ハムシャフリー電子版】南北輸送回廊(NOSTRAC)は、インドからヨーロッパまでの物資輸送にかかる時間を45%削減すると同時に、輸送コストも30%削減可能な戦略的で、人気のあるルートである。このルートにおける最も利益のあがる輸送方法は、船と鉄道を組み合わせたものであり、イランにおけるその鉄道の区間は、国内最南端のバンダルアッバースから始まり、国内最北東端のアースターラーまで延伸される。ラシュト・カスピアン鉄道は、ラシュト・アースターラー鉄道の運行開始まで、この回廊の輸送貨物を担うこととなる。

 もちろん、この回廊の枠組みの中には、チャーバハール港などの他の鉄道ルートも存在しており、それらが全国の鉄道網に接続することで、より多くの場所からの貨物を受け取り、そして輸送することを可能にするだろう。

 その一方で、イランとロシアの協力による全長162.5キロのラシュト・アースターラー鉄道は2つに分けられて建設されているが、この部分の複雑さにより、このルートの短期間での運行が不可能なものとなっている。この状況でのラシュト・カスピアン鉄道の運行は、南北輸送回廊のミッシングリンクを完成させるものではないが、しかしこの回廊の能力を限定的な局面においてではあるものの、活性化させうるだろう。


◆南北輸送回廊の恩恵を受ける者

 南北鉄道回廊の最終目的地はフィンランドのヘルシンキ港とドイツのハンブルク港であり、このルートではアゼルバイジャン共和国やジョージアの港、ロシアのアストラハン港、モスクワをも経由し、スカンジナビアの北欧諸国に至る。この回廊の起点はまた、極東アジアの全ての重要な港にあると言うことができ、タイ、中国、インドからイランの隣国であるパキスタンに至るまでの港が含まれている。

 現状、世界の東西を結ぶ物資の貿易は、インド洋−紅海−スエズ運河−地中海の海上ルートを通して行われ、さらに長いルートにおいては、アフリカ大陸を迂回しつつ、大西洋を経由して、ヨーロッパやアメリカに物資を運ばなくてはならない。

 この一方、南北輸送回廊を利用すれば、東アジアや北欧の港で荷物を積み込んだ後、商業貨物をより迅速かつ低コストで、目的地に運ぶことができる。この回廊における鉄道ルートの完成が、成功の重要な鍵となっている。概算によると、南北輸送回廊により、アジア・ヨーロッパ間の貨物輸送時間を45日から25日に短縮することができ、輸送コストも30%削減することができる。



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( 翻訳者:TS )
( 記事ID:58243 )