カイセリでシリア人児童への性暴力発生後に報道規制
2024年07月01日付 Medyescope 紙


カイセリで外国籍の人物が児童へ性暴力を起こしたという主張が暴力的事件の原因となった。この訴えが広がると同時にカイセリ市に暮らしているシリア人の家や職場が標的とされた。児童への性暴力を行ったとの理由で、カイセリで容疑者が逮捕された。事件に関連して67人を拘束し、児童は行政に保護されている。このニュースにつき報道規制が敷かれた。エルドアン大統領は事件に関して、「蛮行によって通りが火の海なるのは認められない。」と述べた。

カイセリで外国籍の人物が女児に対する性暴力を起こしたという主張は、カイセリの街で緊張を生み出した。この主張が広がったことで、エスキシェヒル・バーラルとして知られているダニシュメントガーズィ地区で通りに溢れた怒りの群衆は、ここで生活しているシリア人の家や職場を標的にした。家族社会サービス省は、子どもと家族が行政の保護に入り、犯罪者が最も重い刑に処されるため起訴されようと明らかにした。エルドアン大統領はというと、事件に関して「蛮行によって通りが火の海になるのは認められない。外国人敵視を煽って、一箇所に集まってはいけない。」と述べた。事件後に児童に性暴力を行ったという理由でカイセリで拘束されていた外国籍の容疑者が逮捕された。

事件は、多くのシリア人が暮らしているエスキシェヒル・バーラルで発生した。内務省からの発表では、「昨晩、カイセリのメリキガーズィ区、エスキシェヒル・バーラル地区でシリア国籍のI.Aという名前の人物が、親戚であるシリア人の女児に性暴力を起こしたため、周囲の人々によって捕らえられ、警察に引き渡された。事件に関する捜査がすぐに始まった。」と述べた。発表では、事件に関与した67人が拘束されたとし、外国人敵視は受け入れられない、と強調された。

■容疑者が逮捕

シリア国籍の女児性暴力を起こしたという理由でカイセリで拘束されたシリア人容疑者が逮捕された。

■県庁から会見

カイセリ県庁もカイセリ市で発生した事件に関する発表を行った。発表では性暴力を受けた女児と逮捕された人物はシリア国籍であることが明らかにされた。

■家族社会サービス省から発表:「専門家チームによって子供と家族への精神的な支援のプロセスを始めた。」

家族社会サービス省は、カイセリのメリキガーズィ区で、昨晩、事件の原因となった7歳のシリア人女児への性暴力に関して発表を行い、子どもとその家族が行政の保護下に入ったとし、「子供と家族に対する精神的な支援のプロセスが始まった。省として裁判の過程に関与し、容疑者が最も重い罪を受けるのを注視していくだろう。」述べた。

同省から出された書面での発表では次のようなことが書かれていた。
「事件が警察に移行してすぐに、本省の県支部は、迅速に行動を起こした。被害者の女児、兄弟、母親は警察での手続き後に行政の保護下とした。専門家チームによって子供と家族に対する精神的な支援のプロセスが始まった。省として裁判の過程に関与し、容疑者が最も重い罪を受けるのを注視していくだろう。」

■報道規制が敷かれた

発生した事件に関する報道につき、カイセリ第2初等刑事裁判所によって報道規制が敷かれた。裁判所の決定では「被害者とその家族の健康を守り、事件後に増加している社会的な事件を防止するため、発生している社会的な事件と被害者の少女の映像を含む形で、映像・ソーシャルメディアとインターネット環境で活動するメディアにおいて、あらゆる情報、ルポルタージュ、批判、これらに類いする放送を行うことが捜査段階が終了するまで禁止された」と発表された。

裁判所は、捜査資料に関しても制限する決定を下した。

■内務省の発表:67人を拘束

内務省も事件に関する発表を行った。発表では「昨晩、カイセリのメリキガーズィ区、エスキシェヒル・バーラルでシリア国籍のI.Aという名の人物が、親戚であるシリア国籍の女児に性暴力を起こしたため、周囲の人によって捕らえられ警察に引き渡された。事件に関してすぐに捜査が始まった。」と述べた。

発表は次のように続いた。「しかし、その後、人々がこの地域に集まった。人道的な価値観にそぐわない態度で不法行為を行い、シリア国籍の人々の家や職場、車などを傷つけた。そのような行動に対して警察が干渉した際に67人が拘束された。

集まった群衆は2時に解散した。トルコは、法治国家である。治安部隊は全ての罪と罪人との闘いを過去同様今日も続けている。崇高なトルコ司法界は、罪を犯した者に相応の罰を与える。人々が、公的秩序、安全、人権を顧慮せず周囲に被害を与えることは認められない。私達の信仰や文明的価値では、敬愛する国民の履歴に記されていない外国人敵視を許しはしない。」

■エルドアン大統領から発表、「蛮行によって通りが火の海なるのは認められない」

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、カイセリで発生した事件に関して話した。「蛮行によって通りが火の海なるのは認められない。」と述べたエルドアン大統領は、社会の中で外国人敵視と難民への憎悪を煽ってもいかなる成果も生まないと強調した。同大統領は、「政治的勝利のために憎悪の手法に訴えかけるのを無能と見ている。」と述べた。

エルドアン大統領は、野党に責任を被せて、次のように続けた。
「昨日、カイセリで小さなグループが起こした事件の原因の一つが、野党のこうした毒の入った言説である。誰であっても蛮行を行い、通りへ火を放つことは認められない。差別、周縁化の憎悪の言葉で人々を敵視することは、公正発展党の施政では認められない。」

◾️カイセリ県警本部長アタヌル・アイドゥン「被害者はトルコ人ではない」

カイセリ県警本部長のアタヌル・アイドゥン氏は、現地を訪れて発表を行った。発表では、暴行を受けたと言われる児童は「トルコ人ではない」とし、「当人と家族に関し国外[退去]を含むあらゆる処置の際に、皆さんにお約束する」と述べた。

「皆さんは反発を示された。皆さんのことを理解した。メッセージを受け取った。今後皆さんが行うあらゆる行動は皆さん自身の問題に帰されることになる。ここでの被害者はトルコ人ではない。目下、容疑者は拘束中である。被害者の健康に関わるいかなる問題も見受けられない。当人と家族に関し国外[退去]を含むあらゆる処置の際に、皆さんにお約束する。一週間後にまたこの地区に来る。この事件に関してどう対応したか説明しよう。どうか家族を連れて、家に帰ってください。私たちは必要なことを行います、約束します。」

◾️カイセリでは8万人以上の避難民が暮らしている

内務省に付属する移民局のデータによると、カイセリで暮らすシリア出身の不法移民の数は2024年6月20日時点で8万3118人である。同市で滞在許可を得ている外国人の数は6076人と公表された。

◾️議員、政治家のメッセージ

カイセリで児童への性的暴行が噂になったのちに始まった事件に関して、とりわけ同市の議員である政治家たちがメッセージを発表した。善良党所属のカイセリ選出国会議員ドゥルスン・アタシュ氏はもう耐えられないとして「我が国、我が街にはシリア人はいらない」とメッセージを発した。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:58260 )