ドイツ二重国籍選択開始、63万人がトルコ国籍取得
2024年07月14日付 Milliyet 紙

ドイツで6月27日に施行された新法により二重国籍への道が開かれた。人口・住民登録局のタシャパン局長は、63万人がドイツ国籍を保持したままトルコ国籍を回復することになるだろうと述べた。

ドイツで二重国籍を容易にする「国籍法の近代化法」が6月27日に施行された。この改正で同日からドイツ国籍と同時に他国籍を保有できるようになり、他国籍を取得することでドイツ国籍が自動的に失効されるという運用が撤廃された。
特に出生時点で複数国籍を有する者が成人時にドイツ国籍か他国籍かのいずれかを選択しなければならないという義務はなくなる。改正法施行で、ドイツ国籍を保持したままトルコ国籍を取りなおせると推定される約100万人のトルコ系ドイツ国民の動向に注目が集まった。

■誰が申請できる?

トルコ国籍を回復できるのは、「トルコ国籍を脱する許可によりトルコ国籍を失効した者」である。また両親の都合でトルコ国籍を失効した子で、トルコ共和国民ID番号を有し、かつ、成人後3年内に選挙権を行使しなかった者も対象。すでに廃止されたトルコ国籍法第403号第25条によれば、彼らは「閣僚会議の決議により国籍を失効した者」として登録がなされている。ドイツに14カ所あるトルコ総領事館では新法施行日から申請受付が始まった。

人口・住民登録局のイブラヒム・タシャパン局長は、トルコ大国民議会外務委員会でドイツ国籍を有するトルコ人の動向について述べた。同局長はドイツが2000年に「二重国籍」を廃止したことに言及しつつ、「トルコ共和国として、我々はトルコ系住民の脱トルコ国籍許可を増やしてきた。つまり彼らの脱トルコ国籍には承認があるということだ。そして我々は彼らに「ブルーカード」を発行した。ブルーカードはトルコ共和国IDカードでできるほぼすべての手続きを行うことができる。投票や入隊はできず、それにより兵役を務めることができないといったような問題を除けば、出生証明書や共和国IDカードと同じ機能をもつ。このように我々はトルコ系ドイツ国籍者の手続きを簡素化してきたが、ドイツ政府側の運用による苦労はあった。しかし今やトルコ系ドイツ国民は容易に二重国籍を保有できる。つまりトルコ国籍を回復することができる。約63万人が国籍を回復しようとするのではないかと推定される。手続きはそれぞれの所持するブルーカード登録内容に基づいて行われる。(国籍回復者の)数は徐々に明らかになってくるのではないかと考えている。というのも若者には兵役のほかにもいろいろなことがある。彼らがそうした活動を尊重していないとは言わず、彼らは必要性を感じていないのだと言おう。彼らはトルコにかかわる手続きをブルーカードでおこなっているのだから。」

■ブルーカードでどんな権利が得られる?

出生時にトルコ国籍だったが脱国籍許可を得てトルコ国籍を失効した者、およびその子孫でブルーカードを保持する者は、「選挙権および被選挙権、兵役義務、車両および家財道具を特待的に輸入する権利、公法の適用を受け、終身雇用に基づく永続的かつ恒久的な公職の維持」を除く、トルコ国民に与えられたすべての権利の恩恵を受ける。このブルーカードは、居住国の当局が発行する身分証明書もしくはパスポートとともに申請する。申請者に対し、トルコ国内ならば各郡人口総局が、国外ならば当該国の在外公館や当局がカードを発行する。ドイツ国籍を取得したことでトルコ国籍を失効した63万人が現在ブルーカード保持者となっている。

■申請方法

申請は当該者が居住する国の領事館から行うことができる。トルコ国籍を回復させたい人は、「konsolosluk.gov.tr」で予約をおこない、表示されたウィンドウで「トルコ国籍再取得申請」を選択する。必要事項を正確に入力すると申請者に必要書類が案内される。パスポート情報を入力した後、国籍再取得請願書のコピーをダウンロードできるようになり、原本は領事館に送られる。トルコ国籍を失効しドイツ国籍となってからの身分変更、結婚、離婚、出産、死亡といった記録証明のためになんらかの書類が必要な場合は総領事館が提供するリストに掲載された翻訳者に文書翻訳を依頼することができる。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:58352 )