地震倒壊51人犠牲のフルカン住宅の建築家らに、この軽い刑!
2024年07月19日付 Cumhuriyet 紙
ニズィップ重罪裁判所で開かれたフルカン・アパートの裁判で、被告人のファイク・オーウト、エユップ・オーウト、ネジデット・アルパイには無罪、ユルマズ・シャーヒン・ユルトヤパンには懲役16年8か月が言い渡された。逃亡しているアブドゥッラー・デヴリム・セベル被告とハサン・フセイン・セベル被告については分離公判が行われた。遺族らは裁判所の前で判決に抗議した。
ガズィアンテプのニズィップ市ミマール・シナン地区で51人の命を奪ったフルカン・アパートに関して、逃亡している2人と拘束されていない4人の計6人の被疑者について、それぞれ懲役22年6か月を求刑して始まった裁判が続けられた。公判の前には、ニズィップ裁判所周辺に厳重な警備が敷かれた。ニズィップ重罪裁判所で開かれた公判には、フルカン・アパートで親族を亡くした遺族と弁護士も参加した。身柄を拘束されないまま訴えられたエユップ・オーウトは公判に出席した一方、残る被疑者のファイク・オーウト、ネジデット・アルパイ、ユルマズ・シャーヒン・ユルトヤパンと、拘束されていない建築業者のアブドゥッラー・デヴリム・セベル被疑者、ハサン・フセイン・セベル被疑者は参加しなかった。CHP党、EMEP党の議員も裁判を傍聴した。
■検察が起訴状を読み上げ
公判では、まず検察官が起訴状を読み上げた。検察官は、身柄を拘束されないまま裁判にかけられた4人の被告人のうち、ファイク・オーウト、エユップ・オーウト、ユルマズ・シャーヒン・ユルトヤパンについて、「過失によって亡くなる原因を作った」として重刑を、ネジデット・アルパイについては無罪を求めた。
起訴状が読み上げられた後、親族を亡くした遺族らが発言した。原告らは、「被告らは未必の故意の罪によって裁判にかけられるべきだ。公務員たちも裁かれることを求める」と述べた。公判では、瓦礫の下で家族を亡くした人々のうちエリフ・ブセ・カプラン氏が、「地震大国で建物の柱を削ること、中2階に部屋をつくること、そのような場所に電気や水道、天然ガスを引くことが、人を見殺しにすることでなくて何なのか?これは明らかな故意だ。ここを出て家族の墓に行き、『あなたの子どもたちや姉は、あなたの権利を守り抜いた。正義を勝ち取った。安らかに眠ってほしい』と伝えたい。あなた方は『正義は財産の礎である』と言うが、基礎なくして財産も正義もない。私たちに正義を築いてほしい」と語った。
原告の弁護士らは、検察官の起訴状に同調していないことを明らかにした。被告らが未必の故意によって裁かれるよう求めた。
■公務員らについての捜査許可
遺族が公務員らへの訴訟を要求していることについて検察官は、フルカン・アパートに関与した公務員らについて捜査令状が出たこと、公務員らはこの決定に異議申し立てをしていること、そしてそのプロセスが進行中であることを明かした。
■公判廷と代理人の変更要請
被告のエユップ・オーウトは、先の公判での主張を繰り返した。「決して、柱を削るようなことはしていない。改築もしていない。1LDKの部屋も持っていない」と語った。他の被告は弁護士が弁護した。
ユルマズ・シャーヒン・ユルトヤパン被告の弁護士ヤシャル・サーラムは、遺族らの正義の闘いが報道されることで、この裁判は政治的裁判となったと主張した。サーラム弁護士は、「この裁判において、被告人は圧力を受けている。裁判が他の都市に移され、他の裁判官が扱うことを求める。私の依頼人は70歳で、健康上の問題を抱えている。彼が刑務所に入ることになれば、罪のない場所へ生き埋めにされることになる」と話した。ヤシャル・サーラム弁護士は、2024年3月31日の地方選挙で善良党からガズィアンテプ広域市長に立候補していた。
もう一人の被告の弁護士は、自身の依頼人が刑務所内で25キロ痩せたとした。
■裁判が閉廷
裁判所の裁判官は、エユップ・オーウト被告に最終陳述を求めた。オーウトは、「無罪を求めます。私は犯罪者ではありません」と述べた。裁判官が15時に判決が言い渡されることを伝え、裁判は休憩に入った。
■亡くなった人々の親族が反発
休憩後、裁判官は15時50分に判決を言い渡した。法廷は、被告ファイク・オーウト、エユップ・オーウト、ネジデット・アルパイに無罪、ユルマズ・シャーヒン・ユルトヤパンに懲役16年8か月を科した。逃亡しているアブドゥッラー・デヴリム・セベル被告とハサン・フセイン・セベル被告については分離公判が行われた。
判決の後、フルカン・アパートで親族を亡くした遺族が裁判所の前で判決に抗議した。
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( 翻訳者:関口ひなた )
( 記事ID:58393 )