世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言したエムポックス(MPOX)ウイルスに対して、イスタンブル空港では11カ国からの渡航が厳重に監視されたが、悪い事態は発生しなかった。
アフリカ諸国、特にコンゴ民主共和国で確認されたエムポックスウイルスにより、アフリカのフライトに懸念が生じた。これを受け、トルコ保健省国境・沿岸保健総局、イスタンブール空港医務局、空港運営会社、各航空会社はここ数日、予防策に関する会議を開催した。ウイルスが検出された国からイスタンブル空港に到着する便の乗客が精査された。その中で、11カ国および航空管制局からの情報が検討される。
◾️11カ国の旅客情報を評価
イスタンブル空港でのエムポックスウイルスに関する作業について、トルコ国境・沿岸衛生総局イスタンブル空港医局院長であるアイクット・イェネル・カヴァク医師は次のように述べた。「空港では、実際にすべての入国便について、航空会社からオンラインで申告を受けています。しかし、このエムポックスウイルスが世界的な緊急事態に指定されて以来、私たちのチームは民主コンゴや近隣諸国から到着する航空機のゲートに行き、そこで申告を受け取り、乗客を観察下に置いている。それとは別に、感染者が増加している11カ国のフライトを精査しています。今のところ、私たちの空港ではエムポックスウイルスは検出されていなません。」
◾️通報があった場合、乗客は隔離されたエリアで検査
イスタンブル空港で起こりうる事態に備えて準備はできていると述べたカヴァク医師は、「私たちのチームが常時ここで待機しています。この問題について管制塔から通報があった場合、あるいは空港のどのエリアでもこのような通報があった場合、チームが赴いて隔離されたエリアでこうした旅客を検査します。もしこの症状でありうると判断すれば、112番通報を行なって指定された病院に搬送します。」と語った。
◾️飛行機での移動中に感染の危険性はない
カヴァク医師は、ウイルスが呼吸によって感染することが証明されていないため、航空輸送の際には少し安堵したと述べ、次のように語った。
「エムポックスウイルスが吸入によって感染することは証明されていないので、私たちは少し安心しています。ここから1日目、3日目の発熱後に始まる発疹が診断の材料となります。我々の現在の知見によれば、エムポックスウイルスは非常に密接な接触、主に性的接触、素手で発疹に触れ、その手を口や鼻に持っていくことで感染します。現在の情報では、移動中に感染する危険性はないことが分かっています。」
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( 翻訳者:鈴木敬人 )
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