トルコについて書かれた本ベスト5―ガーディアン紙
2024年09月13日付 Cumhuriyet 紙


ガーディアン紙はトルコ共和国の建国百周年に際してその歴史を理解するために読むべき5つの良書を選出した。

1冊目はイルハン・オルガ著の「あるトルコ人家族の物語(Bir Türk Ailesinin Öyküsü)」だ。オルガは幼い頃の思い出に始まり、第一次世界大戦の開始からその後の10年にわたる厳しい時代を描いている。本書はある裕福なオスマン人一家の貧困への転落と共和国の成立を誠実かつ印象的に記している。

2冊目はアフメト・ハムディ・タンプナル著の「時間統制機構(Saatleri Ayarlama Enstitüsü)」だ。共和国建国初期におけるトルコの近代化政策を解放的な側面、そして抑圧的な側面の両方で扱った先駆的な風刺小説である。タンプナルの文体は時に遊び心と不条理を含むが、行間には彼のイスタンブルへの深い愛が見て取れる。

3冊目はナーズム・ヒクメットの詩集である。トルコで最も愛される作家、そして詩人の一人であるナーズム・ヒクメットは彼の国では禁止されていたコミュニストの一人だった。彼の詩は日常の人々の生活を飾り気のないトルコ語で表現している。政治的な人物ではあるもののこれらの詩は何よりもまずロマンティックであると評価されている。

4冊目はラティフェ・テキン著の「愛すべき恥知らずの死(Sevgili Arsız Ölüm)」という小説だ。本書は1950年代で百万人程度だったイスタンブルの人口が今日では1600万人を超えることを象徴する村から都市へ移住する現象を扱った最初の作品の一つである。マジックリアリズムで描かれる本書はディルミトという幼い少女とその家族を中心に彼女たちとともに都市に移り住んだ天使と悪魔の世界にもリスペクトしている。

最後の1冊はアフメト・アルタンの「もう二度と世界を見ることはないだろう(Dünyayı Bir Daha Göremeyeceğim)」だ。2016年に逮捕されたアルタンのスィリヴリで過ごした時間を記した回顧録は、著者が 7 か月にわたって弁護士に違法に送った手書きのメモをもとに作成された。
ガーディアン紙はこの本を「一人の小説家の細心の注意を払って書かれたこの作品は、トルコ人が物語の力を信じていることの証拠だ。」と評している。

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( 翻訳者:鈴木敬人 )
( 記事ID:58641 )