イランが10月1日に行ったミサイル攻撃の後、イスラエルの報復が予想される中、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル紙は注目すべき主張を掲載した。同紙によれば、イランは中東数カ国に対し、軍事施設や領空を使わせないよう脅迫したというのだ。
ウォール・ストリート・ジャーナル(以下WSJ)紙によると、イランは、イスラエルが宣言したミサイル攻撃に際して、軍事施設や領空を使用させることになっている中東のアメリカ同盟国を名指しで非難した。
WSJ紙に対して語ったアラブ諸国の専門家らは、テヘラン政府が外交チャネルを通じて、潜在的なミサイル攻撃を領土・領空を使用させることで容易にする、すべてのアラブ諸国に報復すると警告を行っていると語った。
◾️4か国
専門家らは、イランが脅迫したと言われる国々には、アメリカ軍基地のあるヨルダン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、カタールが含まれると明らかにした。また、これらの諸国は、バイデン政権に、自国の軍事施設や領空がアメリカもしくはイスラエルからイランへ向けた攻撃に使用されるのを望んでいないと伝えたと言う。
◾️イスラエルは決断できず
イスラエル安全保障内閣が夜間に開いた閣議では、イランへの攻撃について結論が出なかったことが分かった。イスラエルのイェディオト・アハロノト紙の報道によると、イスラエルの安全保障・政治内閣は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相を議長とする約4時間の夜間の閣議の末、イランへの攻撃について結論を出せず、投票も行われなかった。
報道では、結論が出なかったためにイスラエル安全保障・政治内閣がイスラエルのネタニヤフ首相やヨアヴ・ガラント防衛大臣に未だ許可を与えていないという。
結論が出なかったことで、ガラント防衛相がイラン攻撃を話し合うために予定していたワシントン・ペンタゴンへの訪問も延期された。
◾️何があったのか?
イランは、10月1日にイスラエルへのミサイル攻撃を行った。テル・アビブ政府は、イランのこの攻撃に報復すると宣言した。アメリカのジョー・バイデン大統領は、イスラエルがどのような形で報復をするかについてはまだ明確に定まっていないと明らかにしつつ、イスラエルによるイランの核施設への攻撃を支援しないと述べた。また同大統領は、イスラエルが「相応の手段で」報復するものと信じているとの考えを示していた。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:関口ひなた )
( 記事ID:58857 )