違法な賭博を奨励したとの容疑に関し実施されている捜査の中で、拘留されたメフメト・アリ・エルビルとセルダル・オルタチを含む4人の容疑者に対して実施された司法観察措置にイスタンブル共和国主席検察局は異議を唱え逮捕を請求した。他方、CNNトルコ・イスタンブル報道責任者ニハト・ウルダは、イスタンブル共和国主席検察局が違法な賭博サイトへのアクセス禁止を請求するだろうと述べた。
イスタンブル共和国主席検察局によると、違法な賭博を奨励したとの疑いに関して、ソーシャルメディアのインフルエンサーと著名人を含んだ容疑者に関し始められた捜査が続いている。
捜査では輪番の簡易刑事裁判所が容疑者のエルビルとオルタチを含む4人の容疑者に関し下した司法観察措置に主席検察局は異議を唱えた。
検察は4人の容疑者の再逮捕を要求した。
◾️違法な賭博サイトへのアクセス禁止
CNNトルコ・イスタンブル報道責任者ニハト・ウルダは、「最終的に、イスタンブル共和国主席検察局は急進的な措置を講ずる準備をしている。今日時点であらゆる違法賭博サイトへのアクセス禁止の請求がきている。今後、トルコからそのようなサイトへ入ることはできないだろう。イスタンブル共和国主席検事局のアクン・ギュルレキ主席検事の責任の下、こうした措置が実行される。」と述べた。
◾️何が起きたのか?
イスタンブル共和国主席検察局は、違法な賭博を奨励した疑いに関し実施している捜査の中で、ソーシャルメディアのインフルエンサーと一部の著名人を含む23人の容疑者の拘置を決定した。
捜査では違法な賭博広告に加わったと主張されている容疑者の中に、歌手のセルダル・オルタチ、司会者のメフメト・アリ・エルビル、元サッカー選手のバトゥハン・カラデニズ、ソーシャルメディアのインフルエンサーであるイブラヒム・ユルマズ、ムザフェル・ゾルベイ・エルコチカル、セファ・ジャネル・サルチャム、ロシアとトルコ国籍を持つアレクサンダー・メンシコフがいると確認された。
イスタンブル県警本部の職員たちにより実施された強制捜査では、メフメト・アリ・エルビルとセルダル・オルタチも含む容疑者の中から16人を拘束した。
容疑者の内、5人は海外にいて、もう2人は捜索中であるという。
警察での手続きの後、裁判所に送致される容疑者の中でセルダル・オルタチとメフメト・アリ・エルビルに関して、「自宅軟禁」の形で司法観察が決定された。セファ・ジャネル・サルチャム、エスマ・ソゼン、ムザフェル・ゾルベイ・エルコチカル、イブラヒム・ユルマズを含む12人の容疑者は勾留され、2人の容疑者が司法観察の条件で釈放されると決定された。
◾️メフメト・アリ・エルビルの供述判明
イスタンブル共和国主席検察局・情報技術犯罪捜査課が実施した違法賭博捜査の中で、拘束され自宅軟禁を決定された司会者のメフメト・アリ・エルビルの供述が明らかになった。
◾️「私たちを招待した」
メフメト・アリ・エルビルは、検察での供述の中で、次のように述べた。
「バルシュという私たちの共通の友人がいました。セルダルと共に、マルタにあるホテルの開業記念に招待されました。スタンドアップショー方式でスタジオが準備されていました。そこで私たちを招き、撮影するように誘われました。オーナーが私にあるTシャツを着せようとしました。このTシャツに賭博広告が含まれているのを後で知りました。私はこれに抵抗し、私たちはゲストだったため、招待者とも気まずくなりました。そのサイトで放送されているものの中でギャンブルと賭博は有害なものです。私は決して賭博はしないという形で発言しました。この放送はおよそ半時間続きました。最終的に、事態を把握し弁護士を通じてメディア発表を行いました。
ユナルという人物が、その後、私に連絡してきて騙そうとしました。YouTube上のチャンネルに私が参加していると言って、再び出演するよう誘いました。しかし、私は事態を把握し、受け入れませんでした。彼は、3か月間こうした形で私に一緒に放送をやるよう依頼を続けました。この人物は、特段知り合いではありませんでした。上で述べた通り、私たちの共通の友人であるバルシュ経由で知り合いました。この出来事の後、共通の友人であるバルシュは消えて、私は彼と再び会っていません。私たちはあの場所へ単に友人のバルシュの伝手で行きました。この映像に出演したことの引き換えに、これらの個人からいかなる報酬も物的利益も受け取りませんでした。ただユナルという人物は、説明した通り、3か月間私に連絡してきて出演依頼をしました。2万から2万5000ユーロの出演料を提示しました。私は受け入れませんでした。述べた通り、その後に彼らと直接会ってません。」
◾️「生放送に出演してなかったら、私を放っておかなかった」
エルビルは輪番の簡易刑事裁判所での供述の中で、次のように言っている。
「私が関知しない事件に巻き込まれました。事態を把握する前に彼らが広告を作って私の映像が放送されていました。このことに関して、弁護士を通じて、私の記憶では、7月くらいに告発を受け、世間に説明を行いました。この事件により世間に注目された一人のアーティストとして、このように巻き込まれたと説明を行いました。私自身は違法賭博をやっておらず、その賭博の名前さえ知りませんでした。
このことに関しても説明しました。放送で、『ギャンブルは悪い行いである』といった発言もしました。直接生放送で、この種の賭博に私は手を染めていないし、皆さんにも手を染めないよう勧めました。生放送に出演していなかったなら、彼らは実際のところ私のことを放っておかなかったはずです、脅迫してきました。彼らは広告用のTシャツを着るよう無理強いしてきました。私たちは単に気分転換のためにセルダル・オルタチと一緒にあるレストランの開店に行きました。全く物質的・精神的利益はありませんでした。私の銀行取引においても、どこにも利益に関する点は存在しませんでした。こうした必要性は私にはなかったのです。私のSNSアカウントにも『ギャンブルで遊ばないで』という形で警告を行っています。私が広告を行うなら、こうした会社の名前を明らかにできますが、こうした仕事はしていません。
私は不調を抱えています。今日、薬を飲まずにいると、昏睡状態に陥る可能性があります。以前、3年前、ある事故が起きました。私はこうしたリスクを抱えていて、何かのきっかけで命の危険が生じます。このことに関して医師からの診断書があります。先生が処方した薬を病院で受け取っており、その薬は珍しいものです。私は無罪であり、釈放を要求します。」
◾️イブラヒム・ユルマズの供述判明
違法賭博捜査で拘置されているソーシャルメディアのインフルエンサーであるイブラヒム・ユルマズの供述が明らかになった。ユルマズは供述の中で、「広告契約したサイトに私のフォロワーを誘導しています。このサイトが違法賭博サイトであることは事件後に知りました。」と言った。
イスタンブル共和国主席検察局によると、違法賭博の奨励の容疑に関して実施された捜査の中で、SNSで多くのフォロワーを持つ一部のインフルエンサーや著名人を含む彼らのアカウントで、オンライン違法賭博サイトの広告が出されていたのが確認された。捜査の中で拘置され、1900万のフォロワーがいるインフルエンサーのイブラヒム・ユルマズの供述が明るみになった。ユルマズの供述では、「およそ2000万のフォロワーがいます。私のフォロワーが、私がフォローした人物をフォローすると、私は彼らに褒賞を与えていました。私が広告契約を行ったサイトに私のフォロワーを誘導させています。そのサイトが違法賭博サイトであることは、事件発覚後に知りました。」と言った。
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( 翻訳者:鈴木啓太 )
( 記事ID:59052 )