イスタンブル条約を離脱してから何人の女性が殺されたのか
2024年11月25日付 Medyescope 紙


今日11月25日は女性への暴力根絶国際デーである。今日は、イスタンブル条約から離脱後、2番目の集団デモがあるという理由で重要性を帯びている。調印された日から今まで政治の話題だったイスタンブル条約から、トルコは公式に2021年7月1日に離脱した。条約からの離脱が官報で発表された日から今日まで女性への殺人と疑わしい女性の死を私たちは分析した。

11月25日は、1981年から非公式に、1999年からは公式に女性への暴力根絶国際デーとして制定されている。今日は、イスタンブル条約から離脱後、2番目の集団デモという理由で重要である。このため、デモで近年はしばしば「イスタンブル条約を放棄しない。」というスローガンが掲げられている。

■トルコはイスタンブル条約からいつ離脱したのか

イスタンブル条約は、2011年5月11日に調印され、2014年8月1日に施行された。調印された日から今日まで、政治の話題となったイスタンブル条約からトルコは公式に2021年7月1日に離脱した。その理由はというと、条約が「家族の一体性を損なう」というものであった。イスタンブル条約からの離脱が官報で発表されてから今日まで、女性への殺人と疑わしい女性の死を私達は分析した。

■イスタンブル条約から離脱後、最低でも1219人の女性が殺された

「女性への殺人を阻止するプラットホーム」のデータによると、トルコが条約から離脱した後、少なくとも1219人の女性が、男性によって殺された。

女性への殺人の状態はこのようである一方、「女性への殺人を阻止するプラットホーム」は、効果的な捜査が行われず、無処罰が理由で疑わしい女性の死が増加していると述べた。2021年3月から今まで1254人の女性が疑わしい死に方をした。

■イスタンブル条約はなぜ重要か

イスタンブル条約は、暴力にさらされている女性とLGBT+の人々を保護する上で必須の最初の国際条約である。物理的な暴力、威嚇、強姦、強制的な結婚、精神的な暴力、女性割礼、強制的な中絶といった性的な暴力の全てに対する制裁が想定されている。

社会的な性別の平等のために重要な一歩となった同条約は、トルコと世界の女性運動の重要な勝利であった。なぜなら、女性が女性であるが故に差別されることを阻止し、女性、男性、子供、障害者、難民、LGBT+、全ての個人を家庭内暴力から守っていたからである。

同条約は、男性の暴力に対し国内外、地球規模で根絶する上でも非常に重要であった。男性の暴力の被害者に対して精神的・法律的な支援を保証し、十分な数のシェルターが配置されることは、条約の守るべき項目の中にあった。これとともに女性に向けた暴力が罪に問われ、必要な処罰が与えられることも条約は想定している。

条約は、女性に対する暴力の中に伝統、慣習、信仰あるいは「名誉」という理由も制裁の対象としていた。

■暴力は精神的、肉体的、社会的な影響がある。

女性に対する暴力の種類は、物理的、精神的、性的、経済的暴力、デジタルによる暴力、デートDV、付きまとい、社会的な暴力として認知されている。

「紫の屋根女性シェルター財団」のHPにある情報によると、暴力の影響は全ての女性で様々に現れる。さらに、暴力が女性に対して精神的、肉体的な影響があるように暴力の社会的な影響もある。

これによると、暴力の精神的な影響の中には、恐怖、罪悪感、恥辱、無力感、孤独・絶望感、不信感、自己肯定感の喪失、自己否定、継続的な警戒感、アルコールや薬物への依存、摂食障害、性的倒錯、不眠、感情の爆発が列挙されている。

◾️11月25日のデモで注意を引くものは

トルコで女性への暴力に対し女性運動が高まり、毎年11月25日と3月8日にデモを行なっている。その中で「保護するな、潔白を示せ、裁け」「イスタンブル条約を導入せよ」「イスタンブル条約を生かす」「無処罰をやめよ」といったスローガンをあげ、プラカードを掲げている。

諸々の女性団体はトルコがイスタンブル条約から離脱したのち、行政裁判所でこれを定めた法令の破棄・施行停止を求めて複数の裁判を起こした。行政裁判所第10法廷は同条約からの離脱を合法とした。

女性たちは11月25日にデモを行う中で、政府がイスタンブル条約から離脱したこと、6284号法を効果的に運用していないこと、慰謝料・養育費に関して注意を促している。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:59119 )