イスラエル軍、シリアに越境:軍に「安全地帯」指示―イスラエル・シリア国境で何が?
2024年12月09日付 Cumhuriyet 紙
シリアで武装集団がダマスカスを掌握し、61年間続いたアサド政権が崩壊した余波が続くなか、イスラエルはシリアの南西部で行動を起こし、1973年来はじめてシリア領内に入った。
イスラエルのギドン・サール外相は、イスラエル軍がシリア領内に入っているのは、アサド大統領政権が転覆したのちの混乱の際しイスラエルの安全を守るための「限定的で一時的な」措置であると述べた。「我々の唯一の目的はイスラエルの安全である」としたサール外相は、イスラエルが、シリアにある「化学兵器貯蔵の疑いのある場所や長距離ロケットなどを、敵対する勢力の手に落ちないようにするために爆撃した」と述べた。サール外相は、「このため、たとえば化学兵器や長距離ミサイル・・ロケットのような戦略的な兵器システムに対し、それが過激派の手にわたらないようにするため、攻撃した」と話した。
■ 軍に「安全地帯建設」指示
一方、イスラエル・カッツ防衛相は、イスラエル軍が昨日ゴラン高原の緩衝地帯に配置されたのち、軍に対し、イスラエルとシリアの間の緩衝地帯を完全なコントロール下に置くよう指示した。また、緩衝地帯の向こう側を含め、シリアの南にイスラエルの脅威となる「重量級の戦略兵器やテロの下構造のない安全地帯」をつくるという指示を出したと述べた。
この他、軍に対し、ドルーズ派やシリア南部のその他の人々とも折衝するように指示を出したカッツ防衛相は、「イランからレべノンに向け、シリアを通る、あるいはシリア領内や国境通過地点で、武器密輸ルートの刷新を直ちに防止・妨害」するよう指示したとのべた。
カッツ防衛相は、また、軍に対し、シリアでイスラエルに敵対する勢力の手に渡したくない「地対空ミサイル、対空防衛システム、地対地ミサイル、巡航ミサイル、長距離ロケット、地対海ミサイル」を含めた戦力的兵器を破壊するよう指示したとも述べた。
■ 何が起きたのか?
イスラエル軍は、占領地であるゴラン高原のハーモン山のシリア側を占領したのち、シリア全土の何十という戦略ポイントを空爆したと発表した。イスラエル戦闘機は、攻撃で、基地、対空防衛基地、諜報施設のほか、長距離・短距離ミサイル庫、対空防衛システム、兵器製造拠点、不用兵器の倉庫などを標的にしたという。イスラエル軍は、12月6日に、シリアの急変をうけ、占領中のシリア領ゴラン高原の部隊に援軍を送ったという。軍は、アサド政権が転覆したのち、占領地であるゴラン高原とシリアの間にある緩衝地帯に、12月8日に軍をおくった。
イスラエルは、シリアのゴラン高原を1967年に占領した。1974年にイスラエルとシリアの間に締結された軍撤退協定により緩衝地帯と非武装地帯の境域が決められた。イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエル・シリア国境のベンタル山を訪問し、「この地域は、約50年間、1974年に締結された軍撤退協定により緩衝地帯としてコントロールされている。しかし、この協定は意味を失った。シリア軍はこの地を去った」と述べた。
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班H )
( 記事ID:59215 )