シリア難民帰国により国境のキャンプはもぬけの殻
2024年12月15日付 Milliyet 紙



一時は何千帳ものテントがひしめいていたシリア-トルコ国境付近の地域では、人々が地元へ戻ろうと国内帰還をはじめた。テント村には、テント倒壊を防ぐために使われていたレンガや石だけが残る。

2011年春、シリアのダルアー県で自由と民主主義の前進を求めて始まった街頭デモは、政権が武器を使用し人々の命を奪ったことで内戦へと発展した。

短期間でシリア全土に広がったこの衝突を背景として、市民らは2013年末以降、トルコをはじめとする世界各地や、シリア国内でも空爆から身を守ることができると考えられるトルコ国境付近に移住した。

シリア国内に留まりつつもトルコ国境付近に移住した約200万人のシリア市民は、アアザーズ市からジェラーブルス市にかけての地域に設置されたテント村で暮らし始めた。一方、トルコ国内では、NGOの支援を受けながら困難な状況での生活を続けていた。そうしたシリアの人々が、各都市が独裁から解放されたことを受けて故郷に戻り始めた。

■数万家族が自宅に戻る

トルコ国境まで1キロのアレッポ県アアザーズ郡スッジュ地区では15日前まで数千帳のテントが設置されていたが、そこに暮らしていた数万人のシリア人家族は、反体制派が各都市を制圧したことを受けて故郷に戻っていった。

自国内で難民状態だったシリア人らも、各都市が解放されるやテントや家財をまとめてトラックに積み込み、アレッポ、ダマスカス、ハマー、ホムスやその他の地域の自宅に戻りはじめた。シリアの人々が帰還すると、かつて数千帳ものテントがあった場所にはテントの倒壊を防ぐために使われていたレンガや石の残骸が残るのみとなった。

■20万人のシリア人がいまだテント暮らし

この地域で活動する人道支援財団(İHH)職員のヤクプ・アラジャ氏は、シリアで反体制勢力が支配権を握ったことで国内帰還がはじまり、テント村に暮らしていた人々も自宅に戻りはじめたと語った。アラジャ氏は、「ここバビュッセラム・キャンプはトルコ国境に近く、最初期に設置されたキャンプでもある。2013年末以降、アサド独裁政権による市街への爆撃を受け、避難したシリア市民がトルコ国境に押し寄せた。ここに避難した人々は自らの手でテント村を設置し、長年、このテントで必死に暮らしてきた。最近の情勢の進展に伴い、人々はテントを出て何年も離れていた故郷へと国内帰還をはじめた。現在、トルコ国境に近いアアザーズ郡とジェラーブルス郡を結ぶ線上のすべてのテント村で大規模な国内帰還が起こっている。とはいえこの地域では20万人以上の人々がいまだ必死にテント暮らしをしている」。

アラジャ氏は、国境付近でテント暮らしをしている人々も早々に故郷に戻るはずだとし、「6ヶ月後、あるいは1年後にはテントはひとつもなくなるだろう。ここで暮らしていた人々は今、自宅の状態を確認している。内戦で自宅が破壊された人々は基本的にキャンプに留まるだろうが、そうした人も家が建てば自らの地元に帰るだろう」と述べた。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:59259 )