シリア、ロシアと秘密交渉?
2024年12月18日付 Cumhuriyet 紙
エコノミスト紙はシャーム解放機構とロシアの「交渉が始まった」と主張した。シャーム解放機構の情報筋に基づく記事では、組織がロシアとの関係について実用的なアプローチをとっていると主張した。
シリア内戦へのロシアの介入は、2015年にシリアのバアス党政権への支援を目的として実行され、ロシア政府はこのプロセスで重要な軍事的成果を達成した。しかし、アサド氏のシリア退去とともに、クレムリンのシリアでの存在が不透明なものになった。
エコノミスト紙によって伝えられた情報によれば、シリアでバアス党政権が崩壊した後、同国の将来についての交渉が既に始まっている。シャーム解放機構は、ロシアがフメイミームやタルトゥースなどの戦略的に重要な軍事基地を守ることを容認するのに好意的だが、この措置は完全に自国の利益に沿って行われるものであると強調している。る。
シャーム解放機構の関係者は、このプロセスでバランスを取ろうと努めており、特定の勢力の影響下に入ることを望んでいないと明らかにしている。この重要な状況下で、当事者たちがどのように調整するかによってシリアの未来が形作られていくことになろう。
以下、記事の話題。
◾️アサドの引き渡しは可能か?
シャーム解放機構は、国内のロシア軍基地を守るのに「恐らく」許可を与えるだろうと述べた。また、フメイミームの80km南に位置するタルトゥース港でも「ロシアの賃貸契約を尊重」する可能性があると見られている。
これは、「ロシアが地中海にもつ唯一の水深のある海軍基地へのアクセスを維持する」ことを意味している。
シャーム解放機構は、アサド氏の引き渡しがほぼ不可能であることを認めている(現在まで、いっさいの公的な要求はなされていない)。シャーム解放機構の情報筋は、「デッドラインはない。このことは全く利害に関わるもので、イデオロギーではない」と述べている。
◾️「政権幹部を『高額料金』と引き換えに逃し続けている」
ロシア空軍は過去10年に渡って反政府勢力下の地域に日常的に空爆を行い、何千もの人を犠牲とする要因となった。このおかげで、アサド政権の存続を確保してきた。アサド氏がシリアから逃れたときも、ロシア政府が彼に避難場所を提供する唯一の場所だった。
「バアス政権政権崩壊からこれまでの期間で、ロシアの輸送機は元閣僚たちを含む、政権関係者、アサド氏の広範な身内、元独裁者を経済支援して国を統治していたマフルーフ家を『高額料金』と引き換えに逃し続けている。」
そして最近、ロシア軍は現場でシャーム解放機構と連携しなければならなくなった。
◾️シャーム解放機構からロシアへ:「これは十分ではない…」
シャーム解放機構はロシアによってごく最近まで「テロ組織」として見なされていた。ロシアの軍事基地は、反政府勢力によって包囲されている状況だ。シャーム解放機構関係者によれば、「いくつかの軍事基地は食料と水が払底してきており、ごみと下水が蓄積している。」ようだ。
シャーム解放機構は[パルミラ付近にある]T4空軍基地からフメイミームに逃れるロシアの輸送団の警備を行っている。
ロシアはタルトゥース港とフメイミーム空軍基地へのアクセス維持を代償にシリアに人道支援を提供すると述べた。しかし、シリアの新指導者らは十分ではないと述べている。
彼らはロシアとの外交・経済関係を確立することによって外の世界とのつながりを確保したいと考えている。
一方、ウクライナもシリアに小麦提供を言ってきた。
◾️「復讐を意図してはいない…」
シリアの新指導者らは難しい決断に直面している。シャーム解放機構関係者は、組織は影響力を拡大しようとする外部勢力との間でバランス確立を目指していると言う。
彼らはいかなる勢力とも完全に結びつくことを望んではいないが、国際的な承認を望んでいる。シャーム解放機構の構成員はアフガニスタンでのタリバンの孤立を警鐘例として注意を促している。
現在まで、多くのシリア人がロシアに対して抱いている深い憎悪とは裏腹に、シャーム解放機構は復讐するつもりはないようで、ロシアに対して極端な動きをする可能性は低いと思われる。
今のところ、彼らは誰が協力してきても受け入れることになるであろう。あるシャーム解放機構関係者はこの状況について次のように説明した。「現在交渉の初期段階だ。人々は血が流れることを止めようと懸命に努力している。人々は新しい生活を始めたいと考えている。私たちは関係を修復しなければならない、国は死にかけている。人々はとても貧しい。」
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( 翻訳者:橋本響 )
( 記事ID:59292 )