シャーム解放機構、外国人軍人を軍高官に任命
2024年12月31日付 Medyescope 紙
12月8日にシリアの政権を握ったシャーム解放機構(HTS)指導下の新政権は、反乱の種となるグループを職業的な軍隊に変えようと努めている。この枠組みで、国内の軍の様々な任務に、一部の外国人軍人を任命した。新政権は、49人を軍の高官に任命した。
シリアのシャーム解放機構(HTS)指導下のジハード主義者たちは、首都ダマスカスを獲得した。崩壊したシリア政権の大統領バシャール・アサドがモスクワに逃亡したのち、アフマド・アッシャラアをリーダーとするジハード主義者たちは、新政権確立のために作業を開始した。
HTSは、戦争の傷跡を修復し、国の一体性を守るという名目で、シリアに暫定政権を設立した。暫定政権には、主な2つの目的がある。ひとつは安全を確保すること、もうひとつは国家機構を停滞を防ぐことだ。
新政権は、反乱要素となるグループを職業的な軍に再編成しようとしている。ロイターのインタビューに応じた2人のシリア人情報提供者は、複数のウイグルン人、一人のヨルダン人、一人のトルコ国籍者が新たに任命されたものの中にいると述べる。ジハード主義者を国家の職につけることは、西側諸国家やシリア国民を不安にすることになる。このため、HTSのリーダーのアフマド・アッシャラアは、以前に行った発表でも、包括的な政権をつくるといい、「寛容」を約束した。
ロイターに話した情報提供者は、シリア国防省が必要とする50人近い高官ポストのうち、少なくとも6つが外国人に提供されたという。
■ 外国人軍人がつくる軍:新高官にはだれが?
任命された人の中にはHTSメンバーや、内戦の始まった当初に反体制派に加わるために軍を離れた旧軍将校がいる。こうした人から2人に大将、5人に准将、40人に大佐の称号が与えられた。大佐の称号を与えられたもののなかには、シリア暫定政権の国防相ムルハフ・エブーカスラもいる。イギリスに拠点をおくシリア人権監視団(SOHR)は、任命された人のなかに、アルバニア人、ヨルダン人、タジク人、トルコ人と、トルキスタン・イスラム党のジハード集団に属すウイグル人を含め、6人のジハード主義者が確認されたという。ロイターのインタビューに応じたHTSの情報提供者は、「これは、アサド政権の暴政を倒すうえでのイスラム・ジハード主義者の貢献に報いる小さな報償だ」という。
シリアの軍関係者とHTS関係者によると、トルコ国籍者であるオメル・ムハンメデ・チフチ氏と、ヨルダン国籍者のアブドゥルラフマン・ヒュセイン・アル=ハティーブが准将に昇格したという。2016年にアメリカ財務省がテロリストに指定したアルバニア人ジハード主義者アブドゥル・ヤシャリーも大佐に任命されたものの一人だ。
一方、中国の分離主義者でトルキスタン・イスラム党(TİP)のメンバーであるウイグル人戦闘員のアブドゥルアジーズ・ダウド・ヒュダーヴェルディも、准将に任命された。シリアで、何百人という戦闘員がいるとみられるTIPは、ムスリムのウイグル人が多い中国や中央アジアの一部地域に、イスラム国家の樹立を目指している。
■内戦と反乱分子
シリアでは2011年3月に始まり13年間続いた内戦の当初に、何千人というスンナ派ムスリムが、バッシャール・アサド政権とアサドを支援するイランの支援を受けたシーア派戦闘員と戦うために、反乱勢力に加わった。一部は、自分たちの武装勢力をつくり、一部はイスラム国へ、一部はHTSに加わった。
シリアを事実上、統治するHTSのアフメド・エッシャラアは、自身のグループをシリア化させ、穏健化させる動きの一部として、何十人もの外国人ジハード主義者を追放した。エッシャラアは、先日行った演説で、新シリアっは「グループや民兵の意識では運営できない」と語っている。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班H )
( 記事ID:59399 )