トルコ移民管理総局は、シリア情勢の展開に伴って自主的な帰還者が増加したことを受け、国境ゲートの1日あたりの手続き上限人数を3,000人から19,000人に引き上げたと発表した。
トルコ移民管理総局が、トルコ国内のシリア人の帰還プロセスに関する内容をソーシャルメディアアカウント上で発表。この発表は、トルコ国内で暫定的に保護状態にあるシリア人の自発的かつ安全で尊厳ある秩序だった帰還手順が暫定保護規定第42条「自主的帰還」に従って進められると前置いたうえで、次のように続いた。
「昨今のシリア情勢の変化に伴い自主的帰還が増加したことを受け、トルコの文明的価値観に基づいて円滑に手続きが継続できるよう、移民管理総局は包括的調査を実施し、手続きについてまんべんない措置を講じた。この措置の枠組みで、国境ゲートの1日あたりの手続き上限人数は3,000人から19,000人へと引き上げられた。より迅速かつ効率的な作業のために手続き専用車両が配備され、指紋認証装置やX線装置といった国境ゲートで必要となる設備が整えられた。また、移民予約申請システム(randevu.goc.gov.tr)での自主的帰還申請予約の運用が開始された。自主的帰還を目的として発行される道路通行許可証の手続きも簡素化された。
YİMER(外国人コミュニケーション・センター)157コールセンターは、自主的帰還者の増加に伴い、必要となる情報提供を目的とした通話要件優先順位付けの運用を開始した。また、必要な調整を迅速に行うために、各関連機関・組織や非政府組織との会合もおこなわれている。自主的帰還の手続きは、ハタイ県ジルヴェギョズ、ヤイラドゥ、ガズィアンテプ県カルカムシュ、キリス県オンジュプナル、シャンルウルファ県アクチャカレの各陸路国境ゲートで行われる。」
■「認可出国権が与えられる」
暫定的に保護状態にあるシリア人で、本格帰国のための準備や母国の状況を現地で確認したいという人々には、2025年1月1日から2025年7月1日までの間、認可を得たうえで出入国が可能だと明らかにされた。(トルコからの)出国者はこの6ヶ月間に最大3回までシリアとの往復が可能と明記された。この期間中であればシリアに出入国した者の在留身分証は回収されない。認可出国権は家族の長に与えられ、家族の長が出国しない場合は、成人した家族の代表者一名に許可が付与される。また、認可出国者はキリス県チョバンベイおよびハタイ県ゼイティンダルの陸路国境ゲートから出国することとされ、認可出国権を行使したシリア国籍者は、出国したのと同じゲートからのみトルコに再入国できる。
発表中、自主的帰還の認定出入国手順は以下のようにリスト化されている。
・移民予約システム(randevu.goc.gov.tr)上で「認可出入国」の予約申請をおこなう
・ショートメッセージ(SMS)で送られてくる申請情報で指定された日時に地方移民管理局へ行き、必要な確認事項を届ける(指紋照合、UYAP記録の照会等)
・出国を希望する国境ゲートがある県への移動のために15日間有効な道路通行許可証が発行される
・国境ゲートで外国人指紋照合と、出国に関する問題がないことの最終確認が行われる
・「外国人旅行証明書」が発行されたシリア国籍者は、税関手続きを経て出国できるようになる
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( 翻訳者:原田星来 )
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